滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0909/227:指定管理者制度】米原公民館:指定管理者、不適切な賃金支出 / 議会特別委

2009-09-26 23:58:09 | Weblog
■市は費用返還請求を 

 米原市の指定管理者として米原公民館を運営するNPO法人「FIELD」(村川晃理事長)の不適正な会計処理問題を調査していた米原市議会指定管理運営業務調査特別委(大沢勉委員長)は25日の市議会本会議で、FIELD側の管理体制の不備・欠陥を指摘し、不適切に支出された人件費や委託料などをFIELDに返還請求することを市に求める委員長報告を行った。

 同市のFIELDに対する指定管理料は08年度決算で約2574万円、09年度予算で2577万円。市監査委員が今年6月、08年度市定期監査等結果報告の中で、意図的な経理操作による不明朗支出などを指摘し、所管する市まなび推進課やFIELD側に検討・改善を求め、市議会も調査特別委を設置し、審査していた。

 特別委報告は、市と協議した計画や予算案にない人件費流用による内部理事への業務委託料支出▽雇用契約のない理事への賃金支給▽架空会計処理--の3点を指摘。市に対し、指定管理団体に対する的確な行政指導などを求めた。

 また、返還請求額については、具体的に提示していないが、人件費流用や不適切な賃金支出は、同委が確認しただけで600万円前後に上るという。

 FIELD側はこの問題で9月上旬、臨時役員会を開き、理事らを解任して新体制で運営を始め、不適切支出を指摘された委託料や賃金など計440万円を仮払金として蓄え、返還に備えているという。

 大沢委員長は「市の管理・監督もずさんだ」と話し、泉峰一市長は市議会本会議で「指摘を真摯(しんし)に受け止め、改める点は改めたい」と陳謝した。【野々口義信】

【関連ニュース番号:0906/203、6月24日;0906/186、6月22日;0906/147、6月17日など】

(9月26日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090926ddlk25010631000c.html


【0909/226:安土町長選】“民意軽視”混乱に拍車 / 合併確定、新町長の責任重く 

2009-09-26 23:49:32 | Weblog
 近江八幡市との合併に反対する安土町の住民団体が申請した8月23日のリコール(解職請求)住民投票で津村孝司町長が解職された。住民は、町長解職への賛成4137票、反対2787票の大差で、合併を推進してきた町長に「ノー」を突き付けた。来年3月21日の合併は確定しており、新市誕生前の異例の事態だ。出直し町長選は29日告示、来月4日投票。リコールを推進してきた住民団体からは代表の大林宏氏(69)が出馬を表明。津村氏は立候補を断念し、代わりに合併推進派から前町教育長の木野和也氏(63)が出馬する。一連の経過を振り返り、町長選の意義と問題点を探った。【斎藤和夫】

 織田信長が城を築いた安土町は人口1万2000人の小さな町で、普段は静かだが、合併を巡って注目を集めた。最初の法定合併協議会設置は02年1月。当時を含めて2度、合併が頓挫し、今回の合併協議は同町にとって3度目だった。

 混乱の原点は07年9月の町長選だ。再選を目指す津村氏と近江八幡市や竜王町との合併案に反対する新人候補が合併を争点に激突。財源不足と町財政の危機的状況を指摘して合併推進を掲げた津村氏が当選した。しかし、合併相手が近江八幡市単独と決まると、町民に反対の声が広がり、昨年秋、今回のリコール運動を推進した住民団体の前身「安土大好き!みんなの会」が結成された。

 住民団体は「合併は必要かもしれないが、急ぐ必要はない」と主張。同年11月、近江八幡市との合併に関し住民アンケートを行ったところ、85%が合併反対だった。結果は町長の津村氏に提出されたが、津村氏は「アンケートの手法が悪く、受け取れない」と拒否。これが住民団体の態度を硬化させた。

 次に住民団体は合併の是非を問う住民投票を行うための条例制定を求め約4200人分の署名を集めた。しかし、津村氏は「合併については町長選で信任を得た。住民説明会も開き、町民の声も聞いた」とし、「条例は不必要」との意見を付して今年4月の臨時町議会に提案。議会は否決した。

 住民団体は「町民の声を無視している」と指摘し、リコール運動を始め、約4200人分の署名を集めた。しかし、津村氏はここでも、署名者に電話して取り下げを求めたり、約900人分の署名に異議を申し立てるなど抗戦。選管から署名者に呼び出し状も発送された。住民団体は「住民の直接請求権を脅かす」と反発した。

 問題だったのは条例制定請求やリコールの手続きにかかった期間だ。いずれも数カ月かかり、その間の4月に合併協議会が設置され、5月末には合併協定に調印。町議会や県議会もそれぞれ5月と7月に関連議案を可決し、合併手続きがリコール住民投票を待たずに完了。大林宏代表は「合併を推進する人たちに先を見透かされた」と話している。しかし、「住民の意思を明示できたのは成果」と手応えも感じている。

 「民意を聞いてほしい」という住民団体の要求に、津村氏は「住民説明会を何度も開き、意見は聞いた」と反論してきた。しかし、説明会に出席した住民は有権者のごく一部だし、合併議案を可決した町議会も賛成・反対が拮抗(きっこう)し1票差で可決しており、民意が十分に反映されたとは言い切れない。

 出直し町長選後の新町長の任期は合併までで、半年もない。しかし、住民団体が条例やリコールを巡って集めたいずれも有権者の4割を超える署名やリコール住民投票の結果は無視できない。有権者は新町長にだれを選ぶのか、注目される。

【関連ニュース番号:0909/177、9月19日;0909/135、9月15日など】

(9月26日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090926ddlk25010620000c.html

【0909/225:マンガ論】マンガを語ろう:「近江よまわりの会」代表・林弘夫さん 

2009-09-26 23:40:38 | Weblog
 ◆「Dr.コトー診療所」山田貴敏(小学館)

 ◇生き方に自分と共通点--路上生活者などを支援する「近江よまわりの会」代表・林弘夫さん(58)

 「近江よまわりの会」で支援する重度障害の男性が、入院先で友人から差し入れられた「Dr.コトー診療所」の単行本を、たまたま手に取ったのがきっかけで、どっぷりはまってしまいましたね。

 無医村状態の離島で診療所を開業した主人公の外科医・五島健助と島民の交流が描かれているのですが、ストーリーの流れの中に数々のエピソードがちりばめられていて、1冊読むだけで十分に楽しめます。

 路上生活者の中には、残飯しか食べるものがなく、缶コーヒーや酒ばかり飲んで高血圧になり、脳内出血や糖尿病を患う人が少なくありません。支援活動を通じて、けが人や病人を病院の医師とつなぐ機会も多いです。

 五島は目の前で苦しんでいる人を一人ずつ救っていくのですが、最初は「偽善」と見られて島民から不信のまなざしを向けられます。私の仕事にも似た部分があります。どうしても外部からは奇異なことをしているように映るんでしょうね。

 ◇理屈抜き、体が反応
 それでも、人一人の命のともしびが消えかかっているような状況に直面した時、いやが応でも体が反応してしまうことが実際にあるんですよね。苦しんでいる人を前にして、理屈や打算の感情を抜きにして「何とかしなくちゃいけない」という思いが勝るんです。

 自分一人では大層なことができるわけじゃない。それでも「生きたい」「苦しみから逃れたい」「幸せになりたい」という思いに応えようと、目の前にある現実に一つ一つ対応していくうちに、困難に見えていた問題が解決して道が開けていることがあるんです。

 その意味でも「五島の生き方は自分と共通点があるのかも」なんて考えていますね。

 ◇社会問題を的確に
 麻生さんじゃないけれど、日本の漫画のレベルは本当にずば抜けていると思います。フィクションでありながら、現実にある社会問題を的確にとらえており、学ぶことが非常に多い。もはや単なる娯楽を超えていると感心してしまいます。【聞き手・豊田将志】

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 ■メモ

 ◇Dr.コトー診療所(どくたー・ことー・しんりょうじょ)
 00年、「週刊ヤングサンデー」(小学館)で連載開始。離島を舞台に繰り広げられる医療ドラマ。休刊に伴い、昨年12月から同社「ビッグコミックオリジナル」に移籍して連載中。テレビドラマ化もされ、人気を博した。

 東京の大学病院の外科医だった五島健助は、病院内で起きたある出来事を機に、本土から船で約6時間かかる離島「古志木島」で診療所を開業する。無医村状態だった島の住民は当初、五島に不信のまなざしを向けるが、重症の患者の命を救う医師としての技量と、誠実で温かな人間性に魅了され、徐々に信頼を寄せるようになる。

【関連ニュース番号:0909/60、9月7日;0905/244、5月28日】

(9月26日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090926ddlk25040660000c.html

【0909/224:発達障害】◇「自信を持たせる」が大切/学習塾「アットスクール」社長・鈴木正樹さん

2009-09-26 23:28:08 | Weblog
【毎日新聞特集:湖国の人たち:オピニオン’09 鈴木正樹さん

 ◇「自信を持たせる」が大切--学習塾「アットスクール」社長・鈴木正樹さん(42)=草津市

 ◇心身の成長が滞る「発達障害」
 学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症など、心身の機能の成長が滞ってしまう「発達障害」。知能発達に遅れがなく、障害の程度も人によって違うため、周囲の理解が得られずに不登校や引きこもりになるケースも多いという。それらを防ぎ、発達障害がある人とかかわっていくためにはどうすればよいのだろうか。学習塾「アットスクール」を経営しながら、発達障害児らの支援に取り組む鈴木正樹さん(42)=草津市=に聞いた。【南文枝】

 --なぜ、今の仕事に?

 学習塾で働いていた時に、発達障害の専門家らと出会い、勉強会や研修会に参加するようになったのが始まりです。その前は、商社で社員教育をしていたのですが、他人とのコミュニケーションがうまくとれない、数字を見るのがストレスになる、といろいろな人がいました。塾に転職しても、本人は努力しているのに勉強が追いつかなかったりするケースがあって、不思議に思っていました。だから、発達障害のことを知って目からうろこが落ちましたね。

 --発達障害について詳しく教えてください。

 一言で言うと、「見えにくい障害」です。LDやADHD、自閉症などに分けられますが、それぞれの症状が重なり合っている場合もあります。LDは読み・書き・計算などの一部だけができないなど、学力に著しい偏りがあり、ADHDは不注意で落ち着きがなく、衝動的に行動します。自閉症は社会的なやり取りが苦手で、何か一つの事にものすごくこだわります。アスペルガー症候群のように、多弁な場合もあれば、全く話さない場合もあります。原因は分かっていません。

 --外側からは分かりにくいのですね。

 はい。学校などでは周囲の理解が得られないために不登校になるケースがあります。知能が低いわけではないのですが、学習の一部分がどうしてもできない、もしくは自分のルールに沿って取り組んでしまうのです。その結果、学習が進まず、先生や親から「なんでできないの」と注意ばかりされるようになる。自分でも解決方法が分からずストレスがたまり、自信を失ってしまいます。

 --具体的にはどのようなケースがあるのでしょうか。

 漢字が読めない、数字の桁(けた)をずらしてしまって計算ができないなど、さまざまです。しかし、解決できないわけではありません。漢字が読めないのなら、ふりがなをふれば、書いてある内容が理解できます。桁がずれるのなら、ます目付きのノートを使う、電卓の使い方を教えるなど、方法はあります。できることが増えれば、子どもたちもやる気が出てきます。

 --指導にも工夫が必要なのですね。

 なぜ漢字が書けないのか、計算が苦手なのか、また、何が得意なのか。その子どものやり方を見つけてあげることです。そして、大切なのは自信を持たせること。例えば、アットスクールでは、複数の学年にまたがった少人数(4~6人)のグループで指導します。上の学年の子どもに「人に教える」という経験をさせ、自信をつけてもらうのです。

 --保護者や教師など身近な人はどう向き合っていけばよいのでしょうか。

 発達障害がある子どもは、症状に気付いて支援をしてくれる人がいるかいないかで、その後の人生が大きく変わります。得意分野をほめて伸ばせば、どんどん成長します。子どもたちの1割程度が何らかの障害を抱えていると指摘する専門家もいます。まずは、障害の中身を正しく理解することです。

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 ■提言

 ◇理解が支援の第一歩
 発達に課題を持つ子どもたちは、人から誤解されたり対人関係をうまく築けなかったりして、自信を持てないことが多い。人はそれぞれに得意、不得意があります。子どもたちの得意分野を伸ばすためにも、まずは、障害を正しく理解することが支援の第一歩。できることから始めましょう。

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 ■人物略歴

 ◇すずき・まさき
 1967年、静岡県生まれ。商社で社員教育などに携わっていたが、学習塾に転職。教育相談員として、子どもや保護者らから学校生活や学習、対人関係などの相談を受けるうちに、不登校や発達障害の専門的支援の必要性を感じ、04年、草津市でアットスクールを創業。個別やグループでの学習指導やカウンセリング、社会で他人とかかわる技能の訓練など、発達障害児の支援に取り組む。アットスクール(077・565・7337)。

(9月26日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20090926ddlk25070650000c.html


【0909/223:自然エネルギー】太陽光発電 市町も終了

2009-09-26 01:20:56 | Weblog
 太陽光発電設備への補助制度は県の補助以外にも県内の9つの市や町でも実施されていますが、すでに4つの市や町で応募が締め切られています。

 大津市では6月から1キロワットあたり1万円を補助する制度を始めましたが、今月15日に予算を使い切り、受付を終了しました。このほか野洲市では24日、豊郷町では25日、予算の限度に達し受付を終了しました。

 また、4月から受付を始めた草津市では、7月で予算を使い切ったためいったん受け付けを終了し、今月開かれている議会に追加の補正予算を提案しています。
このほか今月から受け付けを始めた守山市では、すでに予定の半数の応募があるなど県内では太陽光発電設備の設置が急増しています。

【関連ニュース番号:0909/222、9月26日】

(9月25日、NHK大津放送局・電子版)

http://www.nhk.or.jp/otsu/lnews/02.html