北京・胡同窯変

北京。胡同歩きが楽しい。このブログは胡同のあんな事こんな事を拙文と写真で気ままに綴る胡同お散歩日記です。本日も歩きます。

第101回 北京の胡同・ 洋館の階段 

2016-06-13 14:59:26 | 北京・胡同散策
ひと口に「階段」と申しましても、いろいろな階段がございます。


幼いころ、友だちと仲良く並んで腰掛け、アイスクリームを食べた階段。

兄弟姉妹に見つかっては大変とばかりに、身を隠すようにして好物のチョコレートを
頬張った階段。

「階段で遊ぶのは危ないから、ヤメヨーね!」といった教員が、ある日、階段を三段抜かして
駆け上がっていく姿を見て、なんだか見てはいけないものを見てしまったような気持ちになった階段。

「階段を昇り降りしている時に、足元から手がにゅーっと出てきて足をつかまれたら、怖いよね」と
友人と話していたその夜、昇り降りがちょっと怖かった階段。

苦しいこと悲しいこと、そして悔しいことがあって、他の人に見つからないように一人座って
泣いた階段。

日本でミニスカートが流行り始めた十代後半、見えそうで見えなかった階段。

数がちゃんと決まっているはずなのに、数えるたびに段数の違うという噂のあった謎の階段。

ヒッチコックの作品のなかで活躍する数々の階段たち。

憧れの異性と初めて言葉を交わした、嬉し恥ずかし、ときめきの階段。


と、いうことで、
今回は北京の胡同で見かけた素敵な洋館の階段を二点ほど、ご紹介させていただきますね。

まずは、仁寿路にあります“泰安里”の階段。
建物内に入ると、こんな階段が。



この階段を上がっていき、振り返ると、



その傷み具合といい、傾き加減といい、その溢れる魅力は人工的には創り出せませんよね。

そんな階段が輝きを放っているのは、ここ。



今から100年ほど前の民国期に出現した、北京の胡同の中の「里弄」。



現在改修中で見学できない場合もございます。その時はどうかご容赦を。
改修前に観ておいて、ヨカッたー。


もう一点。

「東堂子胡同」にある、やはり洋館。



手すりのカーブぐあい、階段の磨り減りぐあい。言葉を失い、うっとりと見とれてしまいました。



この階段を上ることができるのは、ここ。



絶対に怪人二十面相の秘密のアジトがありそうな館ですよね。


いかがでしたか。
階段は、人生の素敵な伴侶。
ご覧の皆さんには、階段にまつわるどのような思い出がおありですか。
どのような階段がお好きですか。

機会があれば、上の二点の階段を手摺りに触れながら上ってみてはいかがでしょうか。
素敵な階段の思い出やお気に入りの階段が、増えるかもしれませんね。
そして、濃密な至福の一瞬が待ち受けているかも。

(なお、建物内の撮影は、可能なかぎり居住者や関係者の許可を得て行なっていることを
お断りしておきますね)。


  
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