北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第123回 北京の胡同・前回「これ、だぁーれだ?」の答え

2016-12-17 19:30:18 | 北京・胡同散策
もう分かっていると思うけど、答え。

みんな大好き兎児爺だよ。

むかし北京で疫病が流行ったんだ。それを見かねた嫦娥(じょうが)という月の女神が
地上に送り、北京っ子たちを疫病から救ったのが、“兎児爺(トゥールイエ)”なんだ。


(写真は北京・首都博物館にて。子供たちの作った“兎児爺”)

日本では月でウサギが餅をついていると言うけど、むかしの中国の人たちは月でウサギ
が薬(仙薬・不老不死の薬など。「竹取物語」にも出てくるね)をついていると考えた。
このウサギを「玉兎」と呼ぶんだけど、この「玉兎」が少女に姿を変え、時に馬にまた
がり、時に獅子などの動物に乗って疫病にかかった北京っ子たちを救って歩いたと言わ
れているよ。その時の薬が姿を変えて今に伝わるのが月餅だという説もあるんだ。

この兎は、つくづく北京っ子たちの大恩人なんだね。

そして、“兎児爺”は、月からやって来たという意味で宇宙的規模の護符と呼んで
良いかもしれない。可愛らしい人形だけど、スケールがとっても大きいんだ。


(撮影は同上)

そうそう、「爺」という言葉が付いてるのは尊称なんだけど、「玉兎」が姿を変えた少女が
虎やゾウなどいろいろな動物に乗っているのには、きっと深ーい意味があるんだろうなぁ。
みんなも考えてみて。


(撮影は同上)

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