JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
鹿島サッカースタジアム駅発行 東京山手線内ゆき
鹿島サッカースタジアム駅はJR鹿島線と鹿島臨海鉄道線の境界駅ですが、鹿島サッカースタジアムでの試合開催日の旅客扱いをし、それ以外の日は通過もしくは交換のための運転停車を行うのみとなっている駅です。
JR東日本管轄の駅ではあるようですが、乗車券の発売および集改札は鹿島臨海鉄道に業務委託されています。
駅入口の表示には、JR東日本の表示がありますが、鹿島臨海鉄道の文字はありません。
(写真に写っている、集改札をしている駅員さんは鹿島臨海鉄道の駅員さんです。)
ホームの駅名票を見ても、JRの駅です。
鹿島サッカースタジアム駅発行の東京山手線内ゆき一般式乗車券です。業務委託であることと通年営業でないことが奏してか、今では珍しくなった常備軟券が健在です。
発行箇所名が「○委 鹿島サッカースタジアム駅」となっており、鹿島臨海鉄道へ業務委託されていることがわかります。
JR東日本には常備軟券を発売している駅がまだ幾つか残っていますが、東京駅から200km圏内で常備軟券を発売している駅はごく少数であり、そのため東京山手線内ゆきの常備軟券を発売している駅は限られてしまいます。そういう意味で、この駅の存在は乗車券蒐集家にとっては貴重です。
しかし…
もしかすると、この券が拝めるのもあと一ヶ月になってしまうかもしれません。
JR東日本HP http://www.jreast.co.jp/otona/guide/info/suica_area.html
HPの通り、とうとうここにも「東京近郊区間拡大」の波が押し寄せてくるようで、来月14日からは東京近郊区間の駅の仲間入りを果たしてしまうというのです。
東京近郊区間のエリアに入るということは、まず東京山手線内ゆきの乗車券の有効期間は「発売当日限り」ということになります。
また、東京山手線内までの経路もいままでは「酒々井・千葉経由」限定であったものが解除され、エリア内で重複乗車区間が無ければ、どのように選択乗車してもよいことになります。やろうと思えば、我孫子や小山・高崎・八王子などを経由しての乗車も可能になります。
そうなれば、少なくともこの券は廃札となり、返納される可能性が大であり、見納めの時期に来たようです。
逆に、「1890円区間」という金額式の常備軟券が出没したら、それはそれで興味深いことになりそうですが…