表題の書籍の「はじめに」を紹介します。「太平洋戦争後、新しい日本国憲法のもとで生まれ変わった日本は、「高度経済成長」というめざましい経済の発展の中で人口を増やし、アメリカについで2番目に豊かな国となりました。人々は、お金の集中する大都市へと集まり、豊かさを追い求めていきました。そのため、農村では地域を支える生業である農業や林業の後継者がいなくなっていきました。また、地方の産業の担い手は大都市に本社がある大企業にとってかわられ、地方のお金が大都市へと流れ出ていくしくみになっていきます。やがて、成長をつづけていた経済も頭打ちとなります。日本の経済成長率は1990年代なかばから横ばいとなり、高齢化、少子化も進み、2011年から人口が減少に転じました。それらの影響はまず地方にあらわれ、都市部にも広がっています。どの地域もこれからはますます厳しい時代になるといわれています。しかし、そんななかにあって、全国の地方自治体(地方公共団体)や地域住民が知恵を出し合い、人びとのつながりを活かしながら、地域の課題に挑戦しています。住民自身が地域のあり方を考え、課題を解決することを、地方自治といいます。日本という国は、全国の小さな地域が集まって成り立っています。つまり、時代の転換期を乗りこえるため、地方自治の力がとても重要になっているのです。」
若い人たちに、地方自治やまちづくりを理解してもらえるよう書かれた初期ですが、「はじめに」に書かれていることが、今の日本を現しています。若い人たちだけでなく、全ての人にも読んでいただきたいと思います。
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