皆さん、お元気ですか?
福島原発、予断を許さない状態がつづいております。
また、今度の地震で被災された方々、現在も避難生活を余儀なくされている方々の困窮と苦労を思うと、いうべき言葉もありません。
さきほど、被災者にむけて陛下が送られたビデオレターをPCで見てたら、なんか涙がこぼれそうになりました。
連絡つかない友達がいるんですよ、福島の磐梯熱海に。
そして、ひとつ、お詫びを申しあげたいことがあるんです。
前回に立ちあげた「ニッポンの終った日」というあのページ…もし、昨日あのページを読まれた方がいたら、イーダちゃんはぜひとも陳謝したい。ほんと、申し訳ありませんでした。<(_ _)>
あのオカルティックなページにイーダちゃんが盛ったのは、ひたすら「絶望」以外の何物でもありませんでした。
立ちあげて、地震がきて、TVで原発情報見て、何時間かして部屋もどって、あのページをもういちど何気にひらいて見て、うわあ! 愕然となりました。
あれは、あげちゃいけないものでしたね…。
あれに盛られていたのは、僕自身のパニックであり、小さな恐怖であり、ほとんどそれだけじゃないですか。
たしかにメルトダウンの最悪の場合、関東東北が無人の地になる可能性は充分にある。
しかし! しかし、いまのいま、そんなことをいってどうなるっていうんだ?
というわけですぐさま切削さしていただきました。
もし、あれを見られて恐ろしいと思われた方、絶望してうつ向いた方がおられたとしたら、心よりお詫びさせてください。
現在、福島原発の放射能はたしかに拡散しているようですが、都内にまでやってきたそれの濃度は、まだそれほどのものではありません。普段の40倍なんていうと埼玉あたりの方々は驚かれるかもわかりませんが、40倍なんていうのは、ラドン温泉レベルのもんです。千倍になったら、それこそ危険ですぐ避難しなくちゃいけませんが、事態はいまのところぜんぜんそのようなレベルに至ってはおりません。
いよいよそのときになったら騒げばいい話なのであって、あえて騒ぎを煽るような、オカルト・パニックページについつい仕立ててしまった、ひととして男としての自分の度量の小ささに、なんだか身の縮む思いです…。
イーダちゃんとしたことが扇動者の身ぶりなんかしちゃってたんですよ。
猛省せねば。いまニッポンで必要とされているのは、放射能のデータ話じゃなくて、なにより勇気であり希望の話なんだから。
というわけで希望の話をしませう---イーダちゃんにとっての希望とは何か?
自分に問いかけたら答えはすぐにでましたね---温泉です。(^o^;>
ええ、温泉の話をしませう!
3.11の翌日、あまりの地震被害の凄まじさと原発事故勃発のニュース・ショックとで超げんなりしたイーダちゃんは、その午後、愛用の一本刃の下駄をつっかけて、ほとんど逃避するみたいな心持ちで、とぼとぼと地元の銭湯にむかっていったのでありました。
津波と地震と放射能事故以外のものが、無性に見たくなったんです。
となるとイーダちゃんにいちばん効くのは、なんといっても温泉ですからねえ---歩いていける、地元の温泉銭湯にいくのが、いつもながらの流れなんですよ。
ヨコハマの東急東横線の「大倉山駅」から、だいたい徒歩10分くらいの距離に、この大倉山「大平館」さんはございます。
大倉山駅すぐ脇の、パチンコ屋隣りの坂道をぐーっと登っていったところ。
大倉山記念病院をこえて、むかしっぽい風景の大曾根商店街を2ブロックほど進んだあたりの、むかって右側をきゅっと直角に入った突きあたりにあるのが、この「大平館」さん。
僕は、むかしっから、ここが大好きなんです---。
今年の正月に紹介した、おなじ大倉山の「しのぶ湯」さんも黒湯の温泉で、近隣のゆえ利用さしてもらってる回数は、そちらのほうがむしろ多いように思うのですが、風情と湯質とを秤にかけると、ここいら近郊の温泉銭湯のチャンプは、やはり、ここ「大平湯」さんなんじゃないかと判じないわけにはいきません。
こちら、ほんとにいい湯ですよ。
まず、湯小屋自体の風情がいい---小路の突きあたりっていう立地が、まずは粋じゃないですか。
小路をいって、隣りの寿司屋をいきすぎて、下駄ぬいで、横戸をがらがらってあけると、
----わあ。
そこはすでに野沢温泉の共同浴場みたいな異空間。
なんてアンテックな…。なんとも昭和してる板張りの着替処と、モロ昭和タイプの鍵つきロッカーとが素敵です。着替処のまわりは、古風な横あけのガラス戸がいっぱいあって、いくらかたそがれの気配を乗せた午の光が、そこからさんさんと差しこんでいます。
番台のおばちゃんに450円払って、服にぬいで、がらがらーっと戸をあけて、掛け湯して、三つある湯舟のいちばん右手の、黒湯のお風呂に足先から侵入させていただきますと、
プシー、もー ワンダフル---!
濃ゆい、かなりの濃さの黒湯です、こちら。
拳ひとつぶん沈めたら、そのさきはもうなんも見えないの。
44度くらいのややアチチのお湯なんですが、お湯と触れあってる肩や背中や足先の、全身の肌がきゅっきゅっと嬉しがっているのが分かるような、一種ふしぎな感触なんです。
こういうお湯は、あんまり覚えがないな。
イーダちゃんは黒湯って基本的に苦手なんですけど、ここは例外---はじめて入った日からもう虜になりました。
やや熱めの黒湯にずっぷり肩先まで沈めてみて、ふーっとつい見上げたさきにあるのは、
----うん? あれは、伊豆かしら? 堂が島のペンキ絵なのかな…?
ええ、伊豆(伊豆?)から見た富士のペンキ絵があるんです。
も・これは、たまんない…。(^o^;>
循環こそしてますけど、塩素はないしね、黒湯の質的にいえば、こちら、関東随一とまでいわれたことがあるんですって。
なるほどね、道理でいいお湯だと思ったよ---うん。
§ 大倉山「大平館」§
神奈川県横浜市港北区大曾根1-25-2
営業15:30~23:00 電話045-531-0361
休館 金曜日
入浴料 450円
あのね、正直、こんな時勢にいささか不謹慎なページかなあ、と思いはしました。
しかし、僕的には、こんなときだからこそ、いろんなひとに元気をもってもらいたいんです。
いまは温泉なんてとんでもないと思ってるひとも、大事なご家族を失くされて絶望の無気力に苛まれているひとも、なにクソッ、いつか必ず自分も復興して、こうして温泉につかってやるゾって思ってもらいたいんですよ。
ここ、横浜でも、余震は繁く感じられます。
どうか皆さん、これからやってくるかもしれない東京地震にも警戒して、水と食料と明りの用意をしっかりやっときませう。
そうして、この困難なときをなんとか乗りこえられたら、そのときこそ極上の温泉につかって、こんなにも苛烈な被害を送りつけてきた我々の宿命に対して、割れんばかりの極楽鼻歌を思いっきりかましてやろうではありませんか---。(^0^;>