細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

教場   著者 長岡弘樹

2016-02-11 21:25:43 | 読書メモ な行

《内容》

希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。彼らを待ち受けていたのは、冷厳な白髪教官・風間公親だった。半年にわたり続く過酷な訓練と授業、厳格な規律、外出不可という環境のなかで、わずかなミスもすべて見抜いてしまう風間に睨まれれば最後、即日退校という結果が待っている。必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩。それが、警察学校だ。週刊文春「二〇一三年ミステリーベスト10」国内部門第一位に輝き、本屋大賞にもノミネートされた“既視感ゼロ”の警察小説、待望の文庫化! (紹介文より)


出版禁止   著者 長江俊和

2016-02-08 20:21:07 | 読書メモ な行

《内容》

社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライターが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印された―。いったい、なぜ?伝説のカルト番組「放送禁止」創造者が書いた小説。  (紹介文より)


孤独な放火魔  著者 夏樹静子

2015-02-24 15:45:50 | 読書メモ な行

《内容》

馴染みに長年抱いていた恨みが発端の、すぐ解決すると思われた放火事件。夫をアイロンで殴打した主婦が、自分はDVを受けていたと主張。夫の愛人が出産した子供に、虐待の痕を見つけた妻がとった行動とは?左陪席をつとめる新米裁判官・久保珠実は、かつて裁判長にいわれた「裁判は最後まで何が起こるかわからない」の言葉を何度も反芻する―。現代の日本を象徴するかのような三つの事件。悩み議論する裁判員たちをリアルに描く著者迫真のミステリー。    (紹介文より)


微笑む人  著者 貫井徳郎

2015-02-24 15:14:45 | 読書メモ な行

《内容》

エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!? 貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。     (紹介文より)


佐渡の三人   著者 長嶋有

2014-11-29 19:01:04 | 読書メモ な行

《内容》

「佐渡の三人」―佐渡行その1。おばちゃん(大叔父の奥さん)が亡くなった。儀礼嫌いの大叔父に代わり、なぜか私と弟、父の三人が佐渡にある一族の墓へお骨を納めに行くことに。「戒名」―ワンマンな祖母は生前に自分で戒名を決めてしまった。問題は字数が足りないことだ、と寝たきりの祖父母を世話する、ひきこもりの弟がいう。「スリーナインで大往生」―佐渡行その2。祖父が亡くなった。享年99歳9カ月。「惜しい!」「スリーナインだ」と家族は盛り上がって…。「旅人」―佐渡行その3。大叔父が亡くなった。祖母との「ダブル納骨」のため、父の後妻を含め一族7人が佐渡に集まった。…そして、「納骨」の旅はまだまだつづく。   (紹介文より)

 

―――『数珠つなぎ』という言葉があるが、そうやって『思う』という糸を引っ張るほどに持ち上がる数珠玉は増え、ジャラジャラという音も大きくなり、持ち上げた感触も手ごたえが増す。


秘密は日記に隠すもの   著者 永井するみ

2014-11-26 23:08:25 | 読書メモ な行

《内容》

父親の秘密を見つけた女子高生の日記「トロフィー」母の死を引きずる43歳独身男性の日記「道化師」姉妹で同居している結婚を控えた姉の日記「サムシング・ブルー」熟年夫婦の日常を記した夫の日記「夫婦」。まったく無関係な4人だが、本人たちも気づかぬところで、実は不思議な繋がりがあった…。    (紹介文より)


小野寺の弟・小野寺の姉   著者  西田征史

2014-11-26 22:57:52 | 読書メモ な行

《内容》

京の片すみ、木造一軒家に二人で暮らす小野寺進と小野寺より子の姉弟。結構な歳だけど結婚できずにいる二人は、特別仲がよいわけでも、悪いわけでもないけれど、なんだか支えあって暮らしている。ある日、そんな小野寺家の郵便受けに間違って配達された一通の手紙。二人はその手紙を届けに行くことにするのだが―。引っ込み思案な弟と、こだわりが強く生命力の強い姉の、さえないけれど、ささやかな幸せが香る日常を描いた物語。    (紹介文より)

 

―――歳を重ねるほど、体験できることが減ってきている。お年玉をもらうこと。お嬢さんと呼ばれること。叱られること。呼びすてにされること。面と向かって年齢を聞かれること。そして誰かを想い、想われること。自分の中で諦めなくてはいけないことが増えていく。


新月譚   貫井徳郎

2012-09-05 07:27:57 | 読書メモ な行

《内容》

八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だった―。  (紹介文より)

 

―――人の心にスイッチはない。そんなに簡単に都合のいいことだけ感じとれるようにはできていないのだ。


ユリゴコロ   沼田まほかる

2012-02-05 19:11:47 | 読書メモ な行

《内容》

暗黒の欲望にとり憑かれ、さまよう魂。運命は、たったひとつの愛と出会わせた。沼田まほかるの小説は、身も心もからめとる―。おそるべき筆力で描ききった衝撃の恋愛ミステリー。

 

―――けれども、年をとるというのは、たぶん、混乱を混乱のままに抱きかかえて生きられるようになることではないだろうか。人間の心そのものが、永遠に解き明かせないひとつの混乱だと、知ることではないだろうか。