趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
IGRいわて銀河鉄道 盛岡駅から青山ゆき車内乗車券
平成27年10月にIGRいわて銀河鉄道車内で発行された、盛岡から青山ゆきの車内補充券です。
運輸管理所乗務員発行の駅名式券で、薄青色(?)無地紋のノンカーボン式となっています。券紙は比較的薄く、けっこう透けます。
一番上にある事由欄によって、片道乗車券のほか、往復乗車券・紛失再発行・別途片道もしくは往復に対応できるようになっています。
発行可能エリアは自社線のほかに連絡運輸を実施している青い森鉄道線・JR八戸線・山田線・田沢湖線・東北線・花輪線に対応できるようになっており、東北本線仙北町~一ノ関間の各駅、山田線の上盛岡~上米内間、田沢湖線の大釜~赤渕間各駅とIGR線青山~いわて沼宮内間各駅、花輪線の東大更~大館間各駅とIGR線盛岡~渋民間各駅、青い森鉄道線の目時~八戸を経由して八戸線の長苗代~鮫間各駅に対応していますが、青い森鉄道線の目時~八戸を経由して津軽線の油川~蟹田間各駅および北海道会社線各駅については対応していません。
この券は前回エントリーの時の渋民駅まで乗車した列車が車掌乗務の列車でありましたため、客扱いをしていなかったときに収集用として発券いただきました。
収集用で使用しない(別に有効な乗車券を所持している)ということで、小児用として発券いただき、わざわざ引っ掻きキズだらけの1枚目の券を廃札として、綺麗な状態の券で作成していただきました。
発行の際には通常検札スタンパーを捺すけれどもどうするかも尋ねれられたので、通常発行される状態のほうが自然なので捺していただきました。
車内補充券としては発行日の年号まで記載させるようになっているところが特徴的です。
裏面です。
前回エントリーの出札補充券にあるご案内文は記載されておらず、精算の件のみが記載された、ちょっと風変わりの券です。
IGRいわて銀河鉄道 盛岡駅から渋民ゆき片道乗車券
平成27年10月にIGRいわて銀河鉄道盛岡駅で発行された、渋民駅ゆきの片道乗車券です。渋民駅行きの乗車券は通常は窓口横にあります券売機で購入するようになっていますが、今回特別に出札補充券で発券していただきました。
緑色IGR自社地紋のノンカーボン様式となっています。再掲欄にJR運賃・青い森鉄道運賃および連絡社線運賃を記載するようになっている独自の様式です。
実際に乗車いたしますので、改札口でスタンパーによる改鋏を受け、列車に乗車いたしました。
下車いたしました渋民駅は簡易委託駅ですが、集札業務は行われていませんので、列車から降りるときに運転士さんもしくは車掌乗務列車では車掌さんに使用済乗車券を渡すことになっています。乗車した列車には車掌さんが乗務しており、乗車券をコレクションしている旨を話し、使用済券を頂くことができました。
裏面です。
ご案内文の印刷はありますが、実にさっぱりとした内容となっています。
大阪城公園駅発行 120円区間ゆき片道乗車券
昭和58年11月に大阪城公園駅で発行された、120円区間ゆきの片道乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型金額式大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
同駅では通常は券売機で乗車券の発売を行っていますが、イベント開催時などの多客時には硬券での乗車券の臨発を行っていました。
同駅は、この券が発行される約2カ月前の昭和58年10月1日に開業した大阪環状線の駅で、大坂城築城400年祭り開催に合わせて開業した、分岐機のない停留所のような駅です。
この券を購入した際にみどりの窓口が設置されていたかどうかは失念しましたが、駅員が配置されている直営駅でしたが、乗車券は「〇ム」扱いとなっており、乗車券の発売に制限があったようです。確か、通常売りの券売機券にも「〇ム」表示があったと記憶しています。
現在では大阪城および大阪城公園、大阪城ホールを始め、大阪ビジネスパーク、大手生命保険会社の本社や高級ホテルが駅周辺にあり、開業して33年が経過した街は大きく変貌しています。
神戸駅発行 普通入場券
前回エントリーで足尾線神土(現・わたらせ渓谷鐵道神戸)駅の普通入場券を御紹介いたしましたので、駅名の被る兵庫県の県庁所在地である神戸駅の普通入場券を御紹介いたしましょう。
昭和59年4月に神戸駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、大阪印刷場で調製されたものです。
大阪印刷場の普通入場券は、80円券以降他の印刷場が「普通入場券」の文字を一斉にアンダーラインの下に移した中、頑なに従来の様式を守り続けた様式で、駅名の活字が小さ目であるのが特徴です。この様式はJR化以後もJR西日本の様式として継承されます。
足尾線の神土駅が当初から「神戸」であったら、それぞれ「(足)神戸」駅と「(東)神戸」駅という表記になっていたかもしれませんね。
神土駅発行 普通入場券
昭和59年7月に足尾線(現・わたらせ渓谷鐵道)神土(ごうど、現・神戸)駅でで発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
神土駅は群馬県勢多郡東村(現・みどり市)神戸という所在地にある駅で、地名は「神戸(ごうど)」ではありますが、東海道本線と山陽本線の接点駅である兵庫県の神戸(こうべ)駅と混同する恐れがあったために神土駅とされたと言われています。
かつての足尾線は神土以遠の区間の勾配がきつく、当駅から先は機関車の重連運用となっていたため、連結作業等に多くの職員が配置されていました。昭和48年に草木ダム建設によって神土~沢入(そうり)駅間が勾配の緩やかな新線に付け替えられると重連運用は行われなくなりましたが、JR民営化後まで駅員配置駅となっていました。
平成元年のわたらせ渓谷鐵道移管時に無人化され、同時に本来の地名にあわせ、現駅名の神戸駅に改称されています。
現在のわたらせ渓谷鐵道神戸駅は、東武のロマンスカー1720系電車を利用したレストラン清流が併設されている無人駅ですが、草木湖や美術館・日光方面への観光の拠点となっており、休日は観光バスが発着する賑やかな駅になります。
JR東日本 上野駅発行 友部から沼津ゆき普通列車用グリーン券
平成27年11月に上野駅で発行された、常磐線友部駅から東海道本線沼津駅までの普通列車用グリーン券です。
青色JRE地紋のマルス券です。
友部駅から沼津駅までの通しの列車はありませんが、普通列車用のグリーン券は「1回限り有効」となっていても、改札口を出なければ同一方向への列車間の乗り継ぎが可能なため、このような長距離に跨る乗車であってもホリデーの事前料金であれば780円で利用することができます。
今回の乗車の場合、友部からの常磐線普通列車で上野駅・東京駅・新橋駅・品川駅のいずれかで乗り換え、東海道本線の普通列車に乗り継ぐことになります。
通常、常磐線普通列車のグリーン車はNREのグリーンアテンダントが乗車しているのでNREの検札スタンパーが捺されますが、この日は何らかの事情でグリーンアテンダントではなく土浦運輸区の車掌氏が乗務していたため、珍しい検札スタンパーになっています。
上野駅発行 80円区間ゆき片道乗車券
昭和52年5月のゴールデンウィークの混雑により、臨発された80円区間ゆき乗車券です。
桃色こくてつ地紋のB型金額式大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
現在ではSuica等のIC乗車券が主流となっていますので混雑したからと言って臨発が出ることはありませんが、当時は混雑によって券売機に長い行列が出来て収拾が付かなくなると、テーブルを出してきて硬券の手売りが行われることがありました。
この券はたまたまそのような場面に出くわしたために入手できたもので、上野駅では通常、硬券による近距離乗車券の発売は行われていませんでした。
券はあくまでも「非常用」として設備されており、特定の窓口に設備されているものではありませんでしたので、発行箇所名の頭には同駅の常備券にあるような窓口番号の記載がありません。
実際に使用していますので改札で鋏を入れられていますが、複数枚の乗車券をまとめて改札掛に差し出すと、軟券のように重ねて鋏を入れるのにかなりの力が必要となりますので、重ねられた券を扇のように開き、あろうことに短い辺に1枚づつ入鋏されてしまうことが多々ありました。
新幹線の中間改札で乗車券と特急券をまとめて差し出した際にも、このように鋏を入れられてしまうことがありました。そのためか、ヤフオクなどで新幹線の硬券の特急券を見ると、横に鋏を入れられているものをよく見かけます。
横の辺に鋏を入れられてしまうことは上の辺に鋏を入れられてしまうことよりも悲しい気持ちになったものですが、大量の乗車券に鋏を入れる改札掛にとっては硬券の存在そのものが鬱陶しいものであり、それが重ねられて差し出されればこのように鋏を入れたくなる気持ちもわかります。ましてや、首都圏の鋏は取っ手の先がくっ付いてカチカチ鳴るタイプですので、ここに手のひらの月丘部分を挟んだら血豆になってしまいます。
そのため、以後は複数人の場合でも各々が乗車券を持って改札を通り、下辺に入鋏されるように差し出すことを学習した次第です。
富山地方鉄道 口西 滑川駅発行 西滑川/早月加積ゆき乗車券
平成13年6月に富山地方鉄道滑川駅で発行された、西滑川/早月加積ゆきの片道乗車券です。
桃色富山地方鉄道自社地紋のA型両矢印式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。
当時の滑川駅はJR北陸本線(現・あいの風とやま鉄道)の滑川駅と改札内でつながっており、JRが出札業務を行っていました。そのため、発駅の上にJR西日本で発券したことを示す「ロ西」の符号が印刷されています。JR化前も国鉄が出札業務を行っており、当時の券には金沢鉄道管理局管内であったため、「〇金」の符号が付けられていました。
裏面です。「発売当日限り有効 下車前途無効」の文言だけで、発行箇所名の記載はありません。
現在の滑川駅は改札が分離され、両社のホームを結んでいた跨線橋も分断されています。そして、滑川駅は単式ホーム1面1線の無人駅となっています。
JR北海道 ペットカード ~その2
前回エントリーでJR北海道のペットカードを御紹介いたしましたが、それを見たとたんに「あれっ?」と思ったと申しあげました。今回はそのことにことについてエントリーしようと思います。
再掲となりますが、JR北海道のペットカードです。これを手にしたとき、初めて見た気持ちがしなかったのです。
こちらはJR九州の博多駅で入手したもので、やはりペットカードです。
もともとペットカードはJR九州が考案したものだったのですが、それがそのまま、社名部分だけを変えたうえでJR北海道でも使用されているのです。
比べてみると、大きさやデザイン、色までが全く同じです。
JR九州がJR北海道に売り込んだのか、もしくはJR北海道がJR九州に許諾を得たのか、両社がどのようなやり取りをしたうえでこのようなことが起きているのかはわかりませんが、日本の端と端のJR旅客鉄道会社が、同じデザインのカードを使用しているということに、ある種の驚きを感じます。
JR北海道 ペットカード ~その1
前回エントリーでJR北海道の普通手回り品切符を御紹介いたしましたが、この切符を購入した際に「ペットカード」というものを同時に戴きました。
ペットカードは、ペットを連れている旅客にとって、「ペット=手回り品」という扱いに複雑な思いがあるということから、普通手回り品切符をペットカードに付けることでその思いを和らげようということから作られたと言われています。
ペットカードの裏面です。
左半分のところに普通手回り品切符をホッチキス留めするようになっています。本来はパチンと留めて発売するものなのですが、今回はコレクション用として購入いたしましたので、ホッチキス留めをしないで受け取りました。
このカードを受け取ったとき、即座に「あれっ?」と思いました。お気づきの方も居られると思いますが、それは次回へ。
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