おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
2回にわたって夫婦間の危機となった【ひと言】についてお伝えします。
現実に起きたことを少々脚色して表現しています。
「私も卒業させていただきます」
この言葉を妻から聞いた夫は理解不能だった。
「卒業って言ったって、オマエは何を卒業するんだ? カルチャーセンターか何かか?」
これに対する妻の発言に夫は凍りついた。
「妻の座からです」
やり取りはこんなふうだった。
夫は専門商社の部長職を58歳で役職定年し、65歳まで継続が可能だったにもかかわらず、60歳の3月末で定年退職する旨を妻に伝えた。
その応答が「私も卒業させていただきます」だった。
この言葉を契機に妻は積年の恨みを晴らすかのように、自分が忍従の日々を過ごしていたかをまくし立てた。
夫は、退職後に豪華客船に乗って世界を巡りたいとか、家でゆっくり語り合いたいとか言ったものの後の祭りだった。
「海外に行くならあなたでなく、友達と行きたい」と言われたのもショックだった。
これは実際に存在した話です。
その後の推移は、妻側からの強い勧めで夫が数回、カウンセリングにやって来て、そのうち1回カップルでカウンセリングを行うことで修復に向かったケースです。
熟年夫婦にとって夫の退職は大イベントですが、そのタイミングでの離婚のケースはかなり見られます。
夫の定年退職ならずとも、子どもの結婚、単身赴任の夫の同居などの機会に勃発しがちなのが熟年離婚です。
◆カップル関係をよりよくしたい人のためには、カップル・カウンセリングがお勧めですが、手っ取り早く学んでみたい、という方には拙著『アドラーが教えてくれた「ふたり」の心理学』(青春出版社青春文庫、税込み770円)がお勧めです。
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