同和鉱業片上鉄道 備前福田駅発行 河本駅ゆき片道乗車券

1983(昭和58)年6月に同和鉱業片上鉄道の備前福田駅で発行された、河本駅ゆきの片道乗車券です。


   

水色同和鉱業片上鉄道自社地紋のD型準常備式大人専用券になっています。

一見普通の準常備乗車券に見えますが、柵原駅の210円の欄の下に苦木駅ゆきの150円があり、その下に河本駅ゆきの270円があります。
本来であれば柵原方面である柵原駅と、片上駅方面である苦木駅・河本駅を1枚の券に纏めたのがいけなかったのかと思いますが、準常備式で下段に行くときに運賃が安くなることはあり得ないので、どのような経緯でこのようになってしまったか疑問です。
これでは、苦木駅までの150円を購入し、自分で図画鋏で苦木駅のところを切断してしまえば柵原駅ゆきの乗車券になり、60円安く乗車することができるようになってしまいます。

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沼津駅発行 沼津から内船・伊那大島ゆき片道乗車券

かなり以前に御紹介したかと思いますが、かなり時間が経過いたしましたので「焼き直し」のうえ御紹介いたしたいと思います。

廃札券ですが、沼津駅発行の富士経由内船・伊那大島ゆき乗車券です。


   

桃色こくてつ地紋のA型一般式大人・小児用券で、名古屋印刷場で調製されたものです。

一見すると何の変哲も無い名古屋印刷場製の51km以上100km以下の区間に用いられる一般式券に見えますが、冷静に考えるとどこか変です。
どう見ても、沼津駅から東海道線を下り、富士駅で身延線に入る乗車券で、同線の旧国名が頭に付く駅は甲斐大島駅・甲斐常葉駅・甲斐岩間駅・甲斐上野駅・甲斐住吉駅の各駅で、すべて山梨県内に入ってからの駅になりますので「甲斐」が付き、御紹介の券のように「伊那」が付く駅は、伊那谷を通る飯田線にしかありません。

最短の内船駅は営業キロ54.1kmあり、運賃690円は昭和56年改定運賃の「51kmから60km帯」に該当します。
ところが、最遠の伊那大島駅は内船駅を過ぎ、身延線を完乗して甲府で中央東線に乗換え、岡谷・辰野経由で飯田線に至る、営業キロ246.8kmの長距離区間であり、当時の運賃帯によれば「241kmから260km帯」の運賃で3,100円になってしまい、着駅がとても広範囲になってしまいます。

これは完全なる誤植であり、本来「甲斐大島」とすべきところ、「伊那大島」としてしまったものと思われます。
甲斐大島駅は内船駅の次の駅ですので、沼津から東海道線を下り、富士駅にて身延線に乗り換える経路で営業キロ59.8kmであり、「51kmから60km帯」の690円に該当し、辻褄が合います。

恐らく誤植に気づいて廃札にされたものと思われますが、一部は実際に発売されてしまったものなのか、発売前に誤植に気づかれてすべて廃札になってしまったのか、たいへん興味深いところです。

ちなみに、現在の運賃で計算しますと、沼津駅から富士・身延線経由経由、内船駅までの運賃は営業キロ54.1km・運賃計算キロは57.5kmで990円、伊那甲斐大島駅までの運賃は営業キロ59.8km・運賃計算キロは63.7kmで1,170円と地方交通線の換算キロが適用されるようになったため運賃帯が分かれており、富士・身延線・中央東線・辰野・飯田線経由で伊那大島駅までの運賃は営業キロ246.8km・運賃計算キロは260.9kmで4,840円になります。

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苫小牧から250円区間ゆき 片道乗車券

前回エントリーで小田急電鉄相武台前駅で発行された、「から」を「ゆき」と印刷してしまったと思われる誤植券を御紹介いたしましたが、似たような例が国鉄でも起こっていたようですので御紹介いたしましょう。


   

1980(昭和55)年2月に室蘭本線苫小牧駅で発行された同駅から250円区間ゆきの片道乗車券で、桃色こくてつ地紋のB型金額式大人・小児用券で、札幌印刷場で調製されたものです。

この券の場合は発駅の「から」に相当する部分が矢印になっていますが、本来であれば右向きの矢印「➡」であるところが、左向きの「⬅」になってしまっています。


   

発行駅は異なりますが、札幌印刷場の同じ様式の券になります。
ただし、この券の場合は矢印の向きはきちんと右向きで正解ですが、発駅名が「千歳空港」となるべきところ、「千空歳港」になってしまっている、やはり誤植のミス券になります。

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小田急電鉄 相武台前ゆき170円区間ゆき乗車券?

1974(昭和49)年10月に、小田急電鉄小田原線の相武台前駅で発行された、同駅から170円区間ゆきの片道乗車券です。


   

桃色PJRてつどう地紋のB型金額式大人専用券で、シンコー印刷で調製されたものと思われます。

一見なんの変哲も無い金額式券に見えますが、よく見てみますと、発駅の「相武台前から」の表記が「相武台ゆき」になってしまっている誤植のミス券で、相武台前から170円区間の駅からの復路用乗車券のようになってしまっています。


   

発駅部分を拡大してみました。たまたま入鋏が文字の部分に掛からないように入れられていますのでよく分かりますが、思いっきり「から」の部分が「ゆき」と書かれています。

このような券は購入したときには意外と気づかないもので、電車に乗って何気なく観察した時に気づくものです。購入した時に気づいていれば、何枚かコレクション用に購入していたと思います。
恐らく駅の現場でも、まさかこんなことになっているとは思いませんから、気づかれずに発売されていたのだと思います。ちなみにこの券は券番が0446となっており、同じ印刷のロットが何番から始まっているのかは不明ですが、最低でも過去に46枚は気づかれずに発売されてしまっていたのだろうと推測されます。


   

発行駅は異なりますが、同線参宮橋駅で発行された、同じ様式の券です。きちんと「から」と記載されています。

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岳南鉄道 車内補充券

2003(平成13)年8月に岳南鉄道(現・岳南電車)で発行された車内補充券です。


   

同社の親会社である富士急行の自社地紋である、水色FKKふじきゅうこう地紋の駅名式の特別補充券になります。

この券は本吉原駅から吉原本町までの区間で発行されておりますが、発売当日限り有効となっているものの、なぜか発行日を表示する欄がありません。
また、駅名についても、岳南富士岡駅を「岳名富士岡」と印刷してしまったミス券となっており、ゴム印で訂正されています。

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津軽鉄道 金木駅発行嘉瀬から金木ゆき片道乗車券

1986(昭和61)年8月に津軽鉄道金木駅で発行された、嘉瀬から金木ゆきの片道乗車券です。


   

灰色津軽鉄道自社地紋のB型相互式大人・小児用券で、日本交通印刷で調製されたものです。

同社では硬券式の普通乗車券は一般式で作成されることが多いですが、この券については相互式で作成されておりますので、通常の乗車券として作成されたものではなく、企画乗車券等のイレギラーな券として作成された可能性があります。
窓口で発券された駅員氏によれば、「この券は駅名が金木になった印刷ミスなんだ」と言われておりましたので、本来であれば発行駅名を嘉瀬駅とすべきところ、金木駅として調製されてしまったものと思われます。

相互式乗車券については、戦前の昭和10年代後半から20年代前半にかけてと、戦後の昭和30年代初頭の2回、入鋏を発駅の下に入れるという原則のため、発駅と着駅を左右逆にした時代がありましたが、この券は金木駅発行が正当であれば、その時代の券のようになってしまっています。

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隼人駅発行 西鹿児島ゆき片道乗車券

1974(昭和49)年9月に日豊本線隼人駅で発行された、西鹿児島(現・鹿児島中央)ゆきの片道乗車券です。


   

青色こくてつ地紋のB型一般式大人・小児用券で、門司印刷場で調製されたものです。
同区間は営業キロ31.1kmの区間で、有効1日の近距離乗車券になりますが、当時の門司印刷場では近距離乗車券を青色地紋の券紙で調製しており、このような体裁になっていましたが、昭和50年代になると近距離(有効1日)の乗車券は桃色地紋という暗黙の了解のようなものがあり、次第に桃色地紋に切替えられて行きます。


ところで、着駅の西鹿児島駅ですが、印刷場で活字を拾っているうちに取っ散らかってしまったのでしょうか、「西島鹿児」となってしまっています。駅では気づかれずにずっと売られ続けていたのかどうかは定かではありませんが、これを手にした旅客のほうも、今のように電車の中でスマホを見ている時代ではありませんでしたから、他にやることがないと手元のきっぷをまじまじと見たりして、結構気づいちゃったケースも多かったのではないかと思います。


   

区間は違いますが鹿児島駅発行の西鹿児島ゆき片道乗車券です。本来なら着駅はこのように印刷されなければいけません。

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上田交通 別所温泉から東京都区内ゆき片道連絡乗車券

前回エントリーで上田交通別所温泉駅で発行された東京山手線内ゆきの片道連絡乗車券を御紹介いたしましたが、先日、同区間の平成になってからの新券と思われる券を先輩コレクター氏から頂いたので、そちらを御紹介致しましょう。


   


平成2年10月に別所温泉駅で発行された東京都区内ゆきの片道連絡乗車券です。
青色BJRてつどうじどうしゃ地紋のA型一般式大人・小児用券で、やはり日本交通印刷で調製されたものです。


   


前回エントリーの昭和61年に発行された同区間の券を比べてみましょう。経由欄が「熊谷経由」から「高崎経由」に変わっていて、着駅が東京山手線内から東京都区内に変わっています。


昭和61年当時は上田駅からは信越本線・高崎線・東北本線経由で東京山手線内へ向かいました。当日乗車したのはまだEF62型機関車が12系客車を牽引していた臨時急行列車だったと思います。当時の営業キロは別所温泉駅~上田駅間が11.6(12)km、上田駅~東京駅間が186.3(187)kmで合計197.9(199)kmになりますので、東京までの乗車券は東京山手線内ゆきとなり、有効期間2日間となります。

では平成2年になったらどうでしょう。
仮に北陸新幹線(開業当時は長野行新幹線)が開業していれば、信越本線から長野行新幹線にルートが変更となるため、営業キロは別所温泉駅~上田駅間が11.6(12)km、上田駅~東京駅間が189.2(190)kmで合計200.8(202)kmに変更となり、東京までの乗車券は東京都区内ゆきになるやに思われます。
しかし、この券が発行されたのは平成2年10月であり、長野行新幹線の高崎駅~長野駅間が開業するのは7年後の平成9年10月ですので、未来を予想したかなりの「フライング」です。それ以前に、旅客鉄道会社線区間が189.2kmしかないわけです。

ということは本来東京山手線内ゆきとするべきところを東京都区内ゆきとして調製してしまったことになり、この「ミス」のおかげで東京山手線内出口駅以遠の東京都区内各駅までの精算が不要となって「徳して」しまった旅客が少なからず居たものと思われます。


ちなみに、この券の着駅が東京都区内ゆきで正当であれば、営業キロが201km以上の運賃帯ということになりますので、有効期間は3日間となるのでは、とも思いますので、仮に長野行新幹線開業後のものとしても、結局はミス券になってしまう運命にあるものと思われます。

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JR東日本 岩館駅発行 普通入場券

前回および前々回で御紹介いたしました、JR東日本の「発売日共1回限り有効」という誤植のある普通入場券を御紹介いたしましたが、今度は少し離れた秋田県にありますJR五能線岩館駅で発行された券を御紹介致しましょう。


   


平成元年3月に五能線岩館駅で発行された普通入場券です。今まで御紹介させていただいたものと同様、白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
この券も「発売当日1回限り有効」となるべきところ、「発売日共1回限り有効」とされてしまったミス券となっています。

今まで群馬県・栃木県・秋田県と3つの県にある駅で発行された例を御紹介いたしましたが、ほぼ同じ時期にこれだけ同じミスを犯した券が出回っているということは、駅名だけを変更してその他部分はそのまま流用して印刷してしまったことが原因と思われ、他にも例があるものと推測されます。


「この程度」と言っては何ですが、見つけようとしなければ見つけられない程度のミスでは、駅側もこのようなミスがあるという認識がありませんから、意外と気づかれないまま発売されてしまうのでしょうね。

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JR東日本 足利駅発行 普通入場券

前回エントリーにて吾妻線長野原(現・長野原草津口)駅で発行された、「発売日共1回限り有効」という文言が印刷されている誤植がある普通入場券を御紹介いたしましたが、同じミスは同時期の東京印刷場で調製された普通入場券に多発していたと思われ、他駅発行の券にも同じ事象の券がございましたので御紹介致しましょう。


今回は、平成元年4月にJR東日本両毛線の足利駅で発行された普通入場券です。


   


白色無地紋のB型大人・小児用券で、東京印刷場で調整されたものです。
この券も長野原駅のものと同じく「発売当日1回限り有効」となるべきところ、「発売日共1回限り有効」という文言になってしまっているミス券となっています。

前回の長野原駅が群馬県内の駅であるのに対し、今回の足利駅は栃木県内の駅であり、支社も異なっていることから、たまたま請求に対してミス券が送られてしまったものと思われます。

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