マスクを外して卒業証書を受け取る岩国高の卒業生代表
山口県内の多くの高校で1日、卒業式があった。卒業生は新型コロナウイルスの影響を受けた3年間を振り返り、学び舎を巣立った。文部科学省は今春の卒業式で「マスクを外すことを基本とする」と通知したが、各校で対応が分かれた。 岩国市の岩国高では、卒業生226人と保護者が体育館での式典に出席した。今後の大学入試に備えて感染リスクを減らすため、出席者にマスクの着用を求めた。その上で卒業生の表情が保護者たちによく見えるよう、入退場や壇上で卒業証書を受け取る時は外すことを認めた。 卒業生を代表して河田真実さん(18)は「コロナ禍で入学直後から休校になり、新しい同級生にいつ会えるか不安だった。仲間と過ごす大切さが身に染みた」と答辞を述べた。卒業生の竹内成透(なると)さん(18)は「やりたいことが制限され、どうすれば楽しめるかを考えた3年間だった」と話していた。 県教委は卒業式を前に、マスクを外す文科省の通知を県立学校と市町教委に送る一方、マスクの取り扱いについては地域の感染状況や生徒の基礎疾患の有無などの実情に合わせて判断するよう通知していた。 県教委の通知を受け、岩国市内の県立高校で対応が分かれた。高森高と岩国工業高は受験や就職を見据えてマスク着用を卒業生に求め、岩国商業高はマスクの着用は任意と伝えた。3校とも卒業生のほとんどが着用したという。一方、岩国総合高は文科省の通知を伝えて着脱の判断は任せ、一部の卒業生は着用していなかったという。 県教委と県によると、今春は公立と私立を合わせて前年より102人多い1万1963人が高校を卒業する。