一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

冬の北海道旅行2016(2)

2016-02-18 12:56:22 | 旅行記・北海道編
(15日のつづき)
島式ホームに戻ると、彼方に上り列車が見えた。ほかの旅行者はそろってカメラを構え、さしずめミニ撮影会だ。ちょっと異様な光景ではあるが、その中に身を投じている自分が誇らしくもある。
キハ40は線路の見えない路面をシュルシュルと入線する。私たちは撮影開始。車輪がズズズと粉雪を押しやり、無事に停止した。おおぅ…。さすがに北海道の車両だ、頼もしい。
私たちは大いに満足し、下りの車内に戻る。再び超ローカル線の旅が始まり、09時28分、列車は新十津川に着いた。
札幌では雪がなかったが、この辺りはドカ雪である。駅舎は例年とと変わらぬ風格を漂わせており、感激である。舎内には旅ノートが置かれており、私は署名をした。



もっとのんびりしていたいが、新十津川役場前から滝川行きのバスがすぐ出るので、バス停に向かわねばならない。

バスは9分遅れの09時50分に到着し、すぐに出発。なお、運転手さんは女性だった。
旭川の冬まつり会場に昼頃着くには、10時22分滝川発の特急スーパーカムイに乗らねばならないが、自由席でも2,200円は、バカ高くて利用できない。とにかく明るい安村は12時、午後1時と2回登場するから、後のほうに間に合えばいい。
そこで普通列車を見ると11時55分発があったが、そこまで待つくらいなら、滝川(バス)ターミナルから深川→旭川とバスを乗り継いだほうがいい。
しかし現状はバスが遅れを回復していないので、このままだと10時00分滝川ターミナル発のバスに乗れない。
焦った私は運転手さんに質し、滝川の1つ前、NTT前のバス停で降ろしてもらった。深川行きのバスが、ここを通過するからである。
深川行きの空知中央バスも2分ほど遅れており、私は無事乗ることができた。しかし、車内の乗客はゼロ。路線バスの閑散ぶりは鉄道以上だ。
空は快晴になり、快適なバス旅である。ただ冷静に考えたら、路線バスで旭川に行くのは時間がかかるばかりか、意外におカネもかかるのだった。
これなら滝川周辺の観光をしながら11時55の普通列車を待つ方がベターだったが、もう後戻りはできない。結局、こういう行き当たりばったりの旅をしていると、最終的には損をする。やはり事前に計画を立てておいたほうがよいのだ。
11時20分ごろ、深川十字街着。接続は11時46分の旭川行きバスだが、その後から出るJRの普通列車のほうが料金が安く、到着も早い。ちなみにこれは、滝川を11時55分に出る、例の列車である。
まったくいまいましいが、やはりJRを使うしかない。とりあえず駅に向かうと、商店の窓ガラスに、「ふかがわ氷雪まつり」のポスターが貼られていた。
この時期の北海道は「犬も歩けば雪まつりに当たる」状態だが、深川にこんな祭りがあるなんて知らなかった。しかも今年で47回目である。これは行くしかない。
店の人に聞くと、会場はここから近いらしい。数分歩くと、とある神社の敷地内に、まつり会場があった。
正面奥に大雪像が作られ、女性司会者の進行でゲームが行われていた。
ステージからみかんを放るのだが、その中に当たりクジが入っていて、それで景品をもらえるらしい。文字通り、ローカル色満載のゲームである。
その手前には市民の手作りと思しき中雪像が数基。さらに氷像も数基設置されていた。小さいながらも市民のやる気が感じられる。
傍らには、食堂街も設えられていた。その中に「北方領土返還署名」のブースがあった。札幌や旭川の雪まつりでお馴染みのやつだ。記帳すると、粗品をくれた。ポリ袋の中にはレトルトの白がゆ3食分、ボールペン、ティッシュと、こんなに入っていた。名前を書いただけなのに過分な礼をもらい、こちらは恐縮するしかない。
うどん屋があったので、かけうどんを注文する。300円は市民価格でありがたい。しかもおまけでミルクせんべいまでくれた。今日最初の食物は、あつあつで美味かった。
早足で深川駅に向かう。と、名寄行きのJR深名線バスが目の前を通り過ぎていった。行程に余裕があれば乗りたかったバスだが、今回は見送るしかない。
深川駅に着いた。旭川へは12時04分の列車と認識していたが勘違いで、12時14分発だった。このロスも小さくないが、しょうがない。
駅構内の一隅では、地元の方が、牛乳の無料サービスを行っていた。私は無料大好きなので、1杯いただく。牛乳は地元深川産で、コクがあって美味かった。
「もう1杯いかがですか」
とおじさんが言う。所望する人が少ないようで、ステンレス製の鍋には牛乳がなみなみと残っている。改札待ちの乗客はいるのに、誰も手を出さない。これがさっぽろ雪まつりだったら、行列ができている。人の心理はかくもおもしろい。
その対面にあるKIOSKに貼り紙があり、「2月15日で閉店します」とあった。
店のオバチャンに聞くと、北海道にある主要駅のKIOSKが、親会社の意向で順次閉店するという。
「去年の11月には○○と遠軽がなくなりました」
「おおぅ、そうですか」
「○月には○○と○○のKIOSKもなくなります」
「そうですか、私も何度かここを利用していたので、残念です」
実は利用したことがないのだが、一応話を合わせる。
「私もここに20年務めたからね」
「……」
あんたの顔は知らない、とオバチャンの顔が語っていた気がする。
12時14分の列車が遅れている。私は暇を持て余し、もう1杯牛乳をもらった。
無料サービスてんこ盛りの深川に感謝し、私は13分遅れの列車に乗った。
旭川には定刻を15分遅れの12時54分に着いた。しかしこの遅れは致命的で、午後1時からのとにかく明るい安村のイベントに間に合わなくなった。
駅前から無料シャトルバスが出ており、ちょうどバスが来たので、乗った。車内は満員で、やはり外国人が多い。
買物公園通りを横切り、1時15分ごろ、旭川冬まつり湖畔会場に着いた。
ステージ前は黒山の人だかりで、とにかく明るい安村の声がした。まだ出演していたようだ。注目の大雪像は、何かのキャラクターだった。私は黒山の後方からとにかく明るい安村を窺う。その姿が、私の予想とかけ離れたものだったので、私は唖然とした。
(つづく)
コメント
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