滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

編集:市民運動ネットワーク滋賀・事務局(TEL:FAX077-522-5415)

【0709/05:防災問題】消火現場は人手不足、消防職員ネットワークなどの調査、知事へ充実申し入れ

2007-09-01 23:44:03 | Weblog

県内の消防職員の95%が「出動人員が足りていない」などと勤務態勢に不安を抱え、半数以上が「休暇を取りにくい」と不満を感じている――。県自治労連と全国の消防職員でつくる消防職員ネットワークなどは8月31日、こんなアンケート結果を発表しました。過酷な職場に対する消防職員の声が寄せられたもので、両団体は1日の防災の日を前に、嘉田由紀子知事に対し、適正な人員確保に努め消防行政の充実させるよう申し入れをしました。

アンケートは5月23、24日に、県内すべての消防署の管理職以外の職員1023人に郵送で配布し、うち137人から回答がありました。内訳は10~20歳代が7人、30歳代が53人、40歳代が50人、50歳代が27人でした。

質問は勤務態勢や配置人員、休暇などに関する12項目。「勤務態勢(出動人員など)に不安を感じるか」という質問には、77人が「不安を感じる」、53人が「少し不安を感じる」と答えました。

休暇については、74人が「取得しにくい」、61人が「取得しにくい時もある」と回答。休日に訓練や講習などがあった場合の時間手当の支給や代休については、「行われていない」が40人、「適切に行われていないこともある」が63人でした。

■消防車1台に2、3人程度 国基準5人

出動体制には約9割が不安を感じており、自由記述では▽ほとんどの火災出動は2人で出動するためスムーズな現場活動ができない▽要救助者がいる火災で活動体制が取れない▽地域によって高規格救急車の配備に大きな差がある、職員が高齢化し、新規の採用も無い」などの意見がありました。

団結権がなく労働組合がつくれない消防職員の意見を反映させるための「消防職員委員会」については、「意見が採択されても実行されない」との不満がみられ、87人が機能していないと回答しました。

共同でアンケートを行った任意団体「消防職員ネットワーク」幹事の中村茂さん(58)=京都市消防局=は「火災時は2方向からの放水が基本だが、2、3人の出動だと一方向からしかできない。これでは住民の安全は守れない。滋賀のような実態では、救助どころか消火活動にも支障をきたす」と指摘しています。

(9月1日付け朝日、京都、中日,、2日付け毎日などが報道)

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000709010002

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007090100022&genre=A2&area=S00

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20070901/CK2007090102045399.html

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070902ddlk25040210000c.html

【0709/04:県財政】県来年度予算見積もり、財源不足400億円、経費160億円削減へ

2007-09-01 23:32:41 | Weblog

滋賀県は8月31日、来年度予算の財源不足額を約400億円と見積もり、経費を本年度より160億円削減する予算編成のたたき台をまとめ、週明けから本格的な検討に入ります。ただ、削減幅は県の裁量が利く事業費の半分近くに相当するため、たたき台通りの予算編成となるかどうかは流動的です(関連ニュース番号0708/81、8月25日)。

県は、新幹線新駅事業の見直しなどで歳出削減を進めましたが、高齢者福祉関係費の増加や地方交付税の縮小などで財政悪化が進み、財源不足額は当初の想定より70億円近く拡大しています。

不足額について、県は基金取り崩しや県有地売却などのほか、ネーミングライツ販売や県債発行などで対応することを検討していますが、すべてを賄えるめどは立っていません。

このため、県費が投入されている全事業を対象に事務事業の大胆な削減を指示しました。具体的には事務費や施設管理費を50%、県が行う建設事業費を30%それぞれ減らすなどの基準を設け、徹底した削減を求めました。

対象とした事業の中には、国の補助事業の県負担分や、法律で決まっている福祉関係費の支出など県の裁量が利きにくい経費も相当額を占めていますが、事業の不採択や実施の先送りなどで支出を抑制します。

嘉田由紀子知事は「次世代にツケを残さないための財政健全化」を公約に掲げ、来年度から始まる新たな財政構造改革プログラムを策定中で、来年度予算も「聖域を設けず、ゼロベースから見直す」方針を掲げています。

県は本年度の一般会計当初予算(5073億円)で、2004年度比で事務事業費168億円を圧縮させています。たび重なる削減案には「裁量の利く事業費を切りつめすぎると、知事の公約すら実行できなくなる」(県幹部)と心配する声も出ています。

(9月1日付け京都新聞が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007090100017&genre=A2&area=S00

【0709/03:障害者支援】五感使い自然観察、障害者に環境学習の場を、県環境学習支援センター

2007-09-01 23:13:39 | Weblog

◇触る、かぐ…五感使い

◇県環境学習支援センター、指導者向け講座に取り入れ

県環境学習支援センター(草津市)は、地域や自治体などでの環境学習の指導者向けの講座で、障害を持った人たちを対象にした自然観察「ネイチャー・フィーリング」を取り上げます。今後も障害者が環境学習によりかかわれるような取り組みをしていく方針で、環境学習・自然体験の分野でも、すべての人にやさしい「ユニバーサルデザイン」化の推進につなげたい考えです。

ネイチャー・フィーリングは、障害を持った人たちが「触る」「においをかぐ」など五感のさまざまな感覚を使いながら、自然を観察していく試みです。

同センターは今年7月から実施中の、公民館などの住民向け講座担当者や市町の環境担当課の職員など、地域で環境学習を企画していく人たち向けの講座(全5回)のうち1回(11月2日実施)で、県ネイチャーゲーム協会から講師を迎え、ネイチャー・フィーリングを取り上げます。同センターの井阪尚司所長は「障害を持つ人の行動範囲が広がったり、障害者の目から街づくりや暮らしを考えるようになってきているが、環境学習というと健常者の視点でやってきている印象がある。環境にまで範囲が広がることで、障害者は世界観を広げて環境を健常者とともに考え、健常者は五感で自然や環境を再発見できる機会が作れれば」と狙いを話しています。

(9月1日付け毎日新聞が報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070901ddlk25040445000c.html

【0709/02:ダム問題】毎日新聞論評「記者リポート」:大戸皮ダム凍結撤回、問われる国の根拠

2007-09-01 23:06:03 | Weblog
(関連ニュース番号0708/99、8月30日など)

◇2年で方針一転

□中流部改修に伴い必要性? 流域委の議論に注目

国土交通省近畿地方整備局が8月28日発表した淀川水系の河川整備計画原案で、普段は水を貯(た)めずに流し、大雨時に貯める「穴あき」ダムとしての建設方針が示された国直轄の大戸川ダム(大津市)。同ダムは、国が2年前に「凍結」方針を示したが、再び建設に転じる事態となった。今回発表されたのは国の原案で、今後は地元や学識者、府県の意見を聞くプロセスを経て決定されるが、実際に穴あきダムの建設にいたるのか。これまでの流れと国の方針の背景を探った。【服部正法】

◆複雑な経緯◆

大戸川ダムは大戸川、宇治川、淀川の治水や大津市、京都府、大阪府の利水などのために計画された多目的ダム。80年代以降、ダムや堰(せき)の建設など国の河川政策への反対が高まり、97年に河川法が改正。法の目的に「治水」「利水」に環境保全が加えられ、20~30年の河川整備内容を示す「河川整備計画」に住民や知事の意見が反映されることになった。これを受けて発足した専門家会議「淀川水系流域委員会」は03年、建設・計画中のダムについて「原則として建設しない」と提言。一方、近畿地方整備局は05年7月、大戸川ダムなど2ダムを「凍結」、丹生ダム(余呉町)など2ダムは「規模縮小」の方針を示した。

脱ダムの流れの中、ダムで水没するため移転を強いられた大戸川、丹生両ダムの地元は反発。当時の国松善次知事も国に建設を訴えたが、昨年7月に両ダムを含む治水ダムの「凍結・見直し」を説く嘉田由紀子知事の就任で事態は複雑化。国の判断が待たれていた。

◆根拠の妥当性◆

「淀川水系下流部の堤防強化が約5年で終了できることが調査で分かった。次のステップは中流部の桂川などの整備。2年前には中流部の改修がすぐできるとは思っていなかった」。近畿地方整備局の谷本光司・河川部長と井上智夫・河川調査官は8月28日の記者会見で、わずか2年で大戸川ダムを“復活”させた根拠を尋ねる報道陣に対し、最新の知見を基にした判断だと繰り返した。根拠は(1)2年前には、先に進める淀川水系下流の堤防強化に相当時間かかると想定し、中流部の改修は整備状況を見て判断すると考えた(2)その後、下流の堤防強化が約5年で終わることが分かり、地元から改修の要望がある桂川、宇治川など淀川水系中流部の整備に入ることが可能と判明(3)中流部の整備が進めば、下流部への流量が増え、下流部での洪水リスクが高まるため、上流部での洪水調節機能が必要--との論法だ。同局は具体的な数値は出さなかったが、今後流域委員会や関係自治体への説明の中で詳細なデータが提出されるとみられ、根拠が妥当か否かの検証が必要だ。

国の大戸川ダム凍結撤回をどう見るか。ある県幹部は「2年前に一気に『凍結』まで持っていったのが行き過ぎだったのでは。背景は分からないが、今回はノーマルに戻ったと言える」。また、別の幹部は「国の意図は分からないが、計画してきたダムが『凍結』ばかりになると困るという考えもある」と省内での“揺り戻し”を推測する。

嘉田知事は同ダムの有効性を認めるが、本音では「凍結」を貫きたいように見える。国が凍結から建設へと舵(かじ)を切ったことは、知事の本音とは逆方向とも取れるが、県にとって当面の問題は、進行中の道路など周辺事業の成否。下流の京都、大阪両府が負担金の支払いを渋る中、国が再度凍結を明言すると事業自体が止まりかねないが、国が建設の意思を明確にしたことで、中止が避けられる可能性が出た。一方、ダム本体については、流域委で国がどれほど説得力のある根拠を示せるかで事態が変わることも考えられる。果たして、ダム建設に道が開かれるか--。9月の流域委の議論が注目される。

(9月1日付け毎日新聞の報道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/shiga/news/20070901ddlk25040429000c.html

【0709/01:ダム問題】国交省原案は従来型治水に方向転換、淀川流域委が批判

2007-09-01 22:47:15 | Weblog

国土交通省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」は8月31日、大津市内などで現地視察と意見交換会を開きました。一定規模の出水を川で流しきることを目標にした淀川水系河川整備計画原案について、各委員が「まったく従来型の治水に方向転換した」と整備局の姿勢を批判しました(関連ニュース番号0708/99、8月30日など)。

宮本博司委員長は、これまでの淀川委の議論では想定を上回る洪水に対しても被害を軽減できるよう対策を積み重ねるとしてきた点を強調し、「川の中だけの治水は限界がある。これでは流域で治水対策しようという動機付けにならない」と原案を批判。「従来型の治水に方向転換した理由を説明できなければ、議論は進まない」と整備局側にくぎをさしました。

京都大防災研巨大災害研究センター長の河田惠昭教授は「東海豪雨は350年に一度の雨が降った。このような出水をコントロールするのは不可能。超過洪水に対し、どこでどのような被害が起きるのか把握する必要がある」と力説しました。

整備局側は「住民の防災意識をすぐに高めるのも難しく、現実的な問題を解決しないといけない」と説明しました。

原案では、戦後最大で60年に1回の確率とされる1953(昭和28)年の出水を川で安全に流すことを新たに目標として設定し、桂川の河道改修や大戸川ダム(大津市)が必要としました。

(9月1日付け京都新聞が報道)

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007083100177&genre=C4&area=S00