シネマの森の迷走と探索

FBに投稿した映画作品紹介を整理し、再掲します。

☆は「満足度」(☆5個満点、★で補足)。

小栗康平監督「FOUJITA」(2015年、116分)

2024-02-25 23:23:43 | 日本・2010年~


小栗監督と言えば「泥の河」(1981年)、「伽倻子のために」(1984年)、「死の棘」(1990年)でよく知られ、わたしの好きな監督のひとりです。本作品はこれまでの小栗作品とは、少しテイストが違うように感じました。

画家、藤田嗣治(1886-1968)の半生を描いた作品です。

前半は1920年代のパリ、後半は1940年代の日本。

エコール・ド・パリの旗手として画壇の寵児となった藤田嗣治(オダギリジョー)。画家仲間や踊り子たちとの乱痴気騒ぎにうつつを抜かしながらも、彼は名声を得ねば大成しないとの信念のもと、フーフー(お調子者)のニックネームを意にかいしません。

彼の名声の宣伝に協力したフェルナンド(マリー・クレメール)と別れ、新たな恋人ユキ(アナ・ジラルド)と遊興に耽る藤田。彼はモデルのキキ(アンジェル・ユモー)に「スキャンダルや馬鹿げた騒ぎを重ねるほど、自分の絵は綺麗になる」とうそぶくのでした。

1940年代の日本に帰国した藤田。軍部から戦意高揚画の製作を依頼されます。彼はこの作業に携わり(「アッツ島玉砕」など)、「絵が人の心を揺さぶることを知った」と悟り、戦争絵画に意欲を見せます。

空襲の惨禍は東京に迫り、藤田は妻の君代(中谷美紀)と田舎に疎開。敗戦への道をまっしぐらにたどるなか、近隣の農家の人々と豊かな自然に接しながら藤田は新たな日本を再発見していきます。

戦後、戦争協力者と批判を浴びた藤田は再びパリへ・・・。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ラナ・ゴゴボリセ監督「金の... | トップ | 寺山修司監督「さらば箱船」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本・2010年~」カテゴリの最新記事