滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【1102/41:障害者死亡事件】近江学園園生死亡 業過致死疑いで職員書類送検

2011-02-05 00:04:01 | Weblog
 甲賀署は2月4日、湖南市の知的障害児施設「近江学園」で昨年3月に入浴中の男性園生(当時24)が浴槽に沈んだことに気付かず水死させたとして、業務上過失致死の疑いで、同施設の大津市黒津1丁目、当時園長(61)と、入浴時の介助を担当していた近江八幡市西庄町、男性職員(46)を書類送検した。

 送検容疑は、元園長について、介助人数を増やしたり、入浴施設の改善をする注意義務を怠った疑い。入浴介助の職員は、園生の行動を注視し事故を未然に防ぐ義務を怠った疑い。

 同署によると、2人は園生が亡くなったことについて「申し訳ない」と話しているという。

【関連ニュース番号:1006/177、10年6月23日】

(2月4日付け京都新聞・電子版:同日付け産経・電子版、5日付け朝日・読売の電子版なども報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110204000087
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110204/shg11020416030008-n1.htm
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20110204-OYT8T01110.htm
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20110205ddlk25040478000c.html

【近江学園生、入浴中死亡事故】

(写真:改修工事が進む近江学園の生活棟=湖南市東寺4丁目)

■職員を書類送検

 湖南市東寺4丁目の知的障害者入所施設、県立近江学園(高田佐介園長)で昨年3月、入園生の男性(当時24)が入浴中に溺れて死亡した事故で、甲賀署は4日、入浴の介助をしていた男性職員(46)と当時の男性園長(61)を業務上過失致死容疑で大津地検に書類送検し、発表した。

 甲賀署などによると、昨年3月31日午後7時10分ごろ、園内の浴室で職員が知的障害を持つ園生4人を同時に入浴させていたところ、男性1人が深さ約50センチの浴槽内で沈んでいるのが見つかり、病院に運ばれたが死亡したもの。同署は、この職員が別の園生の体を洗っていて十分な注意を払っていなかったとし、当時の園長については、事故を防ぐため介助者の数を増やすなど必要な対策を怠ったとみている。

■再発防止策 浴室を改修

 介助者を増やすべきだった――。捜査当局が指摘した人員配置の問題。しかし、現場からは人手不足を心配する声が上がっていた。

 近江学園によると、定員は100人で、障害の程度などに応じて5班に分かれて生活している。亡くなった男性がいた班は当時、20人の園生に対し、介助をする職員18人が交代で勤務していた。ただ、職員の間からは人手が足りないという声があり、当時の園長も県に対し、職員を増やすよう要望していたという。

 同園のマニュアルでは入浴時は職員1人に対し、最大5人までの園生を介助できるとしていた。事故当時は死亡者を含む4人の園生が浴室内にいたが、浴槽は洗い場から見えにくい構造になっていたという。脱衣所にも別の職員1人がいたが、扉のすりガラスで見えなかったという。

 事故を受け、同園は調査委員会を設置し、再発防止策を検討。毎日の入浴時間を延ばし、職員が1人の場合、園生は3人までとするようマニュアルを改めた。また、扉のガラスも透明なものに替え、浴槽の深さも約10センチ浅くする改修工事に取りかかり、3月中に完成するという。

 一方で、職員の負担は増えた。同園を所管する県障害者自立支援課は、入所者4・3人に対して1人の介助者が必要とする厚労省の児童福祉施設の設置基準を満たしているとし、「(事故当時も)ただちに危険な状態だったとは言えない」としている。

 書類送検を受け、高田園長は「改めてご遺族におわびし、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、司法の判断を仰いで、適切に対処したい」とするコメントを出した。ある職員は「人が増えなくても『家族』として生活の質を高めてあげたい」と話した。(中村亮)

(2月5日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001102050002




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