JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
水間鉄道 水間観音駅発行 普通入場券(平成期)
前回エントリーで、同社貝塚駅で発行された平成期のA型普通入場券を御紹介いたしましたが、同じ平成期でも、活版印刷のロットが無くなるとオフセット印刷に印刷方法が変更されていました。
2016(平成28)年9月に、水間観音駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、オフセット印刷に印刷方法が変更されています。
様式的には従来の活版印刷のものと変更ありませんが、印刷方法の変更によって若干雰囲気が異なっております。
再掲致しますが、活版印刷時代の貝塚駅の普通入場券です。レイアウトに変更はありませんが、かなり雰囲気が異なっています。
裏面です。券番と発行駅名が印刷されていますが、こちらも旅客車内に立ち入ることはできない旨の記載がありません。
水間鉄道 貝塚駅発行 普通入場券(平成期)
2011(平成23)年9月に、水間鉄道水間観音駅で発行された普通入場券です。
前回エントリーで昭和期の同社普通入場券はB型券であったことを御紹介いたしましたが、平成期になると、A型券になっていました。
白色無地紋のA型大人・小児用券で、やはり南海電鉄の様式によく似ており、B型券からA型券になったことで、さらに雰囲気が似通ってきています。
裏面です。
券番の他、発行駅名が記載されていますが、B型券時代同様、旅客車内に立ち入ることができない旨の文言がありません。
同社は2005(平成17)年に会社更生法の適用を受けて経営破綻し、現在の親会社である飲食業のグルメ杵屋傘下になっていますが、経営破綻以前は南海電鉄との結びつきは強く、かつては筆頭株主でもあったようですが、南海電鉄の傘下ではありませんでした。
水間鉄道 水間駅発行 普通入場券(昭和期)
前回および前々回で、水間鉄道の現行の普通入場券を御紹介いたしました。現行券はA型券で発行されておりましたが、昭和期にはB型券になっていました。
1985(昭和60)年8月に、水間鉄道水間(現・水間観音)駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、当時会社間の関係が深かった南海電鉄の様式に似ています。
裏面です。券番および発行駅名が印刷されていますが、旅客車内に立ち入ることのできない旨の文言がありません。
これが同社の正式な様式なのか、それとも記載漏れなのか、不明です。
水間鉄道 水間観音駅発行 普通入場券
2025(令和7)年5月に、水間鉄道水間観音駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のA型大人・小児用券で、貝塚駅のものと同様に関東交通印刷で調製されたものと思われます。
裏面です。
券番の他、発行駅名と「旅客車内に立ち入ることはできません。」の文言が印刷されています。
同線は、両端の貝塚駅と水間観音駅以外の途中駅はすべて無人駅になっておりますので、入場券の発売は同駅と貝塚駅のみになります。
水間鉄道 貝塚駅発行 普通入場券
2025(令和7)年5月に、水間鉄道貝塚駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のA型大人・小児用券で、関東交通印刷で調製されたものと思われます。
様式としては同社独自の様式ではありますが、雰囲気的にかつての国鉄大阪印刷場で調製されていた普通入場券の様式に似ています。
裏面です。
券番および発行駅名が記載されています。A型券ですので表面の券面には余裕がありますが、「旅客車内に立入ることはできません。」の文言も裏面に記載されているのが特徴で、この点も国鉄大阪印刷場の券と共通しています。
京成電鉄 松戸駅発行 普通入場券
新京成電鉄ネタが続きましたが、あと1回お付き合いください。
前回エントリーで新京成電鉄時代の松戸駅で発行された普通入場券を御紹介いたしましたが、京成電鉄に吸収合併された後も、同駅では普通入場券の発売が行われています。
2025(令和7)年4月に、京成電鉄松戸線の松戸駅で発行された普通入場券です。桃色PJRてつどう地紋のA型券売機券で、様式的には新京成電鉄時代のものを継承しているように見えます。
変更されている部分は会社名が「(新京成電鉄)」から「(京成電鉄)」に変更されたくらいで、特徴ある「発売当日1回限り通用」の文言もそのまま残されています。
再掲いたしますが、新京成電鉄時代の普通入場券です。今回も比較対象のため、新京成電鉄時代と同じ「147番」券売機で購入しました。
また、相変わらず券売機には入場券のボタンは表示されておらず、購入する際には駅掛員の操作によって入場券ボタンを表示したうえで購入する必要があります。
合併後の京成電鉄では入場料金に小児料金の設定があり、千原線を除く各線では大人170円・小児80円になっていますが、今回の合併では運賃料金については新京成電鉄のものを継承するという形でのスタートとなりましたため、京成津田沼駅を除いた松戸線内各駅では、小児用入場料金の設定は行われませんでした。
新京成電鉄 松戸駅発行普通入場券
2025(令和7)年3月に、新京成電鉄松戸駅で発行された普通入場券です。
桃色PJRてつどう地紋のA型券売機券です。
首都圏の私鉄各社でよく見かける、金額式券の着駅部分が「入場券」となっている様式です。ただし、同社では金額式券同様に「有効」の文字を「通用」として記載するようになっており、「発売当日1回限り通用」という文言になっている特徴があります。
また、同社では入場料金には小児料金の設定がありませんでしたため、発売額は170円とだけ記載されており、小児料金の記載はありません。
同社では入場券の発売は券売機でおこなわれておりましたが、通常、券売機には入場券の口座ボタンは表示されておらず、購入する場合には駅掛員が操作のうえ、入場券ボタンを表示しなければ購入することが出来ませんでした。
小田急電鉄 伊勢原駅発行 小児専用入場券
1978(昭和53)年4月に、小田急電鉄小田原線の伊勢原駅で発行された、小児用普通入場券です。
白色無地紋のB型小児専用券で、井口印刷で調製されたものと思われます。
裏面です。券番の他、循環番号および発行駅名が記載されています。
同社ではかつて、全駅で硬券の入場券が発売されておりましたが、小児専用券が設備されていた駅は比較的少なく、大抵の駅では大人・小児用券のみでした。
ターミナル駅でも小児専用券が設備されていた例は多くなく、同駅がどのような理由で小児専用券を設備していたのかは不明です。
西武鉄道 西武立川駅発行 普通入場券
1986(昭和61)年9月に、西武鉄道拝島線の西武立川駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券になっています。
御紹介の券は同社の初乗り区間が90円の時代のもので、当時、同社には券売機が導入されていない駅が都内も含めてかなり存在しており、同駅もその中の1駅でした。
御紹介の普通入場券の他、自社完結の乗車券や国鉄(現・JR)との連絡乗車券についてもすべて硬券もしくは補充券を使用して窓口発売が行われていました。
裏面です。券番の他、発行駅名の記載があります。
同社では、本年3月25日火曜日以降順次、一部の駅において駅係員による遠隔対応駅(インターホンで案内する駅)へと体制を変更しています。
体制が変更される駅とその実施日は、25日火曜日に拝島線の東大和市・武蔵砂川・西武立川の3駅および国分寺線の鷹の台・恋ヶ窪の2駅、27日木曜日に新宿線の新狭山・南大塚の2駅、4月1日火曜日に池袋線の西所沢・狭山ヶ丘の2駅およおび狭山線の下山口・西武球場前の2駅の全11駅というもので、都内で5駅あるほか、西武球場前駅といったイベント輸送時に混雑する駅も含まれています。
御紹介の西武立川駅も今回の無人化駅の1駅で、すでに3月25日に無人化されています。
遠隔対応となる各駅では、駅係員による乗車券類の発売・精算などの窓口業務を終了し、必要に応じて対象駅または近隣駅の係員が対応することになります。
また、PASMOやSuicaなどの交通系ICカードは、残額不足等で精算または入出場が出来ない場合は、自動券売機等でチャージ(積増し)をしますが、残高不足以外で入出場できない場合は、インターホンでの対応になります。
また、対象の各駅では、特急券・座席指定券の発売も終了することになります。
大手私鉄において、東武鉄道の大師前駅のように施設の性質上無人化しても問題ない駅を除き、都内の駅で無人化されることは比較的珍しいことで、しかも、都内ではないにしろ、池袋線や新宿線といった幹線の駅までも無人化されるということは、それだけ乗車券の発売や出改札の業務が、駅専属の駅員不在になっても可能になったというこおとであり、ますます乗車券システムの変革が進むことの第一歩のような気がします。
小田急電鉄 参宮橋駅発行 普通入場券
前回エントリーで小田急電鉄小田原線の参宮橋駅で発行された、シンコー印刷で調製された90円区間ゆきの片道乗車券を御紹介いたしましたので、今回は普通入場券を御紹介したいと思います。
1986(昭和61)年1月に同駅で発行された普通入場券です。B型白色無地紋の大人・小児用券で、シンコー印刷で調製されたものです。
同駅の普通入場券はなぜか赤一条の線が入っており、「通用発売当日1回限り」という文言があったりと、他駅のものとは違った雰囲気を醸していました。
当時、下津井電鉄等の私鉄事業者がシンコー印刷で調製された普通入場券を発売していましたが、雰囲気が当時の「それ」によく似ています。
裏面です。券番の他、発行駅名が印刷されています。
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