人・企業・地域を元気に!いでっちの奮戦記

イデアパートナーズ㈱の井手修身(おさむ)の地域再生、観光地活性化に関する人・企業・地域の様々なエピソードを紹介する日記。

リクルートに学ぶ その③イノベーション(革新)する

2006年06月25日 | Weblog
入社して3年目、世の中を激震させたリクルート事件が起きた。
総理大臣が辞めるまで進展した事件も後にはないだろう。
 http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/rikuruto.htm
この時、多くのメディアに突かれ、イメージダウンもしたが、1つだけ言えたのは、「事業やビジネスそのものは全く問題がなかったこと」である。今のライブドア事件や保険会社の不祥事とは違ったところである。

しかし、仕事への打撃は大きかった。
私は、不動産部門の仕事をしていて、事件との関係性も深い部署だったため、仕事が全く機能しなくなった。私のやっていたプロジェクトは、見事に全部中止。
仕事がなくなってしまった。毎日、することなく途方にくれた。

この時、先輩(当時28才かな)から言われた。
「井手、何もすることない時なんて、絶好のチャンスや。おもろい話聞きに行こう」
それから組織が機能しなかった1年間、自分達のチームは、ビジネスの芽を探しに、さまざまな人に会い、ネットワークを広げた。仕事の可能性を探った。
仕事は与えられるものでなく、創り出すものであることを実感した。

そして、96年、新規事業で地域活性事業部を立ち上げた。
リクルートの地域活性事業とは?
一言とでいえば、人材と情報の流動化である。
1つは、人材の流動化。大都市圏から地方に人材を誘致するUIターン事業。
もう1つは、地方の情報を大都市圏で発信して、地方に人やものを誘致する観光・交流事業。
この事業部のメンバーはすべて、自己申告で集まった多士済々。
色の濃いメンバーばかり。
そもそも何を、どの様にして地域活性するのか、模索しながらの事業。
過疎の村おこしから特産品開発、温泉センター新設、空き店舗活用、福祉等、さまざまな仕事をやってみた。
年間150日間は北海道から沖縄まで出張していた様な、、。
自らイノベーション(革新)することをそんな経験から学んだ。

結果を残せたもの、やっぱり出来なかったもの、あったと思う。
UIターン事業で、数千の人を地方の企業や農業法人や役場に送り込んだ。
まちづくり、地域づくりのきっかけを支援できた地域も数多く出来たと思う。

6年間を経て、地域活性事業部は、廃部になった。
いろんな価値は提供したが、結局、利益を生まない部署は、存続しないという会社の判断であった。

廃部と共に、メンバーは方々に散った。
そして、本当の意味で、そこから個々人が、イノベーションしていった。
 つづく