アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(3月29日)は、オフィスの 永藤かおるさん (写真も)のところに PHP研究所研究所から通信教育のテキスト『アドラー心理学に学ぶ「対人関係力」の高め方』(岩井俊憲監修、永藤かおる著)が届きました。
4月からの開講です。

ヒューマン・ギルドのスタッフ著の通信教育テキストとしては、次のラインアップに続く4つめです。

『リーダーのための心理学入門コース』(岩井俊憲編著、宮本秀明・永藤かおる共著)
『アドラー心理学に学ぶ「やる気」の高め方』(岩井俊憲監修、永藤かおる・宮本秀明共著)
『アドラー心理学に学ぶ「やり抜く力」の高め方』(岩井俊憲監修、永藤かおる著)

 ビジネスの現場にアドラー心理学がどしどし届いています。

さて、昨晩の新聞の夕刊に

中高年ひきこもり61万人

のヘッドラインの記事が躍っていました。

日本経済新聞 夕刊(2019/3/29) 中高年ひきこもり61万人 内閣府が初調査 では、次のとおりです(下線岩井)。

・内閣府は29日、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の40~64歳が、全国で推計61万3千人いるとの調査結果を発表した。
7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めた
15~39歳の推計54万1千人を上回りひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になった。
中高年層を対象にしたひきこもりの調査は初めて。

ひきこもりになった年齢は60~64歳が17%で最も多かったが、20~24歳も13%と大きな偏りはみられない。きっかけは「退職」が最多で「人間関係」「病気」が続いた。

・ひきこもり期間は「3~5年」が21%で最多。7年以上となる人が合計で約5割を占め、「30年以上」も6%いた。

・内閣府では15~39歳も合わせた引きこもりの総数は100万人を超えるとみている

・内閣府の担当者は「40歳以上のひきこもりの人もいると国が公認することで、支援が必要なのは若者だけでないという認識を広げたい」と説明。
「若者とは違った支援策が必要だ」と話している。


昨日の読売新聞の夕刊の社会面には、こんなことが書いてありました。

ひきこもっている本人が高齢化し、親も高齢になって、家族が社会から孤立するケースが問題化している。
80代の親とひきこもる50代を意味する「8050問題」と称されるが、地域社会などの多様なサポートが求められる。


今回の内閣府の調査の特徴は、40~64歳代の「ひきこもり」を対象にしたものですが、15~39歳も合わせたひきこもりの総数が100万人を超えるとみなされることは、家族の幸福感に明らかに影響を与えます。

かつて講座に参加していたある女性がこんなことを言っていたことが思い出されます。

「うちの夫は、50年代後半に早期退職して、『俺はもういいや。お前が働け』と言って、ずっと家にいるんです。家事を手伝えばいいんですが、家事すらやらずにテレビやパソコンを相手にして、もう1年以上そのままなんです」

ただ、このように会話ができればまだましかもしれませんが、会話が成立しなかったり配偶者がいない(ただし、親はいる)と、家庭内の雰囲気は荒んできます。


ところで、ひきこもりの多さがマスコミをにぎわしたのは、2010年の、同じく内閣府が発表した調査です。

9年前の朝日新聞(2010年7月24日)に

ひきこもり、全国で70万人 内閣府調査

の記事が載っていたことが記録に残っていました。

こちらは、15歳以上39歳以下の5千人を対象に同年2月に調査したものです。

この数字は、「ひきこもり70万人」として人々にひきこもりを強く印象づけました。

この記事の概要は、次のとおりでした。

・半年以上家にとどまる「ひきこもり」の若者は、全国に推計で69万6千人いると内閣府が公表した。
「閉じこもって外に出ない人の気持ちがわかる」などとする人も155万人に上った。
いずれも対人関係への苦手意識が強く、家族とのきずなも弱い傾向が浮かび上がった。

・ひきこもりは男性が66%に上り、始まった時期は10代が3割強だったが、30代も2割以上を占めた。
きっかけを複数回答で尋ねると、「職場になじめなかった」と「就職活動がうまくいかなかった」が合わせて44%に上り、仕事が原因のケースが多い実態が明らかになった。  

・どちらも「家族に相談しても役に立たなかった」などの項目が目立ち、家族への信頼感が薄く、初対面での会話に自信が持てない傾向が表れた。


最後に、もう一度100万人にこだわります。

「ひきこもりの総数が100万人を超える」と言いますが、100万人というのは、山梨県全体の人口81万5千人(2017年データ)を20万人近く上回る数です。

人数だけで言えば、就労可能なこの100万人の1/3でも仕事に従事すれば、この日本は外国人労働者に多く頼らなくとも賄えることになるのです。

ひきこもり100万人時代は、個人・家族だけでなくより広い社会的・国家的立場から見ても大きなダメージであり、「勇気欠乏症」の由々しき事態のように思われるのですが、あなたのご見解はいかがですか?

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