《内容》
部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が。秘めた願いを叶えるため、7人は城で隠された鍵を探す(紹介文より)
《内容》
部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が。秘めた願いを叶えるため、7人は城で隠された鍵を探す(紹介文より)
《内容》
齢73歳にして北海道開拓を志した医師・関寛斎。そんな夫を傍らで支え続けた妻・あい。幕末から明治へと激動の時代を生き、波乱の生涯を送ったふたりの愛のかたちとは…。『ランティエ』連載に書き下ろしを加えて単行本化。 (紹介文より)
―――人が生きる上で本当に取り返しのつかないことは、実のところ、そう多くはないのかも知れない。
―――どれほど嘆いたところで、失ったものが戻ることはない
オススメ!
《内容》
「子どもを、返してほしいんです」親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、だが、確かに息子の産みの母の名だった…。子を産めなかった者、子を手放さなければならなかった者、両者の葛藤と人生を丹念に描いた、感動長篇。 (紹介文より)
《内容》
誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行――日常に倦んだ心にふと魔が差した瞬間に生まれる「犯罪」。現代の地方の閉塞感を背景に、ささやかな欲望が引き寄せる奈落を鮮やかにとらえる短編集。ひとすじの光を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す著者の筆が光る傑作。 (紹介文より)
―――夢を聞いた、愚痴も聞いた、甘やかした。だけど、私の役割はそこまでで、あなたはきっと私のことなど、もう思い出してもいない。あなたにとって特別なのは、あなた自身と家族だけ。私はずっと一緒にいてもノーカウントの、いてもいなくいてもいい存在だった。
《内容》
昭和二十七年。何の前触れもなく姿を消した恋人…末期ガンの母に代わって消えた男を捜す娘は、いつしか母の想いに自分の恋を重ねはじめる。函館の街を舞台に、時代を挟んで向き合う二組の恋人たちの行き着く先は―衝撃の結末が胸を揺さぶる渾身の恋愛長編。 (紹介文より)
《内容》
突然死したアイドルに。癌で逝った母に。喧嘩したまま亡くなった親友に。失踪した婚約者に。死者との再会を望むなんて、生者の傲慢かもしれない。間違いかもしれない。でも―喪ったものを取り戻し、生きるために会いにいく。―4つの再会が繋いだ、ある真実。新たな一歩を踏み出す連作長編小説。 (紹介文より)
《内容》
姫路・夢前川の製鎖工場で、男の遺体が発見された。あくどい商法で知られた不動産業者。疑いの目は工場の持ち主で、被害者への巨額の連帯保証債務を抱え苦しむ、女社長に向けられた。しかしベテラン刑事・岩田は見抜いた。この事件には、共犯者がいる―暴かれてゆく過去の因縁。真犯人は、そして犯行の真の意図とは?社会派ミステリの旗手、最新作。 (紹介文より)
☆☆☆☆
《内容》
夏のある日。道子がスズメバチに刺されて亡くなった。その死をきっかけに、幼なじみの雪彦、達夫、笑子、昭子、理恵は、約五十年ぶりにつき合いを再開する。ともに小学校時代の謎を探ろうと、「報告ごっこ」をするうちに、戦争時代の暗い影が浮かび上がる。あの優しかったヒロシくんはどこから来てどこに行ってしまったのか。道子がその存在を秘密にしていたロシア人、サーシャ氏の正体は?大連、シベリア、ニューヨーク。物語は国境を越え、時を越え、人類の闇に放たれる。そして最後に見えるものは…。 (紹介文より)
―――極限状態の人間には、今この瞬間しか存在しなくなり、したがって、記憶という能力も消え失せる、と以前、政治犯としてシベリアに流刑になった人が書いた文章を読んだことがあります。飢えで死にそうになると、すべての感覚、自尊心とか敵意すらも、目の前の食べ物に吸い込まれてしまうと。
―――そっと、なんの痕跡も残さず、できれば一筋の風になって、この路地を通り過ぎたい、そんな気持ちに誘われる。
―――「悲惨」とは、外側から見れば、醜いものです。そして醜いものを、人間は本能的におそれます。大連の子どもたちも、公園で、学校で、広場で、難民を見かけるたび、そのおそれに包まれていました。
―――犬だって、人間だって同じ。死とは、二度とその眼を開くことがないということ。耳の先まで冷たくなること。命があるときには知らなかった絶対的な静けさにつつまれること。
―――矛盾きわまる罪深いこの世界に生まれることができなかったにしても、いつかきっと、より良きべつの世界に生まれ、その世界の美しさ。かぐわしさを心ゆくまで楽しんでくださいますよう。 そして苦に充ちたこの闇の世をお忘れくださいますように。