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大和文華館「花の美術-季節の彩-」へ

2017-03-09 12:20:10 | 大和文華館
先日、急な朝雨のなか大和文華館へ伺うと、
梅も盛りを過ぎて寂しいエントランスから館内へ入ると
 
2月24日から4月9日まで「花の美術-季節の彩-」展が
開かれており、嬉しいことに、学芸部係長の瀧朝子先生の
解説を聴きながら館内を巡ることが出来ました。

いつもの通り、左、中、右に三点
左側は「梅雀図六角筥」平福百穂筆 昭和時代
 松竹梅が描かれ、たらしこみも使われております
真中は「五彩花鳥文大鉢」景徳鎮窯 清前期
右側は「銅製銀象嵌柳水禽文浄瓶」高麗
 四面に四季が表され、柳に梅そして鴛鴦も
 背面
コンセプトは白居易の詩「寄殷協律」の一句
雪月花時最憶君』で言い表されており、
意味は「四季折々(雪月花の時)最も君を憶う」となります。
花や植物は、季節を感じさせる美しい景物の象徴であり、
季節の移ろいや吉祥の意味も込められた意匠を紹介します。
中国、朝鮮半島、日本の三部構成で76点(国宝1、重文1含む)
Ⅰ.中国-寒梅に春の訪れを思う(36点)
「清水裂」明
茶の湯で梅花に鳥の文様が紺地に表した錦を「清水裂」と称し
紺地で夜、銀箔の箔紙で月が描かれ、月の光に浮かぶ吉祥図
梅樹にカササギは早春の吉兆、蜂(官位の意味の封と音通)を
採る猿(高位 候)や鹿(俸給 禄)は立身出世を指し、
霊芝、竹、石、鹿、番の動物は不老不死や子孫繁栄を表す。
 
「放鶴亭図」蘇州版画 梅雪迎春図部分 明
と鶴を愛した宋の林和靖(りんなせい)を描く
「青磁雕花蓮華文瓶」耀州窯 北宋

「赤絵仙姑文壺」磁州窯系 元後期
女性は西王母?、蓮華や慈姑(くわい)等の文様が

「白地黒搔落牡丹文梅瓶」磁州窯、北宋
地は鉄分で黒いため上から白土を塗り搔き取り写実性の牡丹
「美人琴弾図」蘇州版画 清:金木犀が描かれています

Ⅱ.朝鮮半島 夏の蓮に見る清廉と繁栄
「銅製銀象嵌柳水禽文浄瓶」高麗
「鉄砂葱文壺」朝鮮:坊主が
「辰砂蓮華文八角瓶」京畿道広州群金沙里窯 朝鮮
八面に面取りされ、厚い辰砂で大輪の力強い蓮華

「芸苑合珍書画冊 貞」朝鮮後期
菊が描かれ、菊を愛した晋の陶淵明の詞書が
 
Ⅲ.日本-桜に祈る豊作、菊に願う長寿
「色絵松竹梅文大壺」有田(伊万里)江戸前期
吉祥の松竹梅、柴垣の後ろには梅と薔薇が描かれ
輪郭線も花などは繊細で細く、岩などは力強い太さで

「寝覚物語絵巻」国宝、平安後期
出家した母を探す物語ですが、欠落しており
第一段も初めも詞書がなく絵から始まっており、
の花の下で三人の童子が楽器を演奏しており
女がいる部屋の中をのぞく人が
第一段
第二段は中の君の息子が女二宮を垣間見ており、
松の枝に藤蔓が絡み藤の花が咲いております
第二段
「蒔絵南蛮人文印籠」江戸
「秀歌覚書」烏丸光広筆 江戸前期:紫陽花、鹿や笹
「黒味銅地銀象嵌藤花鹿文太刀金具」鎌倉 重文
春日社談義屋跡より出土し、藤原氏を表す、そして
特に鹿は高肉彫りも精緻です。

「金銅蓮華形馨」鎌倉前期 重文
馨(けい)は吊るして使う中国の打楽器
表裏とも同じ蓮華形の左右対称、蓮の実や花

「鎌倉彫牡丹大合子」室町時代:牡丹

「僧正遍昭落馬図」英一蝶筆 江戸中期
古今和歌集を絵画化されており、江戸の美意識で、
馬の力動感と女郎花の楚々として風情が巧みです

「蒔絵籬(まがき)菊文机」鎌倉時代 重文
中央の州浜等にと芒(すすき)が、平蒔絵や絵梨地・針描で
描かれ、次世代の高台寺蒔絵に過渡的な作例になります。

「辻が花裂」桃山時代
最後にこの作品で瀧朝子先生から宣伝です。
4月2日(日)14時から 講堂にて京都国立博物館 山川曉氏の
特別公演「桃山時代を飾る花-小袖裂の世界-」にて

聞き終わり、もう一回、館内を3巡しておりました。
先生の説明、難解なことを簡略に説明していただき
楽しかったのですが、知識不足で勉強しなくては・・・