JR東日本 普通回数乗車券発売終了

本日2022年9月30日を以て、JR東日本では普通回数乗車券の一般発売を終了すると発表しています。基本的にはすべての普通回数乗車券の発売が終了ということですが、身体障害者割引、知的障害者割引および通学用割引の普通回数乗車券は引き続き発売されるようです。
JRの普通回数乗車券は200km以内の区間で発売され、11枚つづりで運賃10枚分の金額になります。有効期間は3カ月で、途中下車はできず、大人の回数乗車券で小児2人まで乗車できます。


   

こちらは2018(平成30)年3月にJR東日本東海道本線の新橋駅で発行されたものです。首都圏地区では券片が11枚繋がっているような常備券タイプのものは殆ど見かけることはなく、また、近距離用券売機で発行されていたA型券のものも一足先に終了しており、末期はマルスや指定券券売機で発行されたものしか残っていません。

同社が普通回数乗車券の発売が終了される背景には、SuicaなどのIC乗車券が主流になり、IC乗車券を読み取るだけの改札機と比べて、きっぷの投入口が付いた改札機は導入やメンテナンスの費用が高いことから、各駅に於いてもすべての改札機にきっぷの投入口のある改札機だけがあるわけではなくなっていることが挙げられます。
さらに紙の回数券は印刷会社への発注や、維持管理にもお金がかかります。IC乗車券を導入した以上、紙をなるべく減らしてカードにシフトしたいという事情によるものと思われます。
また、コロナ禍の感染拡大に伴い公共交通の利用が激減によって、鉄道運賃収入の減による業績悪化も理由の一つのようです。

身体障害者割引、知的障害者割引および通学用割引の普通回数乗車券は引き続き発売される背景には、身体障害、知的障害の第1種障害者とその介護者は、普通乗車券と回数乗車券、普通急行券を50%の割引で購入することができることにあり、第1種障害者・第2種障害者が単独で利用する場合は、普通乗車券が50%の割引となることが理由のようです。
同社ではSuica のチャージ残高で回数券のように繰り返しSuicaエリア内の在来線を利用することによってJRE POINTを還元する「リピートポイントサービス」を実施していますが、自動改札機が身体障害、知的障害の第1種障害者とその介護者を判別することができないことから、「リピートポイントサービス」による乗車ポイントに還元ではその代わりになれないということが理由によるようです。
また、通学用割引回数乗車券は通信制の高等学校の生徒や、放送大学の学生が面接授業や試験を目的として通学する場合に発売されますが、通信制高校は5割引、放送大学は2割引という割引率になっており、この回数乗車券が残るのも、ポイントサービスでの代替が不可能であるというのが理由のようです。


おまけですが、こちらはかつて、管理人が中学生の時に学校部活の遠征試合の時に使用したもので、団体券代わりにして複数人で使用したものです。


      ← クリックすると大きくなるかも・・・。

国鉄時代の御茶ノ水駅で購入した、飯田橋駅までの常備券です。見事に一回で使用しています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

肥前山口駅発行 普通入場券

前回エントリーで西九州新幹線開業に伴って江北駅に駅名改称されたJR九州の肥前山口駅で発行された普通入場券を御紹介いたしましたが、国鉄時代の同駅の普通入場券が手元にございましたので御紹介いたしましょう。


   

1986(昭和61)年7月に長崎本線の肥前山口駅で発行された普通入場券です。白色無地紋のB型大人・小児用券で、門司印刷場で調製されたものです。

御紹介の券は入場料金が140円になってからの券になります。
管理人の手元には他に例がないのですが、発売金額である「140円」の右に「②(◯2)」と印刷されています。恐らく同駅には窓口が複数ありましたので窓口番号では無いかと思われますが、門司印刷場の場合、窓口番号は金額の前(左側)であり、しかも、2番窓口であれば「2⃣(ロ2)」と記載し、しかも、小児断片にも駅名の後に「2⃣(ロ2)」記載するのが一般的なので、この券の「②」が窓口番号を表すかどうかは不明です。


   

こちらは120円の時代のものですが、2番窓口を表す「2⃣(ロ2)」の表記が、発売額の前(左側)および小児断片の駅名の後に印刷されています。


   

裏面です。国鉄時代の門司印刷場の普通入場券には、裏面への駅名の印刷は行われていませんでした。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

JR九州 肥前山口駅発行 普通入場券

1990(平成2)年3月にJR九州長崎本線の肥前山口(現・江北)駅で発行された普通入場券です。


   

白色無地紋のB型大人・小児用券で、門司印刷場で調製されたものです。
同駅は本年9月23日の西九州新幹線開業のタイミングで、江北駅に駅名改称されています。


   

裏面です。JR九州の普通入場券は、駅名が裏面に印刷されています。これはJRになってからのもので、国鉄時代には裏面への駅名の印刷はありませんでした。
ダッチングにインクを差したばかりのようで、券を送る送りローラーにもインクが付いてしまっていたようで、券番のところにインクが付いてしまっています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

JR九州 嬉野温泉駅から肥前山口駅ゆき 片道乗車券

前回エントリーで、昨日開業した西九州新幹線の開業にともなって新規開業した大村車両基地駅から同じく新大村駅までの片道乗車券を御紹介いたしました。今回はやはり新規開業した嬉野温泉駅からの乗車券を御紹介いたしましょう。


   

2022(令和4)年9月にJR東日本高田馬場駅で発行された嬉野温泉駅から肥前山口駅ゆきの片道乗車券です。青色JRE地紋の特殊指定共通券が使用された、指定券券売機で発券されたものです。


    (嬉野温泉駅:鉄道機構画像)

嬉野温泉駅は佐賀県嬉野市内に設けられる西九州新幹線の武雄温泉~新大村間にある新規開業駅です。有人駅となっており、下り列車12本・上り列車13本の上下計25本の新幹線が停車します。隣接駅からの距離は、営業キロで、武雄温泉駅から10.9km・新大村駅から21.3kmの場所に位置しています。


一方、着駅である肥前山口駅は国鉄時代より存在する駅ですが、西九州新幹線の開業に合わせ、駅名が江北駅に改称されます。
御紹介の券は開業前の9月14日に発券された前売り乗車券になりますため、同駅は「肥前山口」と表記されますが、新幹線開業日以降は「江北」と表記されることになりますので、嬉野温泉駅から肥前山口駅という乗車券は、新幹線開業前にしか購入できない券になっています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

JR九州 大村車両基地から新大村ゆき 片道乗車券

明日の2022年9月23日、JR九州の西九州新幹線の武雄温泉駅から長崎駅間が開業します。
西九州新幹線は「全国新幹線鉄道整備法」に基づいて1973(昭和48)年に整備計画が決定された九州新幹線西九州ルート(福岡市~長崎市間)のうち、2022(令和4)年9月23日に開業する武雄温泉駅~長崎駅間の路線名称になります。
武雄温泉駅~長崎駅間は線路延長約66kmをフル規格(標準軌)により整備し、武雄温泉駅で博多駅~武雄温泉駅間を運行する在来線特急列車と同じホームで乗換を行う「対面乗換方式」により運行されることになっています。

JR九州は西九州新幹線の開業に伴って同日に実施するダイヤ改正にあわせ、嬉野温泉駅・新大村駅・大村車両基地駅の3駅が開業することになっています。


   

開業前の2022(令和4)年9月にJR東日本の高田馬場駅で発行されたものになりますが、明日開業する大村車両基地駅から新大村駅ゆきの片道乗車券です。青色JRE地紋の特殊指定共通券が使用されたもので、指定券券売機で発券されたものです。


    (大村車両基地駅:大村市画像)

発駅の大村車両基地駅は大村市内に設けられる大村線・松原駅~竹松駅間の新駅で無人駅となっています。西九州新幹線の大村車両基地に隣接する場所にあり、JRグループでは初と思われる、車両基地名がそのまま駅名になった駅です。
位置は大村線の松原駅から2.6km・竹松駅から1.7kmの位置にあり、下り列車が18本・上り列車が16本の計34本の列車が停車することになっています。

    (新大村駅:鉄道機構画像)

一方、着駅の新大村駅は西九州新幹線の嬉野温泉駅~諫早駅間に設けられる新駅です。同駅は隣接する在来線である大村線の線路にもホームを新設し、新幹線と在来線の併設駅になります。
西九州新幹線の諫早駅から営業キロ12.5kmの場所にあり、大村線については竹松駅から0.9km、諏訪駅から1.1kmの位置になっています。
新幹線駅は有人駅ですが、在来線駅は無人駅となり、似たような例として、北陸新幹線の新高岡駅が挙げられ、幹在別駅ではあるものの、同じような事例としては北海道新幹線の奥津軽いまべつ(津軽二股)駅があります。
停車本数は新幹線が下り列車19本・上り列車21本の上下計40本、大村線は下り列車33本・上り列車32本の上下計65本の停車が停車します。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

松浦鉄道 たびら平戸口駅発行 佐世保ゆき片道乗車券

1990(平成2)年3月に、松浦鉄道のたびら平戸口駅で発行された、佐世保ゆきの片道乗車券です。


   

灰色松浦鉄道自社地紋の発駅が記入式の補充片道乗車券(記補片)にて発行されています。
発行駅名は印刷されていますが、同駅がたびら平戸口駅に改称される前に設備された券の残券のため、旧駅名である「平戸口」の前に「たびら」のゴム印を捺して訂正されています。

同駅では佐世保駅までの社線完結の乗車券については原則的に券売機で購入することになっていますが、この時は前回御紹介いたしました記念乗車券を購入した際に、佐世保までの券売機券以外の乗車券があるかどうかお尋ねしたところ、「補充券なら」と言われたので、補充券でお願いした次第です。


   

裏面です。同社は当初からJR九州線の一部までの連絡乗車券しか取り扱っていませんでしたので、ご案内文は簡素なものになっています。

ちなみに、同駅が平戸口駅からたびら平戸口駅に改称されたのが、この券が発券されたちょうど1年前の平成元年3月11日でした。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

松浦鉄道 たびら平戸口駅発行 西田平ゆき 鉄道博物館開館記念乗車券

1990(平成2)年3月に、松浦鉄道たびら平戸口駅で発行された、西田平ゆきの鉄道博物館開館記念乗車券です。


   

灰色松浦鉄道自社地紋のB型一般式大人・小児用券で、シンコー印刷で調製されたものと思われます。
この券は当時、たびら平戸口駅で発売されていたもので、駅構内に開館した鉄道博物館の開館記念として発行されたものです。


   

裏面です。たびら平戸口駅の位置がわかる程度の簡単な路線図が記載されています。

鉄道博物館は日本最西端の駅である同駅に併設された博物館で、制服・車両の部品などのほか、JR松浦線時代のさよならヘッドマークなどの資料が展示されています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

JR東日本 武蔵小金井駅発行 普通入場券

2022(令和4)年9月にJR東日本中央本線の武蔵小金井駅で発行された普通入場券です。


   

青色JRE地紋の特殊指定共通券用紙を使用した、マルス端末で発券されたものになります。

同駅は本日19時を以てみどりの窓口が営業を終了し、明日17日からは指定券発売機のみの対応になります。


   

みどりの窓口の営業終了に伴い、9月1日から、窓口で入場券を購入した際に記念の入場券台紙がプレゼントされています。台紙は2つ折りにできるようになっており、マルスで発行された入場券を挟むことができるようになっています。


   

台紙の内側です。中央線は未だに201系のイメージがあるのでしょうか。E233系電車と共に201系電車のイラストが描かれています。


ところで、

   

同駅には謎の生物(名前からして猫と判断しますが・・・)のむこにゃんというキャラクターがいます。帽子を見る限り、雌猫さんなんだろうと思います。帽子には駅近くにある小金井公園の桜に因んだ飾りが付けられています。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

国鉄バス 「◯委」万座温泉駅発行 共通乗継券

1976(昭和51)年3月に「◯委」万座温泉駅で発行された共通乗継券です。


   

白色無地紋のB型券で、東京印刷場で調製されたものです。

前回エントリーで、国鉄草津温泉駅で発行された、共通乗継券の付いた普通乗車券を御紹介いたしました。
その中で、

> 「共通区間」が乗車券の全区間であれば、バスの運転士が原券を回収のうえ、
> 原券発行事業者へ運賃を請求する原券本位での売上精算が可能

としたうえで、

> バスから鉄道への乗換え駅である吾妻線長野原駅から先の
> 東京山手線内各駅まで有効であることから、
> 原券をバス車内で回収することが不可能であるため、
> 回収用の「バス乗継券」が付けられている

と申し上げました。
しかしながら、旅客が予め共通区間以降まで有効のクーポン券を等を所持している場合、回収用の「バス乗継券」が付けられていないため、売上精算ができなくなってしまいます。
御紹介の万座温泉駅から万座・鹿沢口駅までの区間は国鉄バスの他に西武バス(現・西武高原バス)の路線があり、便ごとに担当するバス事業者が異なったため、駅で購入された運賃売上を利用されたバス事業者に配分する必要があることから単独で回収用の「バス乗継券」を発行する必要があり、御紹介の券が発行されていました。

よく見ますと、ホチキスで留めたような穴が開いていますが、窓口で予め所持していた原券を見せて乗車の手続きをする際、「バス乗継券」を発券のうえ、原券にホチキス留めして交付されました。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

国鉄バス 「◯委」草津温泉駅発行 東京山手線内ゆき片道乗車券

1975(昭和50)年9月に、国鉄バス志賀草津高原線の「◯委」草津温泉駅で発行された、東京山手線内ゆきの片道乗車券です。


   

青色こくてつ地紋のA型(変則)相互式券で、東京印刷場で調製されたものです。

本来であれば一般式券で発行されるところではありますが、当時の草津温泉駅~長野原(現・長野原草津口)駅間については国鉄バスの他に草軽交通バスとの共同運行になっており、どちらの会社にも乗車できるように「乗継券」を付ける必要があることから、変則的な様式になっています。この様式は東京印刷場では「共通区間乗車用」と呼ばれていたようです。
「共通区間」が乗車券の全区間であれば、バスの運転士が原券を回収のうえ、原券発行事業者へ運賃を請求する原券本位での売上精算が可能ですが、御紹介の券の場合はバスから鉄道への乗換え駅である吾妻線長野原駅から先の東京山手線内各駅まで有効であることから、原券をバス車内で回収することが不可能であるため、回収用の「バス乗継券」が付けられています。
国鉄バスに乗車した際には売上精算のための請求をする必要がありませんでしたので、「バス乗継券」の回収はされませんでした。


   

裏面です。券番と発行駅名の他、自動車線内が下車前途無効である旨と、東京山手線内各駅では下車前途無効である旨が記載されています。

なお、発行駅名の前に「◯委」の符号が付けられていますが、草津温泉駅は地元自治体である草津町の第三セクターである「草津バスターミナル株式会社」がバスターミナルの施設を維持管理しており、出札業務についても国鉄から受託しているため、業務委託駅の扱いになっていることから付けられています。

バス車内にも運賃箱があるために車内での運賃精算も可能ではありますが、草津温泉駅ではバス乗車時には乗車券を購入してから乗車するよう案内しており、バスに乗車する前に乗車券を購入することが一般的でした。
また、同駅は大きな温泉街の玄関口である駅であるために長野原駅から先の鉄道区間まで乗車する観光客の需要が大変多く、さらに接続駅である長野原駅は窓口が1つしかないことからバス到着後に窓口が混雑し、時期によっては列車の発車時刻までに乗車券類を購入することができなくなる可能性があるため、鉄道への連絡乗車券の発売需要が多かったようです。そのため、窓口上部には全国の国鉄主要駅までの運賃が、長野原駅までの自動車運賃を加算した金額で表示されており、乗車券の他、急行券類や指定券類の発売も行われていました。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ