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細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

消失グラデーション     長沢 樹

2012-01-16 17:06:04 | 読書メモ な行

《内容》

私立藤野学院高校のバスケ部員椎名康は、ある日、少女が校舎の屋上から転落する場面に遭遇する。康は血を流し地面に横たわる少女を助けようとするが、少女は目の前から忽然と消えた。監視された空間で起こった目撃者不在の“少女消失”事件。複雑に絡み合う謎に、多感な若き探偵たちが挑む。繊細かつ大胆な展開、“真相”の波状攻撃、そして驚愕の結末。最先端で最高の青春本格ミステリ、第31回横溝正史ミステリ大賞受賞作。     (紹介文より)

 

K

 


地のはてから(下)    乃南アサ

2011-11-19 23:27:11 | 読書メモ な行

《内容》

小樽での奉公を終え、知床に帰った少女は、かつて家族を救ってくれたアイヌの青年と再会する。一度きりのかなわぬ恋。そのとき少女ははじめて思う。人は自分の人生を、どこまで選び、決められるのか、と。厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜く。感動の最終章。                    (紹介文より)

―――人というものは、果たしてどこまで自分で自分の一生を決めたり選んだり出来るものだろう

―――人というものは何なのだろうか。どうして生きなければならないのだろう。

 


地のはてから(上)   乃南アサ

2011-11-19 22:59:44 | 読書メモ な行

《内容》

物心ついたとき、少女はここで暮らしていた。アイヌ語で、「地のはて」を意味するというこの土地で。おがちゃの背中と、あんにゃの手に、必死にしがみつくようにして。北海道知床で生きた女性の生涯を、丹念に描き、深い感動を呼び起こす。構想十年―書き下ろし長編小説。                                 (紹介文より)

 

―――今、思う。きっとこういうのを幸せというのに違いない。まわりのみんなが笑っていて、優しくて、ほこほこと温かい感じがする。

―――お互いに生きているのに、ただ会うというそのことが、こんなにも難しいとは思わなかった。   大人になっていくということは、こんなふうに周囲からだんだん大切な人がいなくなってしまうことなのだろうか。


灰色の虹   貫井徳郎

2011-10-29 18:43:28 | 読書メモ な行

《内容》

身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。                        (紹介文より)

 

―――知らずにいれば耐えられたことも、一度知ってしまえば苦しみになる。

―――一生閉じることのない大きな穴を、遺族や周囲の人間の心に穿つ。

―――誰も悪くないから、誰ひとり責任を取らない。冤罪だとしても、誰も謝罪しない。

―――泣くことによって、人は救われる。心の負担が軽くなる。


晩節の宝石箱     中尾 實信

2011-07-17 19:35:14 | 読書メモ な行

《内容》

丘の上の老人病院を舞台に、ロマンの香り漂わせ進行するストーリー。―医師である著者の老年病学への熱き思いと人生への深いまなざしが生んだ渾身の一冊。   (紹介文より)

 

―――覚悟はしていた別れではあったが、奈緒子とのすべてが終わることは信じ難かった。絶望を超えた虚無の透きとおった空気に覆われた。それは透きとおっているのにひしひしと重く、光はあるのに闇よりも暗かった。      崩れていく足元から吸いこまれそうな感覚は、蟻地獄に堕ちる蟻のようであった。

―――流れゆく時は不滅であっても、人のいのちはつかの間で儚い。

 


自白 刑事・土門功太朗   乃南アサ

2011-05-28 23:13:15 | 読書メモ な行

《内容》
まだ科学捜査も動機なき犯罪もなかった時代、「鬼」と呼ばれた伝説の名刑事がいた。刑事小説の名手、乃南アサによる新シリーズ。
             (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――たったそれだけの言葉が、これほど心に沁みるものだと、思ったこともなかった。いや、何もかも、この陽射しと空気のせいかも知れない。ただこうしているだけで、身体の中にたまっていた澱や煤のようなものがすべて消えさっていきそうな感じなのだ。


禁猟区   乃南アサ

2011-01-18 22:15:56 | 読書メモ な行
《内容》
捜査情報が漏れている!?刑事が立場を利用して金を動かしている!?警察内部の犯罪を追う監察官はあくまで陰の存在。隠密行動を貫いて「密猟者」を狩り出してゆく。尾行される刑事は意外にも無防備。獣道に沿って仕掛けられた罠に気づきもしない。プロとしての自負が邪魔するのだろうか。監察チームの頭脳プレーを描く本邦初の警察インテリジェンス小説、ここに誕生。
                 (紹介文より)

☆☆☆☆☆

すれ違う背中を

2010-08-20 19:09:40 | 読書メモ な行
《内容》
「過去」の背中に怯える芭子。「堀の中」の体験をいまだ不用意に口走る綾香。しかしやっと、第二の人生が、ここ谷中で見えてきた二人だった。コトが起こったのはちょうどそんな頃。二つの心臓は、すれ違った彼らにしばし高鳴り、しばし止まりかけた。ムショ帰りコンビのシリーズ、大好評につき第二弾。
             (紹介文より)

☆☆☆☆☆
―――結局、たとえどんな一日を過ごしたとしても、人は食べて、寝て、翌日を迎えるのだ。そしてまた、違う日を過ごす。ほとんど代わり映えがしなくても、まったく同じ日というものは二度とない。いくら思い煩うことがあっても、翌日にはまた違う日になり、そうして否応なしに時は流れて、何かが積み重ねられていく。自分たちに出来ることは、流れに身を任せることだけだ。そうするうちに、いつか何かが見えるかもしれない。
今日は今日で、おしまい。そしてまた、違う日がやってくる。

吉祥寺の朝日奈くん  中田永一

2010-08-18 20:20:23 | 読書メモ な行
《内容》
2009年最高の青春恋愛ストーリーが誕生! 僕たちは、永遠に残る愛の存在を信じられるのだろうか? 『百瀬、こっちを向いて』で読書界を騒然とさせた中田永一が贈る、これまでにない至高の恋愛小説。 山田真野。 上から読んでも、下から読んでも、ヤマダマヤ。 彼女はそれをいやがっていたが、僕には関係なかった。 最後までずっと「山田さん」と呼んでいたからだ。 東京・吉祥寺に住んでいる僕と、山田さんの、永遠の物語。 デビュー作『百瀬、こっちを向いて』が「本の雑誌」「ダ・ヴィンチ」の小説ランキングでベスト10入りした中田永一の青春小説集、第2弾!
                (紹介文より)

☆☆☆☆
―――床におちた花びらをつまみあげて、窓からてをのばし、外の風にのせた。

明日の空   貫井徳郎

2010-08-18 12:23:46 | 読書メモ な行
《内容》
親は日本人ながらアメリカで生まれ育った栄美は、高校3年にして初めて日本で暮らすことに。「日本は集団を重んじる社会。極力目立つな」と父に言われ不安だったが、クラスメイトは明るく親切で、栄美は新しい生活を楽しみ始める。だが一つ奇妙なことが。気になる男子と距離が縮まり、デートの約束をするようになるが、なぜかいつも横槍が入ってすれ違いになるのだ。一体どうして―?栄美は、すべてが終わったあとに真相を知ることになる。
            (紹介文より)

☆☆☆☆