おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
夫婦間の危機となった【ひと言】についてお伝えする2回めです。
現実に起きたことを少々脚色して表現しています。
「エビデンスを出せ!」
妻が「このところ家計が苦しいの」と訴えたことに対して夫が投げかけた言葉である。
夫は続けて「一体全体、家計簿を付けないでいて『家計が苦しいの』はないだろう。あなたの話には説得力がない」
この畳みかけるようは夫の語り口に妻は凍りついて、反論する気力が完全に失せてしまった。
夫の企業は業績不振が続き、会社の中枢部にいて、管理職である夫の給与のうち管理職手当の半分がカットされる月が続いていた。
巨額の住宅ローンに小さな年子の子どもを2人抱えて、妻のやり繰りは大変だった。
夫婦のやり取りの中で、夫からの妻を労わる言葉はひとかけらも見られなかった。
この出来事から数年後、この夫婦は30歳代中半で離婚に至った。
「エビデンスを出せ!」が致命的な引き金になったようだ。
妻が「このところ家計が苦しいの」と言葉を投げかけたのは、窮状を訴えた上で相談をしたかったのかもしれない。
ところが、夫はそんな意図とはお構いなしに、自分への非難のように感じてしまい、家計簿を付けていないことを知りながら、先手を打って逆襲したかのようだ。
エリート意識を持ちながら、その意識を家庭にも持ち込んで、夫婦の会話であるべきものを、まるで業務連絡のようにしまう輩(やから)がこの人。
大きな勘違いと言うべきだろう。
ところで私は、鼻持ちならないこの輩をよく知っています。
こんな顔をした男です。
30歳代前半の時期の写真です。
※この男はやがて、深く反省し、アドラー心理学を学ぶことによって救われることになった男でもあります。
◆カップル関係をよりよくしたい人のためには、カップル・カウンセリングがお勧めですが、手っ取り早く学んでみたい、という方には拙著『アドラーが教えてくれた「ふたり」の心理学』(青春出版社青春文庫、税込み770円)がお勧めです。
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