2011年5月19日、金山町での14:15のイーダちゃんの自損事故の原因は、いわゆる脇見運転ってやつだったと思います。
ほんの一瞬心が空白になって、
----あっ。歩道近ぇ。ヤベ!
と思ったときには、もうコンクリートの路側帯に車体は突っこんで、乗りあげてました。
ブレーキ踏む暇も、ハンドル切る余裕もまったくなかった。
ヤベ! ガガガッ---停止。(このあいだ、せいぜい2秒程度)
というのが、もっともリアルな表現かと思います。
ブレーキを踏まないでも停止できたのは、クルマ自体がコンクリートの路側帯に乗りあげて、両輪が地面に触れていなかったのがどうも原因のようです。要するに「偶然」---ええ、ひたすらに運の力なのでした。
そのへんは、あとからきたおまわりさんとJAFの隊員さんとかが口を揃えていってられました。
----いや~ あなた、運、いいよー。フツーだったら、石に乗りあげた時点でクルマ横転してるって……。
最初に突っこんだ路側帯のコンクリート部分は、固定されたアスファルトから見事に吹っとんでました。
100キロはあるだろうに、恐るべき衝撃! ここにひとがいなくてよかった、と何気に膝が笑います。
オイルがどくどくクルマの下からこぼれてる…。
ミッション・オイルも漏れてるよう、あと、見直してみると、どうもエアバッグもひらいてました。ひらいた瞬間とかショックとかまるで覚えてはないんだけど。
近くにガス・スタンドがたまたまあって、そこの店員さんも助けにきてくれてました。
----いやー だめだねー、これは…。マフラーも左の前輪も外れちゃってる。業界ではね、エアバッグひらいたら廃車って鉄則があるんだよ。でも、まあ、ひとさまの家に突っこんだり、誰かを傷つけたりしたんじゃないから、これはよしとしなくちゃ……。
たしかに、あと30cmあまりで、ひとさまの家にアタマから突っこむとこだったのです。
なんの因果か、その寸前で停まったってわけで---誰も傷つけず、自分もかすり傷ひとつなく事故から抜けだせたっていうのは、これは、僥倖なのかもしれないなあ、と思ってもみます。
ただ、瞬間の衝撃のせいか、アタマがあまりまわらない感じなのです。
かろうじて110番してみます---近所の方々に現場のアドなんか教わりつつ。
あと、保険会社、JAFなんかにも電話して…。
地元の警察署のネオン表示板の、本日の事故○件、死亡事故○件という表示がふと思いだされました。
あの、ヤベ! ガガガッ---で、次の瞬間、ガーンと天国へいっちゃったひとというのも、実は、相当数いるんだろうなあ、と思ってもみたり。
だって、マジ一瞬でしたもんね。あれで電柱にぶつかったりしてたら、死んだの、たぶん分からんですよ。
寺尾玲子さんの登場するHONKOWAの漫画「まゆりのショック・レポート」のなかでは、事故の死者というものは、自分の死んだ事実が呑みこめず、何年も現場近辺で大抵は自縛霊やってるもんだというんですが、その説も、な~るほど、分かる、といった心境ですねえ。
警察に調書を取られているあいだ、現場の細かい住所とかを教えてくれた近所の方々に、とりあえず缶コーヒーを買ってささやかなお礼をさしていただきました。
特に、いちばん親切に、事故後あれこれと心配してくれたのが、なんと、すんでのところで僕が突っこみそうになったお家の方々だった、という事実にはちょいとまいった。だって、客観的にいって、僕はすんでのところで停止できたものの、ほとんど加害者スレスレの人間ですよ。要するに大変迷惑な男であるはずなのに、あの親切……あれは、ちょっと忘れられません。(あとで地元の菓子を贈らさせていただきました。<(_ _)>)
しかし、帰路は、なっかなか大変でした---。
福島の金山町って交通機関がクルマのほかはほとんどないんですよ---只見線は1日に3本っきり。
JAFのお兄さんにクルマ屋さんまで送ってもらって、保険屋さんと電話してたら、あっというまに金山町は夕方の気配。
僕は、前日、栃木の那須高原の北温泉に宿をとって荷物を残してあったんですが、電車の本数は相当数少なく、その日のうちに栃木の宿に帰還するのは、どうあがいてもむりのようでした。
で、往生してたら、なんと、僕と僕の愛車をここのクリマ屋さんまで引っぱってきてくれたこのJAFの兄ちゃん、これから仕事明けたら10km離れた会津若松までプライベートで出るんだけど、よかったらお客さんも乗っけてってあげる、なんて泣けることをいってくれるんですよ。
申し訳ないけど、その御好意に甘えることにいたしました。
会津若松まで送ってもらいました。
Wさん---あのときはホントに有難う---超・助かりましたっ! m(_ _)m
ただ、今回の地震の関係で、会津若松のホテルの部屋は、避難民の方々で、すべてふさがってました。
レンタカーの空きもゼロ。
仕方がないので電話で検索しつづけて、その夜は、やっと見つけたラブホの1室に宿泊しました。
フヘー、ですよ…。超・疲れた。
80キロで石ガードに突っこんでもかすり傷ひとつ負わなかったというのに、ラブホの風呂からあがるときに滑って転んで左の薬指をなぜか突き指しちゃったり……。泥のように眠りましたよ、この夜は。(^.^;>
実は、イーダちゃんは、今回、マイ・ガイガーカウンターをもって福嶋各地の有名温泉を回り、放射能被害なんてぜんぜんないよ! どこの温泉も安全、福嶋原発の事故というのがそもそも国家ぐるみのフェィクなんだから、福嶋のひとは安心していいんですよー といいたいがための企画をひそかに暖めていたんですが、愛車の事故でそのプロジェクト自体は頓挫しちゃいましたね---残念ながら。
そういうわけで北海道一周、ほかにも秋田・山形への旅、熊野・白浜への旅、さらには石見・鳥取・島根の旅にも付きあってくれた、イーダちゃんの長らくのバディ・キャパさんは、12万キロまで走行した時点で、その生涯を終えたのでありました。
嗚呼、ホント、いろいろありがとな、おまえのことは忘れないよ、合掌---!(ToT)
お。付録として、今回いったあちこちの温泉の、放射線量を測定したフォトをいろいろUPしておきませうね。
◆上図:2011/5/19「福島県金山町大塩温泉」 ◆上図:2011/5/20「栃木県那須高原北温泉源泉地」
0.13マイクロシーベルト 0.15マイクロシーベルト
0.13×24×365=1138.8マイクロシーベルト 0.15×24×365=1314マイクロシーベルト
=1.14ミリシーベルト(年) =1.31ミリシーベルト(年)
横浜となんも変わらんです。超・安全圏じゃん。どこがレベル7!? 美しい北温泉の源泉。ここも横浜と一緒レベル。
◆上図:2011/5/20「会津若松駅前」AM07:20
0.23マイクロシーベルト 0.23×24×365=2.02ミリシーベルト(年)
大沼郡の只見川近郊よりはじゃっかん高し。が、どーこーいうレベルの放射線量じゃないことは自明。
少なくとも「レベル7」の原発事故をやった県の放射線量じゃないことは明白。
レベル7ならこのへんのひと、もうみんな死んでるって…。
----ま、それはさておき、今回の事故に関しましては、福島県民の方々に大変お世話になりました。
事故ってクルマごと突っこみそうになったというのにあれこれ心配してくれたO家の人々、
あるいは仕事明けなのに見ず知らずの僕なんかを自家用車で会津若松まで送ってくれたクルマ屋のWさん、
さらには荷物を2日間置きっぱにしてたというのに、事情を話したら1泊分の料金に負けてくれた「北温泉」のおカミさん、
本当に今回は有難うございました---この場を借りてせめてもの謝意を表したいと思うイーダちゃんなのでした。m(_ _)m
後日譚☆5日後の5/25、レンタカー借りて、金山町のクルマ屋さんにビールもってクルマ内の荷物取りにいったら、
大塩温泉の「たつみ荘」のご主人が顔出せっていってたよ、とのこと。
「?」と思いつついってみると、クルマ屋さんから話聴いて、ご主人とおカミさん、心配してたっていうんです。
あーん、有難いなあ!(ToT) けど、もうひとつ怖い話も聴いちゃった。それは、僕の事故った翌日の20日、
やはり常連客のひとりが同じ道で事故って廃車になったというんです。
こわー! 大塩温泉露天風呂とは、湯浴み客の運転技術をくたくたにするほど効くお湯なのか!?
これは、検証する価値あるやもしれませんね---?(^^;V