アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
今日は、2つのことを話題にします。
1.『感情を整えるアドラーの教え』(大和書房、だいわ文庫)の中国版が出版社から送られてきました。
中国の出版社は、浙江人民出版社。
この本を含めて私の本を5冊翻訳・出版してくれています。
中国語のタイトルを文字通り日本語にすると、『アドラー的情動整理本』になります。
2.SNSに目を向けると、都知事選で2位に入り、その後のマスコミとのやり取りで話題になっている石丸伸二氏のことが話題になっています。
印象に残ったのは、次の3つです。
1)ITと経営の融合でビジネスの課題を解決する ビジネス+IT
ネットで広がる「石丸伸二型コミュニケーション」、対話の機能不全がもたらす問題点(執筆:経済評論家 加谷 珪一氏)
https://www.sbbit.jp/article/cont1/144470
2)ダイヤモンド・オンライン
もし「石丸伸二氏系の上司」に当たったらどう対処すべき?【現役メガバンク行員が語る・元エリート銀行員石丸氏系上司への秘策】
https://news.yahoo.co.jp/articles/
20564afa67c2c693040ab2b7cfcbf6d60dd9bb49?
3)AERA dot.
木っ端みじんに論破する「石丸伸二的なもの」が「政治の顔」になった理由(北原みのりさん)
https://news.yahoo.co.jp/articles/
7190c792eb8d05a4930c04a5ea3e3dc4a7308f8f?
この3つのことをもとに今日の論点を「【石丸現象】について:【ブーム】で終わるか、【ムーブメント】になるか?」に絞り、結論づけました。
1)【石丸現象】は煽り、興奮という情動が支えとなる【ブーム】であり、持続的な効果は希薄である。
私は、自己啓発セミナーや感動を煽る講座を受けてきましたが、それらの効果は、悪く言えば「瞬間湯沸かし器」のようなもので、特定の仕掛けを採用しなければ、一時的な効果しかありません。
2014年から始まったアドラー心理学のブームもその懸念がありました。
2)しかし、【ブーム】から始まったとしても、そこに【意志】と、その意志に基づいた【行動】が加わり、多くの人たちを巻き込むことができれば、【ムーブメント】として新時代を切り拓く作用をもたらす。
私は、赤坂真二先生(上越教育大学教職大学院教授)が2016年ごろにこんなことをおっしゃっていたのを思い出します。
「アドラー心理学は、もはやブームを超えてムーブメントになっている」
【ムーブメント】になるためには、その思想や理論が、当たり前のように人々の生活に採り入れなければなりません。
3)これが私の結論です。
【石丸現象】は、【ブーム】でにはなっても、【ムーブメント】になるには、リーダーの人間力が、せいぜい中間管理職レベルであり、トップの力量を備えていないからです。
そう考えると、石丸的手法を用いつつ、【ムーブメント】にまで変革するリーダーが登場すると、時代を大きく変えることができるかもしれません。
■参考ブログ:2024年7月21日付けブログ 石丸氏には【宰相の器】ありや、なしや?:リーダーの人間力を問う
https://blog.goo.ne.jp/iwai-humanguild/d/20240721
そこでは、こんなことを書いています。
・私の結論は、(1)トップ(宰相)の素養は「帝王学」を身につけていることであり、(2)トップを含むリーダーが備えておかなければならないのは「人間力」だと思っています。
・SNSを通じて一時的な興奮を掻き立てる劇場型の興奮の持続時間が1か月も続かないことを知っているからです。
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