イーダちゃんの「晴れときどき瞑想」♪

美味しい人生、というのが目標。毎日を豊かにする音楽、温泉、本なぞについて、徒然なるままに語っていきたいですねえ(^^;>

徒然その125☆昼寝について☆

2012-12-08 22:31:17 | 身辺雑記
                         

 僕の居住する横浜某市の近辺には、かの「鶴見川」が流れておりまして、僕、ときどき天気のいい日には、そこの川岸まで昼寝にいくんですよ。
 むろん、あったかい日にかぎります。片手に文庫本なんか一冊もってね。
 僕的なスイート・スポットは何箇所かあるんですが、今回はそのうちの一箇所を特別に公開!(上写真デス)て気張るほどのものでもないんですが、まあ、上記写真のような場所でごろんと横になって、ぽかぱかと日差しを味わう快楽っていうのをちょっと想像してみてくださいよ。
 昼寝ってね、素晴らしい。
 僕あ、大好きですね---もっとも、そうしょっちゅう昼寝ばかりしてるわけじゃないんですが。
 昼寝の最大の魅力っていうのは、僕が思うに、現世から一瞬離脱できるとこだと思う。
 ええ、「脱・現世」というか、世知辛いカルマのくさびから一時解き放たれて自由になれるパピヨン的脱獄感というか---。
 
 ただし、これ、ウィークデーに限った話ね。
 土日祭日だと、ここ、あいにくファミリー軍団に占拠されちゃうんですよ。
 厳密にいえば、ファミリー軍団がわさわさいたって昼寝は可能なんですけど、やっぱりね、僕的には空き日の午後の沈黙のなか、青空を見上げながら、じゃっかんの退屈と川岸のそよ風とを肴にしての「とろ~り入眠」があくまで理想なんであって、あえてノイズの入りがちな週末祭日は意図的に避けてたってわけ。
 うん、昼寝するなら、やっぱりベストは平日のお午すぎですから。
 で、先日、ひさかたぶりに鶴見川のマイ・昼寝スポットでうつらうつらしてたら、僕がかつて体験した「我が生涯最上の昼寝」のことがふいに思いだされたんです。
 それまでまったく「それ」のことは忘れていたんですが。
 ええ、昼寝のふちで意識がとろとろしてるとき、唐突に「それ」の記憶がポコンと蘇ってきたんです。
 まるで、ミルクに浸したマドレーヌのかけらの味から、おばあさんと病床の少年時代のすべての記憶を思いだした「失われた時を求めて」のプルーストみたく。
 びっくりしました。
 でも、びっくり以上に、「それ」の記憶はほのかに甘味でもありました。
 ですから、僕は鶴見川川岸の硬いコンクリートに寝転んだまま、頭上の青空をまさぐるようにして、今度は意図的に、「それ」の記憶を蘇らせようと努めはじめたんです…。
 そしたら、きたきた、するすると記憶の糸がたぐれてきたの---それはね、ええ、2010年の8月のことでした---。

 その年の8月、僕は、15年勤めた会社をリストラされ、傷心プラス再生のための北海道放浪旅行にでていたんです。
 で、その4日目---長万部の「二股らじうむ温泉」に一泊したあと、積丹半島方面に愛車を駆っていたんです。
 ルート52をしばらく北上して、そのまま日本海沿いのルート229に出る腹づもりでした。
 でも、「二股らじうむ温泉」で朝飯喰ってこなかったんで、ルート52のとちゅうの道で、スタミナ切れというか、お腹空いちゃったんですねえ。
 知っての通り北海道の大部分っていうのは、なーんもないのが基本みたいな広大極まりない土地柄なんです。
 関東といっしょの考えなんてまるきり通用しない、食事できる場所なんて、にぎやかな町にでもいかなきゃまったくないんですよ、これが。
 まして、僕がそのとき走っていたのは、午前の9時ごろのことでしょ? しかも、ただでさえクルマ通りの少ないルート52の寿都郡だ---仮に運良く街道筋でやってるドライブインなんかがあったとしても---この時間帯じゃ営業しているはずもありません。
 だもんで、僕は、ちょっとまいちゃったんですね。

----むきーっ、腹、へったー…!

 とボヤいても、ヒスおこしても、この広大極まる黒松内町、どーにかなるわけがない。
 仕方がないんで、適当なところにクルマを停め、非常用食料としてトランクに積んであったカロリーメイトに手をつけることにしたんです。
 国道をややはずれ、たまたま見つけた看板っぽい道を辿っていくと、


       


 上記のフォトのような場所に出たんですね---小路みたいなところでした。
 ふっと見ると、「黒松岩町 特産ものづくり加工センター」とあって、その下には喫茶店みたいな表示まである。
 一瞬、「おおっ」と思ったけど、残念、開店時間はまだはるかさきではないですか。
 だもんで仕方ないから、カロリーメイトかじって、車中のふて寝と決めこんだわけ---。
 クルマのシート倒して、窓も全開にして、そしたら、なんか……

 超・気持ちいいんです---。

 気がついたら、僕、いつのまにか30分くらい寝ちゃっててね…。
 天気は写真の通り薄曇りって感じで、そんなによくなかった。
 ただ、北海道の夏の午前、しかも、四方がみいーんな右上写真みたいにひらけている、寿都郡の田園地帯でしょ?
 関東じゃ考えられないスケールの田舎ん風景のなかに、ひとりでぽつーんといるわけであって。
 その「ぽつーん」が、そのときは無性に気持ちよかったの。
 都会にいると、ニンゲンって、どうしても自我のがりがり亡者になっちゃうじゃないですか。
 自分が、自分が、自分が! ってついね。
 でもさ、こうまで広大な土地だと、ニンゲンなんてほとんど虫といっしょなんですよ。 
 そう、いまさっき開けた窓から偶然入ってきたアブといっしょ。
 うん、ただの一介の類人猿の一匹である僕が、そんなに偉いなんてあるわけないよ。
 そうだ、僕は、虫と等価なんだ、と改めて思ったの。
 そしたらさ、その気負いの抜け加減が、やたら心地いいわけ。
 うーんと伸びをすると、胸いっぱいに新鮮な空気が乱入してくるわけでしょ?
 草のにおいや風のにおいがわんさかと。
 空も、なんか、やたらとでっかくてさ。
 で、それに負けないくらい地上のほうもぐーんとはるけく広大で---。
 シートから身体をちょいひねって、ガラス越しに薄目をあけると、目のまえの草がスササササーッと、ときどき風の痕跡を残して、左右に分かれていく真っ最中---。

----ふほーっ、やるじゃん、風ってば…。

 それらの諸条件にくわえて、前夜しこたま浴びた「二股らじうむ温泉」のお湯の心地いい疲労感なんかも絶妙なスパイスとなってくれて、この日の北海道・黒松内町は、それこそ陸風空の全軍総出動でもって、それはそれは心地よい「黄金のお昼寝」をイーダちゃんに贈与してくれたのでありました…。

 なんという粋なはからいか、うん、あれはね、マジ生涯最上の昼寝だった、と思います---。(^.^;>



                    ×           ×            ×

 でも、まあ、だからどうだっていうんじゃないんですけど…。
 要は、自宅近郊の鶴見川の川岸で昼寝してたら、たまたま2年程前に体験した、北海道旅行中のある日の昼寝が思いだされたってだけの話なんであって---。
 こーんな話をしてなんになるのか、どんな効能があるのか、僕もまるっきり分かんない。
 けれども、今日のところは、僕は、どーしてもこの昼寝の話をしたかったんですよ。
 だって、昼寝から目覚めたあとって、なんだか凄く得した気になりはしませんか?
 僕は、いつだって凄く得した気になるんですけど。
 眠ったおかげでアタマはすっきり冴えてるし、気持ちにもいい意味での余裕が生じてるし。
 たしかに、昼寝したって一文にもなりやしません、銭稼ぎには結びつかない。でも、いいんです。
 功利社会的視点から見たらナンセンスでも、別の視点から見たら、昼寝ってある意味、凄い贅沢なんじゃないのかなあ。
 たとえば「命-いのち-」って深い観点から見たら、昼寝って、それこそ福音ですよ。
 うん、昼寝、イコール、ゴスペルといってもいいのではないかと思います。
 その種のゴスペル気分を味わってもらいたくて、今回のこの記事は書かれました。
 なお、最後に添付したフォトは、この極上の昼寝後、まだ幸福感の残るとろとろアタマで撮った、黒松内町での1枚です---では、Bye---! (^.-y☆彡


                       

 
 
 

 
   

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