滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

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【0809/112:野鳥問題】宅地近くサギ560羽営巣:守山市、苦情受け対策模索

2008-09-13 22:58:46 | Weblog

【写真:神社の境内に生息するサギ=守山市欲賀町】

■日本野鳥の会、「開発による環境変化、一因」

 守山市の住宅地近くの神社に野鳥のサギがコロニー(集団繁殖地)を作り、フンや鳴き声による被害が相次いでいる。専門家は、宅地造成によって営巣できる雑木林が減り、神社に集まるようになったとみている。サギの一部は、今月中に越冬地に向けて飛び立つとみられるが、繁殖期に同じ場所で巣を作る習性があることから、市は来春の飛来に備えて対策を模索している。(上田悠)

 サギが営巣しているのは、草津市との境に近い守山市欲賀(ほしか)町の欲賀神社で、琵琶湖まで約2キロと比較的近い。いつごろからコロニーができたかはわかっていない。ただ、市役所には約3年前から、ひながかえる6月ごろを中心に「鳴き声がうるさい」「フンが落ちてくる」などと苦情や相談が寄せられるようになったという。

 日本野鳥の会滋賀支部(同市)のメンバーが調べたところ、5月に117羽だった生息数は8月末に558羽に急増。全長90センチ以上あるアオサギのほか、チュウサギ(同約70センチ)やコサギ(同約60センチ)など少なくとも6種類のサギが確認されている。

 同支部によると、県内では25カ所のコロニーが確認されているが、その中でも欲賀神社は中規模だという。神社周辺では近年、開発が進み、水田や雑木林が急速に住宅地に変わったことや、周辺の草津市や栗東市でも環境が変化したため、他のコロニーから移動してきたことが増加の一因とみられている。

 神社に隣接する守山市立小津小学校では、今年6月のプール開き後、フン害に備えて使用時以外はプールにシートを張ったほか、使用前に羽根をすくい取るなどの対策をとった。桂田総司校長は「今年は例年以上に数が多く、フン害のほか鳥インフルエンザの心配もあった。あらかじめ対策をとってよかった」という。

 同市は昨年、地元自治会と一緒に神社の境内で、ロケット花火を使って追い払いを試みたが、ほとんど効果はなかった。現在、樹木への防鳥ネットの設置や枝切りなどの対策を検討している。

 日本野鳥の会滋賀支部の石井秀憲副支部長は「県内全体で見ればサギの数は減少傾向にあり、開発によってすみかを追われたサギも被害者と言える。行政は、人とサギが共存できる対策を考えてほしい」と話している。

(9月13日付け朝日新聞・電子版)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000809130003


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