日月神示の研究と実践

日月神示を中心に、神道、密教などを研究、実践するブログです。農薬不使用栽培などについても述べたいと思います。

急いで、労働者派遣法 を改正して、10年前(1999年)に戻さなければならない。  副島隆彦氏

2009-08-03 07:31:39 | 政治・社会
 小泉政権時に成立させた労働派遣法の影響で、いまや派遣労働者は労働者全体の30%を越えるほどになってしまったそうです。
 昨年からの不景気で一番先に首をきられるのは、非正規雇用の労働者です。年越し派遣村やネットカフェ難民のニュースは記憶に新しいところですが、その悲惨な現実を出現させた根源が、労働派遣法です。この法律を撤回して、1999年に戻すことが先決だと副島氏は訴えています。まさに同感です。

<記事転載>
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 副島隆彦です。 私たちが待ち望む、9月からの民主党政権の誕生
と共に、急いで手をつけなければならないのは、労働者派遣法 の改正である。そうしないと、派遣社員で、地獄の苦しみを味あわされている
貧しい若者の、非正規雇用(長期アルバイト、嘱託、臨時雇いなど呼称はいろいろ)の人たちの、かわいそうな状態を是正しなければならないからだ。
来るべき、鳩山民主党中心連立政権は、それに急いで手をつけると、以下に約束している。すばらしい決断だ。

(転載貼り付け始め)

「消費税据え置き明記 民主・社民・国民新党の共通公約判明」

2009年7月30日 産経新聞

 民主、社民、国民新3党が連立政権樹立に向けて、衆院選で示す「共通公約」素案が29日、明らかになった。

「政権期間中は消費税率引き上げは行わない」として衆院議員任期の4年間を念頭に現行税率5%に据え置くことを明記。

製造業派遣を原則禁止する労働者派遣法の抜本改正 も含む計8項目で3党政策責任者が同日、大筋合意した。

3党の考えに隔たりがある外交・安全保障問題に関しては、盛り込みを見送った。

 詳細を詰めた上で、来月18日の衆院選公示前に発表する。3党により過半数を獲得すれば、今回の共通公約を踏まえて連立政権樹立に向けた協議に入る。

 素案に盛り込まれたのは、このほか(1)郵政事業の抜本的見直し(2)後期高齢者医療制度の廃止-など。社民党の主張で「生活保護受給の母子家庭への母子加算復活」 「障害者自立支援法の廃止」も入った。

(転載貼り付け終わり)

副島隆彦です。 このように、民主党と、社民党と、国民新党(綿貫民輔=わたぬきたみすけ=代表、私は、数回お話ししたことがある。立派な政治家だ。愛国者だ )の3党は、連立政権を作る。そして上記にあるとおり、「製造業派遣を原則禁止する労働者派遣法の抜本改正」をする。

 労働者派遣法は、許しがたい悪法であった。以下でその成立の経緯は、概略説明する。 企業が、正社員を雇う必要がなくして、非正規雇用の、アルバイト労働者ばかりの会社にしていい、と、小泉政権が、音頭を取って、労働法(ろうどうほう)を、どんどんなし崩しで改悪していった。

 そのために卑(いや)しい企業経営者たちが、調子に乗って、自分の従業員を、徹底的に痛めつけるために、どんどん非正規雇用、派遣社員にしていった。「企業経営は甘くはないのだ。正社員なんか、そんなに抱えられない。人件費がかかりすぎて利益が出ない 」という、間違った考えで会社経営をやる者たちが、世の中の前面に躍(おど)り出た。

 小泉政権の中の、各種の審議会で、「労働(力)市場の流動化(りゅうどうか)」を推進して、「活力ある企業は、高すぎる労働賃金を見直す」というスローガンの下で、おかしなことをやりつくした。

 ジ・アールかの奥谷禮子(おくたにれいこ)や、ICU(アイ・シー・ユー、国際基督教大学、実質は日本ロックフェラー大学)教授の八代某や、その他、多くの、「労働市場の流動化」の旗振りをやった、人間たちを、今こそ、糾弾しなければならない。 

 オリックスの宮内義彦(みやうちよしひこ)の子分になった、竹中平蔵の取り巻きの、一ツ橋大学卒の会計士連中もこの勢力だ。

 孫正義やその子分の、パソナ(人材派遣業)の南部靖之(なんぶやすゆき)の元に、結集している連中である。彼らは、パソナの他にはもう行き場がないくなっている。パソナは、丸の内にでーんとビルを構えて、聳(そび)え立っている。きっと、「派遣切り」になって、ひどい目に遭った若者たちの、怒りが、このパソナのビルに向かうだろう。

竹中平蔵は、どうやら、慶応大学からも嫌(きら)われだして、嫌(いや)がられて、追い出されて、パソナの役員専業になるようだ。これまでも顧問であった。

 竹中を直接、育てた大蔵官僚ども(長年、アメリカへの資金貢ぎ係りたち。通貨マフィア系とはちょっとちがう)でも、他に行き場がなくて、パソナの顧問に天下っている。一体、役員室その他に、どれぐらいの数のブースがあって、アメリカの手先どもが、このパソナ・ブルの中に犇(ひしめ)きあっていることだろう。

「日本の労働力市場の流動化」を促進するための、論文をたくさん書いて、日本を扇動しに来ていたのは、アンドリュー・ゴードンという男である。アンドリュー・ゴードンは、ハーヴァード大学ライシャワー・センターの副所長(副所長と言っても10人ぐらいいるだろう)の肩書だった。私は、10年ぐらい前に、一度、会って話している。彼は、日本の労働法を研究することを専門にしている学者だ。

 私は、ゴードンに、「あんまり、日本を操作(あやつる、マニュピュレート)して、日本を、あなたたちが思う通りに動かすのは、やめた方がいいのではなですか」 と、直言(じきげん)した。このときの、ゴードンの返事が、ふるっていた。「ソエジマさん。あなたも、パトロンを見つけて、学者として認められるようになりなさい」 だった。

 本当に、ユダヤ人学者というのは、人を喰ったようなやつらだ。これでもアメリカリベラル派の牙城のハーヴァード大学の日本研究学者(ジャパン・エキスパート、本当は、ジャパン・ハンド、ジャパン・ハンドラーズ)なのである。 私と同じような年齢だった。

 そのときの私は、おそらく、彼の眼からしたら、「日本でリクルートして、ハーヴァード大学に、留学させて、自分たちの手下となるべく教育して(洗脳して)、送り返すべき 人材のひとり」だったのだろう。そうでなければ、私のような人間と会うはずがない。

 私は、アンドリュー・ゴードンの底意地(そこいじ)が、その時から分かっていた。 だから、今のこの日をずっと待ってきた。やがて日本国内から反撃の火の手が上がるだろう、と、雌伏20年で、我慢して生きてきた。 私は、日本愛国派の真骨頂であるから、こんなチンピラのユダヤ人日本学者なんかに騙(だま)されない。 激しい憎しみを込めて、睨みつけてやった。

 あれから15年である。日本はようやく反撃の態勢に入った。喜ばしいことである。しかし、喜んでいるのも今のうちだ。7月12日の都議選での、自民党の大敗北から、日本国内の空気(ニューマ)は、大きく変わった。 「空気を読めよ」という言葉を、自民党べったり、アメリカべったりでずっとやって来たあの者たちに、お返ししよう。それでも、また、「テルミドールの反動」がやがてやってくる。それに備えなければならない。このことは、別の機会に書きます。 

 労働者派遣法は、天下の悪法である。労働法というすばらしい日本国民が、戦争の惨禍と、戦前からの労働争議、小作争議の血みどろの闘いの中から勝ち取った権利(諸人権)を、掘り崩し、ないがしろにし、捨てさるためのの、アメリカ・ユダヤ人どもの、日本侵略計画の一部であった。 

「労働市場にも規制緩和と、自由競争の導入を」の標語で、どんどん法律を変えていった。 そして、自給700円の、最低限度の賃金さえもらえないような、極貧層の日本人を、一千万人も作り出した。それは、最後には、「ネットカフェ難民」というおそるべき現象となった。

 私は、ここの重たい掲示板に、「昔の労働法に戻せ」と、この10年間に何度か書いた。雇用関係の法律を、正しく、1999年の元にもどさなければならない。経営者が、いつでも従業員(被雇用者)の首を切ることができるような法律を許してはならないのだ。

 各国の労働法(レイバー・ラー)が、人材派遣業という、人類の古代(アンシャント・エイジ)以来のユダヤ人の所業、悪事 を厳しく禁圧
してきたのには深い根拠がある。 人材派遣法は、人身売買の法であり、人間の奴隷化であり、古来、労働斡旋(あっせん)は、日本でも、暴力団の専売であり、ニコヨンと呼ばれる日雇い労働者への、口利き・仲介業は、禁圧すべきものとして、近代労働法は、築き上げられてきたのである。

 就職先の紹介業や、雇用のあっせん業は、職業として成り立たせてはならず、公共職業紹介所以外では、禁止しなければならないものなのである。そのために、ヨーロッパ近代(モダン)500年の成果があるのだ。 雇用・労働関係からのピンハネ、中抜き、手数料徴収は、それは、明らかに奴隷売買、人身(じんしん)売買だ。人肉売買だ。女郎売買(女衒、ぜげん)だ。

 パソナはじめ、ユダヤ人の精神に学んで、日本で、労働ピンハネ業を行い、日本の貧しい人間たちをいじめてきた会社は、すべて、倒産させるべきだ。これらの会社は、派遣労働者ひとり分で、派遣先企業 から、自給3800円を受け取り、その中から、派遣労働者に、半分以下の自給1200円とかを、払っているようなことをずっと、やってきた。人間として、許すべからざる行為である。

 この他にも、人材派遣会社(奴隷売買会社)は、一件の派遣契約成立につき、派遣先から、数十万円を受け取っているはずである。

 このような人道に反する所業を、「自由競争、市場原理の導入、規制緩和の推進 」を旗印(はたじるし)にして、行ってきた者たちを、これからは、「人道に反する罪」で、牢屋入れなければならない。これらの旗振り人の頭目であった小泉純一郎と竹中平蔵の象徴的な末路を、私たちはじっと見つめ続けようと思います。

 彼ら、ユダヤ思想(売れるものなら何でも売る。どんなことをしても利益をだす)の実践者たちの、最後の自論正当化である、「あなたは、能力がないから、そのような職にしかつけないのです。自分の努力が足りないから、それぐらいの収入しかもらえないのです」という、確かに真実だ、を、皆が、お互いに平気で堂々と、言い合う社会にまず、なるべきだ。そして、この言葉が言い古されて、そのあと、「こんなことを言っていても、どうにもならない。くだらない理屈(理論)だ」 という反省が、国民全部の中に生れたら、その時に、私たちは、旧来の、20年前の労働法に、戻るだろう。 アメリカの扇動になど、もう乗らない。

 振り返って考えてみると、リクルートの江副浩正(えぞえひろまさ)が、謀略で追い落とされたのも、あの頃(1988年ごろだったか)から、日本の労働法を、骨抜きにしようというというアメリカの計画があったのだ。たしかに、江副が逮捕されたの と同じ時に、当時の労働省の事務次官だった人物までも、逮捕されている。 彼らは、何でも仕組むのだ。それも長期計画で仕組む。そして、それらの悪業のかずかずが、ようやく、満天下に暴かれる時がきた。

 以下に、現在の労働者派遣法が、出来るまでの過程を、簡単に時系列(クロノロジー)で概観しておきます。ネットで拾った文章を、使って、それを、私が加筆訂正して読み易(やす)くした。以下の文を書いた人物は、労働(雇用)問題についての相当に優れた有識者です。 

副島隆彦拝 
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 ●重たい気持ちで書く掲示板
  http://soejima.to/


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天木直人氏と副島隆彦氏の意見の相違

2009-08-02 20:54:50 | 政治・社会
 天木氏と副島氏の対談が行われたそうです。
その中で天木氏と副島氏の意見は、小沢一郎代表代行の件や対米戦略などでは意見が噛みあわなかったそうです。たとえ意見の相違はあるにしても、お互いの意見を尊重できる関係とは、信頼が人間関係の根底になければ成り立たないと思いました。

<記事転載>
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 「副島隆彦氏との対談を終えて」

 今日7月28日、メルマガ配信会社マグマグ社の主催で副島隆彦氏と「民主党政権後の日本の行方」と「米国一国主義の終焉」という二大テーマで対談をしてきた。

 副島氏は、私にとって、いまから4年前の小泉郵政選挙の時、時の総理小泉純一郎に一人戦いを挑んだ無謀な私を応援してくれた終生の恩人である。

 最後は皆が私のもとを離れていった中で、最後まで私を応援してくれた数少ない私の理解者である。

 だから私は彼が何を言っても許すことにしている。どんなに意見が異なってもその意見を尊重することにしている。

 今回の対談もいくつかの点で話が噛み合わなかった。その一つが政治家小沢一郎に対する評価である。

 副島氏はどういう根拠があるかわからないが小沢氏を絶賛していた。

 私はそうではない。小沢氏との面識も何もない私ではあるが、私は政権交代を成し遂げた時点で彼の役割は終わるべきだと思っている。彼の外交政策、対米政策についても疑問を持っている。

 もう一つの争点は覇権国家米国の将来である。

 私は米国の力を軽視しない。どんな状況になろうとも世界を動かす米国の指導国としての地位が近い将来揺らぐことはないと考える。

 それに中国にしてもロシアにしても、米国より好ましい国になるとは思わない。

 これに対し副島氏は米国が世界を支配する時代は終わった、とくに基軸通貨ドルの失墜が起きると確信的に述べていた。

 bこの点についての彼の最新情報は驚くべきものであった。もっとも私はそれをにわかには信じないのであるが。

 そういう次第で最後は漫談のような対談で終わったが、これからの世の中は、もはや政府まかせでは自分の利益は守れない、自分の事は自分で守るしかない、その為には下手な情報に惑わされることなく、自分で学び、自分で考え、自分の人生を自らの手で守るほかはない、という点で見事に一致した。

 この対談は一週間以内にマグマグ社から発売されることになっている。
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 ●天木直人氏ブログ
  http://www.amakiblog.com/blog/



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「この秋から激変は本格化する!?」 中矢伸一氏

2009-08-01 19:11:06 | 日月神示の実践
 朝倉慶氏はこの秋からいよいよ世界経済は恐慌突入すると言われていますが、中矢伸一氏も同じことを言われています。日経平均株価は1万円をキープしているので、誰もまさか恐慌になるなどとは思っていませんが、この平和なひと時もどうやら秋までのようです。いよいよ来る時が来たということのようです。

<記事転載>
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「この秋から激変は本格化する!?」
                
まもなく発刊となる『たまゆらpremium』8月号、そして今制作が進んでいる9月号と、
取材した内容には私自身、驚きの連続でした。
「驚く」と言っても、私は普段こういう「世界」に慣れているせいか、それほどのこと
では驚きません。
どちらかというと、冷めて見ているところもあります。
その私が驚いたというのですから、事前知識も何もない普通の人がこうした話を聞いたら、
頭がクラクラして、全部妄想だと拒否するか、受け入れて価値観を根本から改めるかの
二者択一に迫られると思います。

私も、資本主義の崩壊とか超大転換の時代とか繰り返し主張しながら、実際にはまだ
十年や二十年、あるいはひょっとするともっと長くかかるかもしれないと思っていました。
ですが、こういう複数筋の情報に直接触れて総合的に見れば、本当にもうすぐ、大変な
激動の時代に突入することは間違いないようです。

私も、考え方を改めざるを得なくなりました。

断定的なことは言えませんが、今年の秋以降に、誰にもわかる形で激変が本格化すると
予測されます。
それは、ドルの崩壊、局地的な戦争、ハイパーインフレなどで、まずアメリカを中心とした
世界情勢に現われると見られています。
アメリカの衰退はいよいよ決定的なものとなりそうです。
日本も当然、この波に巻き込まれるでしょう。

私がどういう根拠からこういう流れを認めざるを得なくなったのか、詳しく知りたい方は
『たまゆら』8月号、9月号をお読みください。
ここに書き出したら長くなりますし、まだ公にできない話もありますので、こういう
オープンな場では書けません。

それから、激変が本格化する前に、『完訳・日月神示』を入手しておいてください。
(上下巻セットのうち、現在は上巻のみ。下巻は8月1日刊行予定)
今のところ会員限定の頒布品で、一般売りはしておりませんが、誤表記や欠落した部分を
修正した全巻完全バージョンは、これしかありません。

日月神示はこれから時代、大いに役に立つことになると思います。

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 ●日本弥栄の会
  http://www.nihoniyasaka.com/backnum/backnum090727.html


 「東証大引け、3日続伸し約10カ月ぶりの高値水準 TOPIX11連騰」

 31日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸。大引けは前日比191円62銭(1.89%)高の1万356円83銭と、連日で年初来高値を更新した。昨年10月6日(1万473円9銭)以来、約10カ月ぶりの高値水準。主要企業による4~6月期決算の発表がヤマ場を迎え、決算内容を見て業績の底入れを確認した銘柄へ買いが膨らみ、相場全体を押し上げた。東証株価指数(TOPIX)は1990年4月27日~5月16日以来、19年3カ月ぶりの11連騰。大引けは13.32高の950.26と、6月12日に付けた年初来高値(950.54)に接近した。
 ●日経ネット
  http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/


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「秋に向け、鳴りをひそめている危機」 朝倉慶氏

2009-08-01 18:52:23 | 政治・社会
 いよいよこの秋から世界経済が大激変するようです。イランの核開発に対してイスラエルとの軍事衝突からくる石油の暴騰に端を発するのか、それとも東欧諸国の金融危機がきっかけとなるのかは分かりませんが、いよいよ今年の秋からは恐慌に突入するようです。この夏が、束の間の安定期間だそうです。


<記事転載>
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「ターミネーターにやられた!」
 今、カリフォルニアの人々は地団駄を踏んでいます。俳優のアーノルド・シュワルツネッガーを知事にした時から、何か破壊的なことが起きるとは予感はしていたでしょうが、まさにターミネーターの名のごとく財政を破壊してくれました。なんと、お金は払われず、“IOU”という借用証書で決済です。

 「ターミネーターを知事に選んだ時からこうなることはわかっていたのに!」反対派だった人達は、声を上げて言っているのです。
 実際問題、カリフォルニア州の財政は破綻しているのです。カリフォルニアに限ったことでもないし、全米中、ないしは世界中かもしれませんが、どこでも財政は逼迫で、「いかに借金ができるか」が勝負です。

 カリフォルニア州はイタリアに次ぐ財政規模を持つ、世界第8位に相当する財政規模です。知事は社会保証の削減など財政圧縮を目指しましたが、議会の反対で果たせず、ついにI owe you(私はあなたに借りがある)というIOU証書の発行に至ったのです。これがマンガチックで面白い。このIOU証書は珍しいので、コレクターの間ではちょっとしたブームになっているのです。
 「IOUを額面の70%で引きとりたい」や、「80%で…」など、ネット上では花盛りです。カリフォルニア州ではこのIOUに関しては、「10月から支払をする」と言っていますので、おそらく、デフォルト(債務不履行)でこの証書が紙になってしまうというケースにはならないでしょう。債券などは、期限が5年とか10年、長いものは30年40年ですから、これらの債券や国債の方がよっぽど危険と言えば危険極まりないと言えるのではないでしょうか!

 投資家で、冒険家のジム・ロジャーズは、「米政府は紙幣を一段と増刷しており、さらに多くを借り入れている。これは健全な通貨の基盤ではない。米国政府に30年間、3~6%の利子で金を貸す(米国債30年物を購入する)ことなど、私にとっては全く考えられない。いずれ米国債を空売りする計画だ」と述べました。

 「米国債を買うなら、10月から支払を開始するというカリフォルニアのIOUの方がよっぽどまし!」 

 まともに考えればそうかもしれません。当然、投資としてもその3.7%という金利から人気が出ているのです。危険分散という観点から、その他の比較的格付けが低い債券と組み合わせて、投資債券を作るとか、相変わらず、どんなことでも金儲けに結びつけるところは、さすがアメリカというしかありません。

 名物知事とIOUという面白さから、話題となっていますが、この財政難からくる借金はどこの国でもやっていることであり、日本の国債も同じことです。最終的に国が面倒を見るかどうかというところが焦点であって、取り立てて驚くことでもありません。 



インフレはどうやって発生するか?
 これらグローバルな借金体質は今や、国家単位の問題として、「いつこの借入政策、ないしはそれを覆い隠す中央銀行の紙幣増刷という行動に限界がくるのか?」という段階にあると思います。いわゆるインフレの出現による社会システムの崩壊です。
 いくつかのケースがあると思われますが、この破壊的なインフレの出現は、それがあたかも自然発生したかのごとく演出されることでしょう。今予想されるところでは、イランの核開発に対しての欧米、イスラエル対イラン保守政権の対立激化からくる、紛争の拡大、軍事衝突からくる石油の暴騰に端を発する商品インフレが有力な候補でしょうか。

 7月上旬、英紙が報道したところによると、「今後、イスラエル軍がイランを空爆する際は、サウジアラビアが領空通過を黙認することで両国の当局者が合意した」とのこと。イランの核開発は時間の問題であり、アメリカ、とりわけイスラエルが黙って見過ごすことはないでしょう。
 米国債の暴落からくるドル暴落による貨幣価値の失墜から起こるインフレはどうでしょうか? 先日、中国の保有国債がまた増加したということで、米国債に対しての購入は続けられるとの見方も出てきました。中国は未だに元の相場を管理している関係で、ドル買いを続けています、そうなると、余ったドルの運用という観点から、どうしても米国債は投資対象から外せないとの読みです。しかし、報道によれば、中国の米国債買いは相変わらず短期債に限っていて、しかも今回の買い付けが増えた時期もガイトナー米財務長官の訪中時と一致しているとのこと。7月に懸念された、米国債大量発行による、米国債の暴落は一応回避されましたが、ニューヨーク・ダウの上げと共に、また景気回復ムードが訪れれば、いつ長期金利の上昇(米国債下落)の激しい嵐が押し寄せるかわかりません。世界中の投資家に見限られつつあるドル相場は、時間の問題で波乱局面となっていくことでしょう。



避けられない旧東欧諸国の爆発
 ちょっと変わったところで、東欧の経済崩壊から起こるヨーロッパの銀行破綻からくるユーロの問題もあります。今や旧東欧諸国の経済は破綻寸前の状態とのこと。ハンガリーからの報告では、なんと旧共産党時代のような闇の商売が花盛りということです。闇の商売というのはたとえば、家の改築や、修繕を頼まれた時に、これを会社で引き受けることなく、個人で、秘密裏に引き受け、少し安く仕事をして、全く、誰にも当局には報告しないというわけです。これにより税金を全く支払う必要がないということです。このような闇の仕事引き受けは、共産党時代には当たり前のことだったようですが、自由陣営に入って、そのようなことはなくなったのに、今この経済難によって、昔の形が復活してきたとのことです。何とGDPの20%までがこのような闇の仕事というから驚きです。急激に市場開放した旧東欧諸国は自国の技術の蓄積がなかったのです。そのまま西欧と合体したため、ほとんどの産業や金融機関はいわゆる、西欧の資本となったのです。

 日本が終戦後、すぐに市場を開放していたらどうなったでしょう? いい技術のある松下やソニー、トヨタといった企業はすべて発展途中で外資に買収されるか、そのような企業は育たなかったでしょう。旧東欧諸国はそのようなものと考えればいいでしょう。いざ経済危機となれば、自国の技術はまったくなく、また、どの国の国民も外貨で借金していたため、自国の通貨安で、借金の額が膨らみ、動きが取れない状況です。これから発生する旧東欧諸国の官民による巨額の債務は、西欧の銀行がすべてをかぶるしかなく、ふたたび金融危機が訪れるのは必至でしょう。今はIMFの緊急融資でつないでいる状態です。いずれ旧東欧諸国は、火薬庫となって爆発することは避けられないでしょう。



  1998年、ロシアはデフォルトして、LTCM(ロング・ターム・キャピタル・マネージメント)はじめ、ヘッジファンドの大きな危機が訪れました。
 現在ロシアは、原油価格の下落と自国の産業の競争力低下から、経済は危機的な状況に陥りつつあります。銀行の不良債権比率は、ムーディーズによると、現在の11%から20%に拡大するということです。融資の2割が焦げつくというのは尋常な世界ではありません。10年前の悪夢の状態と少しも変わらない状況、むしろ酷くなっているかもしれません。このように、火薬庫は世界中に広がっているのです。今や、それらが複合的に発生してくるかもしれません。
 また、全く別の角度から、強毒性のインフルエンザの蔓延が新たな混乱作っていくかもしれません。スペイン風邪は、1918年の春にまずアメリカで発生しました。このときは、ほとんど死者は出なかったのです。同年9月、ヨーロッパから世界各地で、ほぼ同時に大量感染が始まったのでした。このときウィルスが変異して強毒性となったのです。1919年の春から、さらなる感染拡大となり、5千万人以上の人が亡くなり、これが、第一次世界大戦終了の真の理由とも言われています。
 いずれにしても、今秋からの混乱の種はつきそうにありません。束の間の安定期間がこの夏ということではないでしょうか。
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 ●船井幸雄.com
  http://test02.funaiyukio.com/money2/index_0907.asp

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