おはようございます。ヒューマン・ギルドの岩井俊憲です。
最近読んだ『体感! 思考力の鍛え方 ―仕事に負けない〈勝負脳〉』(林成之著、JIPMソリューション、1,200円+税)のことを紹介します。
著者は、「脳低温療法」の開発者として知られ、北京五輪では、独自に編み出した「勝負脳」理論を北島康介選手ら日本競泳チームに伝授したことで知られる林成之氏(日本大学大学院総合科学研究科教授、脳神経外科医)。
『脳に悪い7つの習慣』(幻冬舎新書)に続く最新著(2月15日初版第1刷発行)です。
林成之氏のことを実際に知ったのは、昨年8月4日開催の社団法人 日本能率協会と株式会社 JIPMソリューション ― 主催の「潜在能力の発揮が経営の生命線をつなぐ」での「脳の仕組みに基づくビジネス脳とリーダーシップ」での講演で、林氏の流れるような講演に魅了されました。
そのことについては、2009年8月5日付けブログ「夏のお勉強」に書いていますので、ご参照ください。
ただ、パワーポイントを使った講演に対して、もっとメモを取りたかったとの不全感が残っていて、その後、林氏の2冊の本を読んだのですが、残念ながら満たし切れない思いがありました。
しかしこの本。私の不全感を完全に満たしてくれました。どうやらこの本が、その時の講演をもとに再編集・加筆されたと思われ、臨場感がありました。
最初に「マンガでわかる<勝負脳>」(第1章)で勝負脳の実践の物語が入ることで、この本を読むモチベーションを高め、さらに第2章の「脳のしくみを理解しよう」で思考力を鍛える上で最も大切な脳のメカニズムやしくみを理解できます。
さらには、
第3章 理解力を高める<勝負脳>
第4章 記憶力を高める<勝負脳>
第5章 目指す自分になれる<勝負脳>
第6章 人間関係をよくする思考力
第7章 斬新な企画を生み出す思考力
第8章 リーダーの考える力を鍛える
****ここまでは、講演で語られた内容****
第9章 思考のメカニズムを駆使して組織を発展させる
第10章 思考力はどのように育まれ何を生むか
と展開されます。
さらには、章の終わりに入っているコラム「体感してみよう!」でこの本の実用性を高めてくれます。
背景と全体像ばかり書いていても仕方がないので、この本で語られている<勝負脳>の自己報酬神経系によって決まる「力を発揮する人の特徴」を記しておきます。
・勝負を自分に対するご褒美と考えて、ワクワクした気持ちになる
・自分が決めてやるという強い思いがある
・明るく前向きな性格(ドーパミン神経群が発達している)
・チームのため貢献するという気持ちがある
・最後まで気を抜かずに目標を達成する
・勝ち負けではなく、勝ち方にこだわる
これに対して「力を発揮できない人の特徴」は、次のようなものです。
・「勝てそうもない」「ムリ」といった否定語をよく使う
・決断が遅く、最後まで迷う
・終盤までリードしていると守りに入ってしまう。このまま引き分けでいいと思ってしまう
・まだゴールしていないのに「もうゴールだ」「勝った」と思ってしまう
・周りを見ながら勝負する
・勝ち負けを気にする
いかがでしょうか? あなたは、「力を発揮する人力を発揮する人」ですか、それとも「力を発揮できない人」ですか?
(注)ヒューマン・ギルドでも取り扱っています。他の本とともにご注文ください。
また、この本のことは、ヒューマン・ギルドの3月度ニュースレターでほとんど同じ内容で「本の紹介」に掲載されます。
<お目休めコーナー> 禅寺の梅