飛水峡

思い出

岐阜新聞

2001年12月16日 21時29分25秒 | 新聞
正月の味じっくり/飛騨ねずし漬け込み/萩原町

 年の瀬が迫り、飛騨地方に伝わる正月の味「飛騨ねずし」が、各家庭で漬け込みの時期を迎えている。ねずしはコメと野菜、マス、こうじをまぜ込んで作る発酵食品で、半月ほどじっくり寝かせると食べごろを迎える。

 飛騨がすっぽり雪に覆われた十五日、益田郡萩原町萩原の造り酒屋「天領酒造」の上野田隆平社長宅でも、底冷えする中で朝から漬け込みが行われた。上野田さんの母親が急用のため、妻の奈津子さん(47)一人での作業となった。

 まず、コメ一升五合、細切りにしたダイコン、ニンジン、ショウガ計約三キロとマス、こうじを丹念におけの中でまぜ合わせる。まざったら、かめの中へ少しずつ押し固めて漬け込み、最後に落としぶたと重しを乗せて、日の当たらない戸外で寝かせ発酵するのを待つ。

 奈津子さんは「嫁いで二十三年、初めて一人で作業したので塩加減が心配」と話しながらも、甘酸っぱい正月の味が出来上がるのを、心待ちにする様子だった。

(写真)正月に欠かせない「飛騨ねずし」の漬け込み作業を行う上野田奈津子さん

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