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【1109/87:東日本大震災】「立地並み」の安全協定を 松崎・小浜市長に聞く /福井

2011-09-10 10:03:41 | Weblog
 福島第1原発事故は、未曽有の「原発震災」を現実のものとし、全国最多の原発が集中立地する県内の自治体にも大きな衝撃をもたらした。広範囲に及ぶ被害は原発立地自治体、隣接自治体の垣根を取り払った。県内の4市町でつくる県原子力発電所準立地市町連絡協議会は先月、立地自治体並みに安全協定を強化するよう電力事業者に求めた。東日本大震災から半年となる11日を前に、隣接自治体の松崎晃治・小浜市長と川野順万・南越前町長(10日掲載)に考えを聞いた。

 ◇「原子力安全庁」組織より中味

 ◆震災から半年たった現在の思いは

 いまだに収束していない福島第1原発事故が最も心配です。それまで各地で地震が起きても原発は止まり、大事には至らなかった。あの時も当然、無事に自動停止しただろうと考えていました。菅直人前首相も現地を視察して帰って来ましたから。津波被害、爆発という事態は大きなショックでした。津波の恐ろしさに加え、原発に近い小浜市で、こんなことが起きたらどうすればいいのか。今も一番気がかりです。

 ◆事故後、市長は関西電力大飯原発を訪ね、市が結んでいる原子力安全協定を立地自治体並みに改めるよう要請されました。小浜市は隣接自治体でつくる協議会の一メンバーですが、市単独での要請でした

 これは従来、市にとって大きな課題で、今回の事故で特に強く必要を感じました。行政区域の境はもう意味がありません。隣接市としても的確な情報を入手し判断できる権限がないと、住民の安全は保障されません。

 ◆新政権は原発増設中止や高経年(老朽)化炉廃止などの原子力政策の方針を示しています

 高経年化炉の廃止は、寿命があるなら当然です。それが何年なのか分からない。原発のリプレース(置き換え)はどうするのかも触れられていません。判断しかねる点も多い。住民の安心安全の観点で言えば、新設される「原子力安全庁」の中味も示してほしい。組織より内容が大事ですから。新たな展開への期待もありますが、まだ詳細がはっきりしません。

 ◆小浜市議会は県内他市町に先駆けて国に対し、「脱原発」を求める意見書を採択しました

 即時撤廃ではなく、長期的な視野で期限を定めて徐々にと。その間は原発の安全確保をしっかり求めていく。そういう意味だと受け止めています。

 ◆原発は将来どのような方向に向かうと考えていますか

 少しずつ減っていくことになるのだろうと思いますが、現実的に考えねばなりません。すぐに止めるのは難しく、減ると影響がある。

 ◆防災面での市の課題は

 「想定外」も想定してやらねばならないことを考えると際限がありませんが、避難道路の整備や的確な情報提供を国に求めたい。市と提携関係にある他自治体とも協定を結び、万一の場合は避難住民を受け入れてもらえるような内容を検討したいと考えています。【聞き手・松野和生】

(9月9日付け毎日新聞福井版・電子版)

http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110909ddlk18040535000c.html


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