南海電気鉄道 天王寺支線

1993年4月、南海電気鉄道天王寺支線(今池町~天王寺駅間)が廃止されました。

天王寺支線はかつて、南海本線と国鉄大阪駅方面を結ぶ重要な路線として位置づけられ、直通の乗入れ列車が運転されるほどでしたが、1966年12月に大阪環状線との接続駅である新今宮駅が開業すると、利用客が激減します。その後、1984年11月には地下鉄工事の関係で天下茶屋駅~今池町駅間が廃止されて本線から孤立した路線となり、単線・単行運転を実施したり、1984年12月には途中に飛田本通駅を開業させたりしますが、1993年4月には全線が廃止されてしまいました。

   images (天王寺駅発行乗車券)

天王寺駅発行の乗車券です。
同駅は国鉄天王寺駅と構内で繋がっており、連絡改札口には精算所が設けられ、そこで乗車券の発売が行われていました。南海線内の乗車券は千切り軟券での発売です。終点今池町駅までは2.4㎞しかなく、全線乗車しても当時最短区間の90円でしたので、ここでの乗車券は90円(小児50円)区間しか設備されておりませんでした。

国鉄線から乗換えの利用客は、ここで国鉄線の乗車券と引換えに南海線の乗車券を購入していました。

   images (天王寺駅発行、国鉄線内ゆき乗車券)

こちらは逆に、南海線から国鉄線へ至る、連絡乗車券です。
同線は天王寺駅以外は無人駅となっており、今池町および飛田本通駅で乗車した利用客は天王寺駅で下車の際に運賃を精算する方式が採られていました。そのため、同線から国鉄線に至る連絡乗車券は天王寺駅の精算窓口で発売されておりました。
今池町駅から国鉄120円区間ゆきについては乗継割引が適用されており、本来90円+120円=210円のところ、20円割引で190円となっています。

   images (天王寺駅発行、国鉄線内ゆき乗車券…裏)

一見すると今池町駅から天王寺駅接続の連絡乗車券に見えますが、裏面を見ますと天王寺駅で発行されたことがわかります。

   images (南田辺駅発行、天王寺支線ゆき連絡乗車券)

こちらは国鉄阪和線南田辺駅発行の天王寺支線ゆきの連絡乗車券です。
当然ながら、国鉄からの連絡乗車券にも乗継割引が適用され、運賃は190円となっています。

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