県聴覚障害者福祉協会が運営する「びわこみみの里」(守山市水保町)で、聴覚障害者らがペットの美容師「トリマー」の技術訓練に励んでいる。自立や就労に役立てようと07年4月の開所時から始めた取り組みで、固定客も増えつつある。1日に犬10匹を手入れすることもあるという。【前本麻有】
「湿疹とじんましんはどう違うの?」。施設に通う熊田由佳理さん(37)が、指導者の小笠原千鶴さんに尋ねた。小笠原さんはトリマー歴26年。手話や指文字で「皮膚の腫れ方が違うのよ」と丁寧に説明を始めた。
トリマーの仕事は、カットやシャンプー、ブラッシング、爪切りなどをしながら、皮膚などの健康チェックも行い、カルテを客に渡す。昨年7月に着任した小笠原さんは指導しながら手話を覚えた。「耳が不自由なトリマーが音に敏感な動物の相手をするのは大変。でも、熱心に訓練を積んだ彼女らの作業はとても丁寧」と話す。種類によって異なるが、料金は4000円前後からで愛犬家から好評を得ている。
施設には聴覚障害者や知的障害者ら20~75歳の27人が通う。菓子製造や縫製などの部門もあり、トリマーの訓練を受けているのは現在6人。これまで1人が資格を取得し、専門店に就職した。熊田さんは「来年の資格試験に向け、カットの技術を磨きたい」と意気込む。
施設では10月30日午前10時~午後3時、交流イベント「ポンポコまつり」を開催。模擬店が出て、犬の爪切りや足裏の手入れ(午後1時からで各300円)、聴導犬の紹介などもある。中村正所長は「障害にとらわれず、地域にこんな施設があるんだと知るきっかけになればうれしい」と話している。犬を連れてくる際はリード(首輪)が必要。問い合わせは同施設(077・514・9078)。
(10月27日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20111027ddlk25040527000c.html
「湿疹とじんましんはどう違うの?」。施設に通う熊田由佳理さん(37)が、指導者の小笠原千鶴さんに尋ねた。小笠原さんはトリマー歴26年。手話や指文字で「皮膚の腫れ方が違うのよ」と丁寧に説明を始めた。
トリマーの仕事は、カットやシャンプー、ブラッシング、爪切りなどをしながら、皮膚などの健康チェックも行い、カルテを客に渡す。昨年7月に着任した小笠原さんは指導しながら手話を覚えた。「耳が不自由なトリマーが音に敏感な動物の相手をするのは大変。でも、熱心に訓練を積んだ彼女らの作業はとても丁寧」と話す。種類によって異なるが、料金は4000円前後からで愛犬家から好評を得ている。
施設には聴覚障害者や知的障害者ら20~75歳の27人が通う。菓子製造や縫製などの部門もあり、トリマーの訓練を受けているのは現在6人。これまで1人が資格を取得し、専門店に就職した。熊田さんは「来年の資格試験に向け、カットの技術を磨きたい」と意気込む。
施設では10月30日午前10時~午後3時、交流イベント「ポンポコまつり」を開催。模擬店が出て、犬の爪切りや足裏の手入れ(午後1時からで各300円)、聴導犬の紹介などもある。中村正所長は「障害にとらわれず、地域にこんな施設があるんだと知るきっかけになればうれしい」と話している。犬を連れてくる際はリード(首輪)が必要。問い合わせは同施設(077・514・9078)。
(10月27日付け毎日新聞・電子版)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20111027ddlk25040527000c.html