(さかなには ふるづけきゅうり つきのにわ)
肴(さかな)の語源は、室町時代にお酒のおかずを「酒菜(さかな)」と呼んだことに始まる。字だけが肴に変わった。あてがうが語源の「あて」、手でつまむが語源の「つまみ」と同義。
「月の庭」は、中秋の名月の出ている庭のことで、夜とはいえ月光に照らされ秋草もはっきり見えるだろう。そんな庭のテーブルで、月を愛でながら酒を酌み交わすのである。
この時期の肴には、芋名月とも呼ばれるから第一に里芋の衣被、芋茎(ずいき)、そして枝豆など。
魚は、秋刀魚、秋鯖、鰯、鮭などが旬である。ところが、作者はとりあえず古漬け胡瓜で一杯始めた。味のしっかり滲みた古漬け胡瓜は、歯ごたえもよろしく、実に美味い。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)