肉食で繁殖力が強い淡水魚オヤニラミが県内の河川で生息範囲を広げています。国内の他地域ではもともと生息していましたが、県内にはいませんでした。県は「指定外来種」に定めて放流などを禁じており、滋賀の在来魚への影響が懸念されます。
県内で魚類の生息調査を続けている県立琵琶湖博物館特別研究員の中尾博行さん(30)によると、7月下旬、これまで見つかっていなかった野洲川本流で体長約3-6センチの稚魚、成魚を計5匹を確認した。8月上旬にも3匹を捕まえました。
オヤニラミは、県内では1987年に野洲川の支流の田村川(甲賀市)で初めて確認されました。以後、大石川(大津市)や日野川(日野町)などで見つかっています。観賞魚として人気が高く、飼育されていたものが放流されて定着したケースが多いとみられます。県は、地域の生態系を守るため今年5月に指定外来種に定めており、放流の禁止、飼育の届け出などを定めました。
中尾さんは「オヤニラミは小動物を食べるため、在来魚のオイカワやカワムツの稚魚、卵を食べる可能性がある」と指摘しています。琵琶湖博物館の中井克樹主任学芸員は「すぐに影響が出るとはいえないが、予防の観点から注意が必要だ」と話しています。
(9月30日付け京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007093000055&genre=H1&area=S00