イーダちゃんの「晴れときどき瞑想」♪

美味しい人生、というのが目標。毎日を豊かにする音楽、温泉、本なぞについて、徒然なるままに語っていきたいですねえ(^^;>

徒然その95☆<猪木 VS ロビンソン戦>のアナルシス☆

2012-01-22 22:19:41 | ☆格闘家カフェテラス☆
                       
             ----ゴングが鳴った…。やはりイノキはゴッチが言うように、それ以前に闘ったジャパンのレスラーとはまったく
             違っていた。私がその後に闘ったジャパンのレスラーを含めても、やはりナンバーワンだっただろう。
              (ビル・ロビンソン「高円寺のレスリング・マスター 人間風車 B・ロビンソン自伝:エスターブレイン社」より)



 えー、今回は思いっきしむかしの昭和プロレスの話をば!---1975年の12月11日、新日本プロレスのリング上で行われた伝説の名勝負「アントニオ猪木 VS ビル・ロビンソン」戦についてウンチクをたれたく思っているイーダちゃんなのであります。
 ただ、あまりにコレ古い時代の話だから、

----ええ、37年もまえのプロレスの話だって!? 正気かよ。

 とあきれるひとも多少はでてくるんじゃないか、と思います。
 ところで、いまのひとはこの試合のことをどれくらい知っているもんなんでせうかね?
 僕なんかの時代のいわゆる猪木ファンの立場からすると---注:僕はちがいます、僕はこのころからテーズのファンでありました---この試合を知らずして猪木を語るべからず! みたいなノリがだいぶ濃かったように記憶してます。
 実際、この試合ってマジ画期的なモンだったんですよ。
 国際プロレスの常連だった英国のテクニシャン、ビル・ロビンソンの実力は誰もが知ってましたし、また、彼の場合、人気も凄かった。
 猪木の当時の師匠であるカール・ゴッチと何度か時間切れ引き分けの死闘を繰り広げていましたし、その技々は、誰が見ても分かるような別格級の「斬れ」を宿してました。
 あのゴッチとも引き分けた、ヨーロッパ最強の男が猪木と闘う---!?
 これは、みんなが夢中になるのもむりないですって。
 ちなみに、当時の猪木と親日末期の、維新軍とかと闘っていたころの落日の猪木といっしょにはしないでね、くれぐれも。
 両者は、僕にいわせれば真赤な別人ですわ。
 全盛期の猪木は、それくらい神がかっていたんですよ。
 美しい若いライオンみたいだった。なんというか、それこそオーラがちがってたのよ。
 21世紀に入ったころ、漫画家の板垣恵介さんとかほかの方とかが、「猪木なんて大したことないよ。ヒクソンとやったら猪木なんて1分でやられちゃうよ」とか発言したのを何度か耳にしてはいたのですが、僕はそうした意見に組すことがどうしてもできませんでした。
 いやいや、猪木はいいレスラーだと思うぞぅ---(いくらか小声で)---。
 もっとも、猪木が世界最強だとは僕もたしかに思いやしません、全盛期のテーズやダニー・ホッジなんかのほうが、強さの点では明らかに上にいた気がする。
 しかし、その猪木が格闘家として弱いか、になると、これは少うし別問題じゃないか。
 あれだけトレーニングをしてて、しかも、素質に恵まれている猪木がどうして弱いだなんていえるんだ? いいや、決して弱くはないはずだ、というのが、まあ僕の当時の立ち位置だったわけ。
 ただ、その意見に同調してくれるひとが、当時はちょっと少なかったんですね---ほら、時代がちょうどグレーシー一辺倒のころで、プロレスに加担するのは手垢にまみれた保守政治家に投票するのと同様、みたいに見なされていたときのことだったから。
 そんなこんなでもやもやしていたら、ちょうど2004年に、折よくビル・ロビンソンの自伝が出版されたんですね。
 で、そのなかで、実力者・ロビンソンが、猪木のことを非常に高く評価していたんです---シューターとして、レスラーとして。
 これが、僕は非常に嬉しかった…。
 たしかにアントニオ猪木さんは、一社会人としてはめちゃくちゃすぎるキャラの男かもしれません。
 会社の金を自分の事業につぎこんじゃったり、腹心をあっさり切り捨てたり、部下を裏切ったり---たしかに破綻してる---それは、否定しない。
 しかし、社会人としての顔とリング上のレスラーとしての実力は、これは、まったく無関係ですもん。
 猪木は強かった、と僕はいまでも思っています。
 アリも、ロビンソンも、ゴッチも、テーズも口を揃えてそういってるのに、それをそこそこの素人連中がわけ知り顔で否定するなんておかしいよ、というのが、いいですか、今日の僕の立ち位置ですので。
 僕はぜんぜん猪木信者なんかじゃありません、しかし、今回はそっち寄りのサイドから、レスラー猪木の真の実力に光を当てていきたいものだ、と考えております。
 ロビンソン戦は、あくまでそのための触媒のつもり。
 世界公認のロビンソンの「フッカー」としての実力のフラッシュでもって、対戦相手の猪木の真の実力を影絵のように照らしだし、あぶりだしていこうというこの戦略(タクティス)…。
 うーむ、このもくろみがうまくいきますかどうか、さあさ、皆さん、お立合い、お立合ーい---(^0^)/


                 ×            ×             ×


 あ。この「猪木VSロビンソン」戦ね、実は、プロレス名勝負の典型ともいわれている試合なんですよ。
 2002年には、こちら、新日本プロレス創設以来のベストバウトに選ばれたりもしています。
 いわば、名勝負クラッシックス---既に殿堂入りも決定した、超・名士といった役どころ、ですか。
 ところが、あとからのインタヴューなんかを調べてみると、あらら、猪木さん、この試合になにやら不満気な面持ちなんですよ。
 猪木さん的にいうなら、いつものように試合展開を自分でプロデュースできなかった、そのあたりにどうも悔いの残る試合であったらしいんですわ。
 えー、こんないい試合だったのに? と僕なんかは思うんですが。
 試合相手のロビンソンにしても、試合後のインタヴューは大変爽やかなもんでした。

----どうだい、いい試合だったろう? テクニックでは私のほうが勝っていたと思うが、イノキというのは大した奴だ。これから凌ぎを削っていくライバルになっていくんじゃないのかな…?
 
 うーん、さっぱり、いいなあ。ロビンソンはスポーツマンですね!
 ところが猪木さんはそうじゃない、スポーツマンシップといっしょに芸術家的な気風も宿してる猪木さんは、一般的なアスリートよりナルシスティックで気難しいきらいがあるのです。
 特に、グラウンドでの展開をコントロールしきれなかった、という部分が、猪木さん的には過去においてあまり例のなかったこともあり、どうしてもそこが「悔恨」のツボにひっかかってしまうようなんですね。
 もっとも、この点は、いかにロビンソンというレスラーが強かったか、という逆証明にもなる事実だと僕は思うのですが。
 なお、この試合には「立会人」として、テーズとゴッチというプロレス界の二大巨頭がともに招待されておりました。
 そのテーズ氏の試合評が面白いんで、ちょっと書き抜いておきませうか。

----…レスラー仲間でフッカーと怖れられていたロビンソンには非常に興味があり、ゴッチと二人でその卓越した技の数々を絶賛しあったが、とにかく技のキレでは圧倒的に猪木を上廻っていた。対して猪木は無尽蔵のスタミナでロビンソンの息切れを待ち、60分時間切れ寸前に決めたオクトパスで辛うじて引き分けに持ち込んだ。内容的には僅差でロビンソンがリードしていたが、実力的にはまず互角と言ってよく、私自身、「現役でいる間にロビンソンと一戦交えておこう」という目標ができた…。(ベースボールマガジン「鉄人 ルー・テーズ自伝」より)

 さすが鉄人---無尽蔵のスタミナなんてうまい表現だなあ。
 ダム、ライ(まさしくその通り)、この試合は、粘っこい猪木のグラウンドとサブミッションの展開を、ロビンソンの剃刀テクがときおり激しく切り裂き、新たな局面をきりひらいていく---といったような流れが基本になっていたと思います。
 ひとことでいうなら、「粘り腰・猪木 VS 稲妻ロビンソン」といった感じかな?
 もっとも、猪木の粘っこいグラウンドの流れを断ち切るロビンソンの技が、そのたびごとにあんまり鮮やかなんで、全般的にどうしてもロビンソンのほうに光があたって見えちゃったという感じはありましたねえ。うん、いつでも彼が試合の主導権を握り、立場的にも常時一歩リードしてるみたいに見えたというのは本当です。
 対して、猪木のイメージは、光ではなくて影でした---地味だけど強烈なサブミッションで、あくまで粘っぽく水面下からロビンソンを追い、隙に乗じてロビンソンの艇を撃つ隠密舟といった役どころ。
 さて、そんなふたりの技の絡みが実際にどんな展開をたどって進んでいったのか---猪木サイドとロビンソンサイドに分けて図にしてみましたので、まずはそれを御覧あれ。
 

                     


 そうなんです、猪木の光った箇所、ロビンソンの光った箇所をこうやって比較観察してみると、猪木が光ったのは主に粘り腰のグラウンド展開において、ロビンソンが光ったのは瞬発系の大技とかの瞬間に多かった---といったさきほどの第一印象にまたしても逢着してしまうんですね。
 たとえば、猪木がこの試合中、最初に輝いたシーンはどこか?
 僕は、それって試合開始の4分すぎ、両者手さぐりの状態からロビンソンに決めた、フロントのフェイスロックのときじゃないかと思います。
 これは、がっちし入ってました。(ページ冒頭にUPしたフォトがそう。参照あれ)
 フロント・フェイスロックは、84年にUWFのリングで藤原義明がはじめて決め技として使い、その後ようやく実戦的なコワイ技として観客に認知されていくのですが、それまではこんな地味な技で試合を「決める」なんておよそ考えられないことだったのです。
 実際、猪木もこの技で試合を「決め」ようとはしていない。
 しかしながら、この技で決められたほうのロビンソンにしても、かつてこの技に関してこのようなコワイ発言をしていたことが過去にあったんです。

----私がもしリングで相手を殺すつもりなら、フロント・ヘッドロックの体勢からのFLをやるね。自分の上腕を相手の左ホオ骨に食いこませて、そのまま持ち上げるように締めれば、首の骨なんて簡単に折れるからね…。(92年2月発言)

 そして、この試合の冒頭において、猪木さんが名刺代わりに使用したのは、まさにそのようなフェイス・ロックなのでありました…。
 これって強烈な自己紹介ですよね?
 恐らく、この時点で猪木さんはロビンソンに、シュート・レスラーであるところの自分を身体でもってこう表明したのです。

----おい、俺はこういう技を知っていて使えるレスラーなんだからな。ナメるなよ…。

 で、ロビンソンはすぐさま猪木のこのボディ・メッセージを了承したわけ。
 試合後10分すぎ、ロビンソンは、ロープ際から電光石火のサイド・スープレックスでいきなり猪木を場外に放り投げ---1975年の時点でこのように危険な投げっぱなしスープレックスを使うレスラーは、彼以外にはいなかったのですよ---このメッセージに対し誠実に返信します。

----OK。そっちがその気ならこっちもいくらでも行くからな。そっちこそナメるんじゃないぜ…。


                                                 

 ハ、ハードボイルド!---これって震えがくるくらい高度で濃密なコミュニケーションじゃないですか。
 両者の鍛えぬいた技と火傷するようなプライドの高さに、イーダちゃんはクラクラ痺れます。
 ほんの開始10分でコレだもん---この試合がいまもって名勝負と語り継がれてきているのは当然だと思いますね…。


                              ×            ×            ×


 さて、そのようにしてお互いの実力を探りあい、さまざまな技で相手が「シュート」であると確認できたふたりは---その具体的一例:猪木が4分すぎに「決めた」フェィスロックをロビンソンは5分すぎ、猪木の顔面の右目下の急所に手をあてるという「裏ワザ」で外そうとしています。その痛みから猪木はF.Lをいちど解くのですが、まったく動揺せず、再度F.Lを仕掛けてていくあたりは「シュートレスラー猪木」の面目躍如たるところ、是非とも注目してほしい場面です。映像を所有してるひとは確認必須!---試合開始10分すぎ、ロビンソンが放った場外へのサイドスープレックスを皮切りに、新たなる試合展開にもつれこんでいきます。
 それは、名刺交換が終ったふたりが、いよいよ万を持して己の手の内を見せあいはじめるような展開でした。
 試合開始4分で放ったフェイスロックではロビンソンをそーとー苦しめた猪木でしたが、立ち技系だとロビンソンの瞬発力と非凡な運動神経に阻まれ、どうしても後手にまわりがちだった事態にやや焦れてきたのか、ラフっぽい仕掛けをする展開が徐々に増えてきたのです。
 ロビンソンも気が強いもんだから、そのたびにボクシングポーズなんて取って、リング上にさっと緊張が走る場面が幾度となくあって---そんな流れがふっととまったある瞬間、ロビンソンが何気に猪木の背に周ると---
 あっ、と思った瞬間、ハイアングルの振子式ワンハンド・バックブリーカーが、見事に猪木に決まっておりました。
 これは、いま見ても電光石火の一撃でしたね。
 全盛時のテーズのバックドロップ級のすばやさ!
 まさに抜き身の一発---バックドロップっぽいフェイントをかけてからの入りだっていうのも効いた。
 身体が異常に柔軟な猪木だからこそ、なんとか3カウントは逃れらたんですが、これは、猪木サイドからすると、ひょっとしてこの試合中いちばん危機的な場面だったのではないでせうか。
 事実、猪木はのちのこの場面を自身でこう回想しています。

----あの一発が苦戦の原因だった…。

 ええ、当時のロビンソンのこういったスープレックス系ワザの切れ味は、それっくらいハンパじゃなかった。
 ここ、ひょっとしたらこの試合全体の最大の山場だったかもしれません。
 「あっ。やられた」と必死に逃げる猪木と、ここが勝負どころと何度も体固めに固めようとするロビンソン…。
 悔しいけれど、あれは、猪木の投げを完全に凌駕してましたねえ。猪木のバックドロップはたしかに華麗でしたけど、どっちかというと天性の柔軟性に頼った「ふにゃあ」って感じの動きじゃないですか? でも、ロビンソンのはビシッ、ドーン! の筋金入り、それこそ「斬れ」まくりの投げでしたから。
 えーっ、投げ技ってこんなにシャープで速いんだ、と当時僕は小学生だったのですが、観戦しながら唖然とした記憶がありますね。


                         


 このワンハンド・バックブリーカーは、ホント、強烈でした。
 猪木の積極的な動き、これでしばらくは完全にとまっちゃいましたからね。
 それから逆エビの攻防が互いにあって、17分すぎ、ロープ際の猪木に背後から何気にボディーシザースにいったロビンソン---その油断した足首にうえから自分の両足をかぶせるようにして、猪木がレッグ・ブリーカーにいったんですね。
 正確には、これ、変形のヒール・ホールドだそうです。
 これが、決まってた!
 うん、強烈に入ってましたね。
 ロビンソンの尋常じゃない苦しみようと、その肌の紅潮加減を見れば、誰でもその点は了解できるかと思います。
 20年後のU系の団体で大ブレークするあのアブナイ技を、このとき猪木はすでに披露していたわけですよ。
 身体を入れかえたロビンソンが逆さ押さえこみみたいなブリッジをして、結局この変形ヒールホ-ルドは外されちゃうんですけど、5分すぎに決めたフロントのフェイスロック、あと、20分すぎに決めたヘッドシザースとともに、僕は、この3大基本技がもっともこの試合中ロビンソンを苦しめた技なんじゃないのかな、と解釈しているんです。
 そう、こうやって試合の流れをひとつひとつ追っかけていきますとね、猪木がロビンソンを追いつめたのは、とてつもなく地味めな技が多かったってことがだんだんに分かってくるわけ。
 ガス灯時代のプロレスじゃないですけど、猪木ってレスラーの本領はもしかしてそういうところにあるのかなあ、と思えてきたりもします。
 そう、猪木の理想とするプロレスって、もしかして飛んだり跳ねたりなんかまったくない、とてつもなく地味で粘っこいグラウンドが延々とつづくような、こんな試合なんじゃないのだろうか。
 だって、試合のこういう展開になると、猪木が心底嬉々としてくるのが分かるんですもん。
 うーん、猪木ってレスラー、実はそうとうに地味なんですよ。
 色に喩えるなら「鈍色」?
 スープレックスや喧嘩殺法なんていうのも、もしかしたら自分のそうした本質的芸風を認識したうえで、プロとしての幅を広げるためにあえてレパートリーに取り入れた蛍光色なのかもしれない、なんて余計な邪推なんかもしてみたくなってきます。
 ま、想像ばかりが先走りすぎてもなんですんで、このあたりでリアリズムに回帰、17分すぎに猪木が決めたレッグブリーカー(実はヒールホールド)のフォトでも御覧になってくださいな---。


                         


 いままでの論旨の流れを、このあたりでちぃーっと整理してみませうか---。
 えー イーダちゃんはこの「猪木 VS ロビンソン戦」に関して、見るべきポイントが両サイドごとに3ポイントづつある、とまあ考えているわけなのでありますよ。
 それは、猪木サイドからすると、

 一、5分すぎのフロント・フェイスロック。
 二、17分ごろに決めたレッグブリーカー(正確には、変形のヒールホールド)。
 三、20分すぎに決め、25分すぎまで締めつづけたヘッドシザース。

 ロビンソン・サイドからすると、

 一、10分すぎにロープサイドから繰り出した、場外へのサイドスープレックス。
 二、15分ごろいきなり決めた、電光石火のワンハンド・バックブリーカー。
 三、52分ごろ、試合の終盤で繰り出した、猪木の首がグシャッとなった、危険なジャーマン・スープレックス。

 試しに、両者の三番の技写真を、下にならべて比較観察してみませう。
 この試合全体を象徴する両者のレスリングの本質と差異点が、この2枚の写真からそれこそ炙りだしのように浮かんでくるのが見えてきやしませんか?


        


 僕は、見えてくるように思います…。
 
 あのルー・テーズは、かつて「私には、バックドロップよりもダブルリスト・ロックの方がずっと重要だった」とか、「もし、たったひとつの技しか使わないでレスリングの試合をしろといわれたら、私ならダブルリスト・ロック(ヨーロッパ流にいうならチキンウイイング・アームロック、日本流にいうなら腕絡みですか)を選ぶ」なんて驚くべき発言をしています。
 恐らく、猪木にしても、それと似たようなことを感じていたのではないでせうか。
 プロとして、客を沸かせる卍固めは大事で重要だけど、実戦的なサブミッションという見地から考えたなら、自分的には、フェイスロックやレッグブリーカー、あるいはヘッドシザースなんて基本技の方がずっと重要だった---みたいにね。
 むろん、猪木はそんなこと、どこのメディアでも一言もいってないのですが、僕はどうしてもそんな風に感じてしまうのです。
 このページで試合終盤に猪木の決めた、あの劇的な「卍固め」にあんまり触れず、ページ冒頭にがちがちのフェイスロックのフォトをUPしたのもそのためです。
 僕には「卍固め」よりも「フェイスロック」のほうが、いつでもより「猪木的」な技として自分内チャンネルに映っていたのですよ。
 うーむ、ところでこの本能的な僕的察知、貴方はどう思われます?
 なに、根本的にズレている? 完璧な的外れもいいとこですって?---あららら、がっくしだ。
 それとも、実は、貴方も以前から薄々とそんな風に感じていらっしゃった?
 だとしたら凄く嬉しいな---このあたりの機微を察知して共感してくれるひとがいることを知るのは、僕にとって大きな喜びです---こーんな趣味的な独断ページをはるばる編んだ甲斐もあるってなモンですねっ。(^.^;>


                        ×          ×           ×

 大好評に迎えられたこの「猪木 VS ロビンソン戦」ですが、残念ながらロビンソンが新日本のリングを去ってしまったため、両者の顔合わせはこの一回きりになってしまいました。
 うーむ、無念なり…。
 現在、ビル・ロビンソン氏は74才---1999年に元プロレスラーの宮戸さんが東京・高円寺に設立した、U.W.F.スネークピットジャパンのヘッドコーチとして、伝統のキャッチ・アズ・キャン・レスリングの普及のために、日夜頑張っておられるとのことです。

        www.uwf-snakepit.com/affiliation.html  

 凄いなあ、一生レスリングづくしの人生なんて!
 超・輝いてる---めちゃ、格好よし、です。
 なお、こちら、一般の人間も通うことのできるジムです。打撃も教えてるらしい。
 ランカシャー・スタイルのレスリングに興味のある方は、ええ、是非にも訪ねてほしい、と思いますね---。