富士急行 E233系営業開始記念乗車券

昨日の日曜日、201系電車「四季彩」引退に伴う最終運用なのではないか(?)というウワサを耳にし、雨の降りしきる中、富士急行線へ遠征してまいりました。

   images (快速 四季彩河口湖号:富士吉田駅にて)

思えば、一昨年の年の瀬であった2006年12月27日にE233系が営業運転を開始してから早や1年と6ヶ月が経過し、中央線を走る電車の主役は完全にE233系電車にとって変わり、今や201系電車は2編成を残すのみとなってしまいました。
当日、拙ブログにてこの出来事をエントリーさせていただきましたが、当時、まさかこんなに早く殆どの車両が入れ替わってしまうとは思いもよりませんでした。

中央線の電車は毎日、山線の大月駅まで定期運用をしており、その中には朝晩大月駅から富士急行線に乗り入れ、河口湖駅まで走破する列車も設定されています。最近は専ら富士急行線乗り入れ列車はE233系電車にて運転されているようですが、3月のダイヤ改正前までは201系電車もたびたび運用に入っていました。

   images (E233系)   images (201系)

これは、昨年3月に富士急行が発行した、「E233系 富士急行線営業開始記念乗車券」です。
最近同社で専ら採用されている関東交通印刷調整のD型硬券が専用台紙に一枚づつセットされています。

   images (専用台紙、表)   images (専用台紙、裏)

あたかも富士急行自社の新型車両が営業運転を開始したような記念乗車券で、いかに東京駅まで直通運転される中央線の通勤電車が、重要な位置づけの列車であることが伺われるような気がします。

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小児断片記載の鶴巻温泉の特活

   images (荻窪駅発行鶴巻温泉ゆき)

これは、東京印刷場製の中央線荻窪駅発行の新宿接続小田急線鶴巻温泉ゆきの相互式乗車券です。

東京印刷場製の相互式連絡乗車券の場合、小児断片には着駅のみを記載するようになっていますが、この券の場合、他の券とはちょっと変わっています。

   images (真鶴駅発行小田急新宿ゆき)

真鶴駅発行小田急線新宿ゆきのものと比べてみるとわかりますが、東京印刷場の場合、小児断片の文字は90°右に回転させて横書きになっていますが、荻窪駅のものは特活になってはいるものの、なぜか縦書きになっています。

   images (荻窪駅発行小田急線小田原ゆき)

では、荻窪駅のものがすべてそうであるのかというとそうではないようで、同じ小田急線の小田原ゆきの券は通常通りの横書きになっています。

理由はわかりませんが、「鶴巻温泉」の特活を作成する際、何らかの理由で縦書きになってしまったようです。

   images (JR化後の荻窪駅発行鶴巻温泉ゆき)

この状況はJR化後も変わることなく引き継がれ、縦書きの特活のままとなっていましたが、有人窓口の廃止とともに過去のものとなってしまいました。

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関西電力黒部専用鉄道の乗車券

宇奈月~欅平間を走る黒部峡谷鉄道は夏季期間は観光客で混雑する観光鉄道のような性格の軽便鉄道ですが、レールはこの区間(下部軌道)だけではなく、関西電力黒部専用鉄道という専用軌道である欅平~黒部川第四発電所に至る路線(上部軌道)と、途中の黒薙駅で分岐する黒薙支線があります。

この券は黒部峡谷鉄道に乗車した時、自分の使用した乗車券を記念に戴いた際に駅員氏から頂戴したもので、宇奈月駅から欅平駅を経由し、黒部川第四発電所までの専用列車往復乗車券です。
○が組み合わさった食券などの券に用いられる汎用地紋のものですが、券番はきちんと印刷されています。しかし、作業用専用列車という性格上運賃の発生は無いため、料金を記載する欄はありませんが、乗車区間はゴム印補充にて記載されています。

特徴的なこととして、宇奈月~欅平間は黒部峡谷鉄道の線路を走るのですが、この乗車券には黒部峡谷鉄道の表記は一切なく、親会社である関西電力の名前しかありません。そして、発行箇所は駅ではなく、工事責任者が発行するという点が、いかにも黒部峡谷鉄道が電力会社の専用線的要素が濃いことを物語っているようです。

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切取り線のない往復券

これは、大井町駅発行の有楽町ゆき往復乗車券です。

この券は通常のA型一般式往復券とは様式が違い、なぜかB型矢印式の独特な様式の券となっています。
聞いたところによりますと、この券は海水浴シーズンに発売されたもので、大井町から一旦品川駅に行き、折り返し東海道線の始発列車に座って行くことを希望する乗客の為に設備されていたようです。
他に、東京駅まで行く「日暮里ゆき」の券もあるようですが、私は大井町駅発行のものしか見たことはありません。

この券の裏面を見ると、あることに気づきます。

   images (裏面)

これが裏面です。一見何の変哲もない往復乗車券のように見えますが、良く見ると往券と復券の間の切取り点線がありません。

   images (中心部拡大)

拡大すると良くわかると思います。

ただ単に切取り点線のあるB型硬券用紙がなかっただけなのかもしれませんが、折り返し乗車が目的の往復乗車券という性格上、一旦改札を出ることなく復路を乗車するため、わざわざ切取り点線を付けなかったのかもしれません。

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未来の東北博覧会(東北博‘97)関連のきっぷ

1987(昭和62)年7月18日~9月30日、宮城県仙台市の仙台西港地区で「未来の東北博覧会(東北博‘97)」が開催され、期間中は東北本線陸前山王駅から伸びる仙台臨海鉄道に観客輸送のための臨時旅客列車が走り、仙台港駅~仙台西港駅間の仙台港駅から2.2km地点に、東北博覧会前という臨時駅が設置されました。

   images (仙台駅発行東北博覧会前ゆき)

   images (仙台駅発行東北博覧会前ゆき小児券)

これは当時仙台駅で発行されていた、東北博覧会前ゆきの片道連絡乗車券です。
陸前山王駅から仙台臨海鉄道線への連絡乗車券で、東京印刷場製の片矢印式のA型硬券となっています。

夏休み期間中という大変短い期間であったためか、仙台駅の券売機には連絡乗車券の口座は設定されておらず、連絡乗車券は窓口で発売している旨の案内が貼られていたように記憶しています。

   images (東北博覧会前駅発行岩切・塩釜ゆき)

次は反対に、仙台臨海鉄道東北博覧会前駅からJR線への連絡乗車券です。陸前山王駅から140円区間ゆきですから、岩切駅もしくは塩釜ゆきということになります。

こちらもA型券でしたが、仙台臨海鉄道地紋の大人・小児用となっていて、ペラペラの半硬券となっていました。
この他にも陸前山王駅までの社線内完結の乗車券もありましたが、これもA型半硬券でした。

10年後の1997(平成9)年7月19日~9月30日の間、同じ場所で「国際ゆめ交流博覧会」が開催され、同じように観客用の臨時旅客列車が走り、臨時駅のゆめ交流博前駅が設置されました。

このときも仙台駅では連絡乗車券の発売が行われましたが、券売機対応となり常備軟券等の設備はされませんでした。
また、ゆめ交流博前駅にもJR東日本の券売機が設置され、陸前山王までの社線完結券はJRの補片による発売でしたが、近距離きっぷはJRE地紋の券のみで、仙台臨海鉄道独自の乗車券は発行されませんでした。

ゆめ交流博前駅からの乗車券については、菅沼天虎様のブログ「菅沼天虎の紙屑談義」2月21日エントリーの「仙台臨海鉄道 ゆめ交流博前 券売機券」で紹介されておられますので、トラックバックさせていただきました。

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国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろ ~番外編

国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろの9回目は番外編として、「東京印刷場様式に合わせられた新潟印刷場の金額式券」についてです。

新潟印刷場は、新潟鉄道管理局を始めとし、高崎・長野の各鉄道管理局と、東京西鉄道管理局の一部(中央本線竜王~小淵沢間)を管轄していましたが、その中でも高崎局管内の駅のものについては、通常のものとは違う様式の券が設定されていました。これはおそらく、特に首都圏に金額式券の着札が集まる高崎局管内の駅については、首都圏近郊の様式(東京印刷場のもの)と様式や表記方法の全く異なる券が混在が、集札現場に混乱を招くことを避けたものと思われます。

   images (上尾駅発行、新潟印刷場大人・小児券)

これはあくまでも新潟印刷場調整のものですので活字は新潟印刷場そのものですが、レイアウトや表記方法は東京印刷場のものに準じています。

   images (弥彦駅発行、新潟印刷場大人・小児券)

   images (五泉駅発行、新潟印刷場大人・小児券)

下の弥彦駅のものが一般的な新潟印刷場の金額式券ですが、これと比べると違いは一目瞭然です。
新潟印刷場では発駅表示は縦書きで四角枠で囲まれていますが、高崎局のものは横書きで四角枠はありません。
また、新潟印刷場では大人・小児券に小児運賃の記載はありませんが、高崎局のものには小児運賃の記載があります。
さらには、新潟印刷場の小児断片の記載は発駅が縦書きで「発駅→大人運賃」もしくは五泉駅のもののように「発駅→小児運賃」となっていますが、高崎局のものは「金 ○○(小児運賃差額)」となっています。

   images (上尾駅発行、新潟印刷場小児券)

小児用券についても大人・小児用と同じことが言え、活字やの影文字は新潟印刷そのものですが、レイアウトその他の点で東京印刷場のものに準じています。
そのなかでも、特に新潟印刷場のものと異なる点は、今回連載の6回目にてエントリーさせていただきましたが、新潟印刷場の小児券の運賃区間表示は小児運賃表示されていますが、高崎局のものは大人運賃が表示され、別に小児運賃が記載されていることです。

9回に亘ってお付き合いいただきました「国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろ」につきましては、ここでひとまず終了とさせていただきます。
東京印刷場製の硬券は金額式券だけにあらず、その他一般式や矢印式等の乗車券や特急券等の料金券、入場券等、いろいろな分野で面白い現象があります。
また時期を改めて、別の観点から研究していきたいと思います。

乗車券蒐集家にとっても人気が高い東京印刷場の話題なだけに、連載期間中にはたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございました。一つ一つにご返事をすることができませんでしたが、ここで改めて御礼を申し上げます。

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国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろ ~その8

国鉄東京印刷場製金額式乗車券いろいろの第八弾は「地方に飛び出した東京印刷場製金額式乗車券」についての4回目です。

③ 静岡地区用小児券

   images (草薙駅発行、小児券)

今度は静岡地区用の小児券についてです。
大人・小児用券同様、首都圏近郊のものとは様式が違います。

   images (武蔵小金井駅発行、モノクラス化直後券)

雰囲気的には、やはりモノクラス化直後のものに似ています。
(モノクラス化直後の小児券は現在とは違い、運賃区間の表記は小児運賃が記載されていたため、発駅名下の小児運賃の表記はありませんでした。)

   images (久々野駅発行、名古屋印刷場小児券)

名古屋印刷場時代の静岡地区用の小児券はあいにく持ち合わせておりませんが、おそらく名古屋印刷場と東京印刷場の小児券をそれぞれ足して2で割ったようなものであったと思われます。
いずれにせよ、何らかの意図たあって、静岡地区の硬券を印刷するにあたり、東京印刷場が名古屋印刷場の様式を踏襲させた様式を作ったものと思われます。

それでは次回、逆に他の印刷場が東京印刷場の様式に合わせた例について研究してみましょう。

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