おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(5月12日)にヒューマン・ギルドで月に1回の営業会議を行い、私が講師としてB to C(ヒューマン・ギルドに主に個人でお越しになるお客様対象のビジネス)の比重を多くするために、 B to B(企業・自治体などの法人対象のビジネス)の割合を減らしていき、他の講師に委譲する旨の宣言をしました。
そんな意向でいたら、どういうわけか1日だけでB to Cの講演依頼が続出しました。
行きますよ、アドラー心理学を広めるためにはどこにでも。
さて、私は講演・研修でやたら感情をかき立てる講師ではなく、むしろ長期的な効果が実現できる意志力に訴える講師です。
感情の高揚が意志力に比べて短期的な効果しかもたらさないことを知っているからです。
その意志力が行動に大きな影響を与えているのを見事に科学的に解いたのが、以前にも紹介した『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル著、神崎朗子訳、だいわ文庫、740円+税)です。
この本の第7章の「将来を売り飛ばす」に意志力の実験として「10分待つ」という考え方が紹介されています。
目先の報酬は昔ながらの原始的な報酬システムに働きかけ、ドーパミンによって欲求が生まれます。
いっぽう、将来の報酬の価値を作用するのは、進化を遂げた前頭前皮質です。
禁煙しながらタバコを吸ってしまうような人の場合、現在の報酬と近未来の報酬が対立したとき、意志力の力を借りて、10分だけ待つことにしてみるのです。
この訓練を繰り返すことによって「最初の10分を我慢できたら、あともう10分我慢して、それでも吸いたいと思ったら吸う」とすることで、短期間でタバコの量が減らせます。
他の気がまぎれることに取り組んでいるうちに忘れてしまうこともあります。
著者のケリー・マクゴニガルは、このことに関連して、何かの誘惑にかられたとき、目先の欲求に従いたくないと思ったときの意思決定の仕方を次のようにまとめています。
(1)長期的な利益に反する行動を取りたくなった場合は、目先の誘惑に負けてしまったら、あとで手に入るはずの最高の報酬をあきらめることになるのだと自分に言い聞かせる。
(2)長期的な報酬が手に入ったところを想像する。自制心を発揮して我慢したおかげで手に入った成果を味わっている、未来の自分の姿を想像する。
(3)最後に、自分に問いただす。「いっときの快楽のために、大事な目標をあきらめていいの?」
実は、内容はまだ書きませんが、私はあることで「10分待つ」を実験中です。
徐々に効果が出ています。
「10分待つ」。あなたもトライしてみませんか?
◆参考:2016年4月26日付けブログ 意志力を味方につける本の紹介:『スタンフォードの自分を変える教室』
<お目休めコーナー>5月の花(13)