病院のベッドの上で製作を開始した、元トライスターの38(t)戦車。
離型剤がひどく、手がヌルヌルスベスベになって、気持ち悪いので作業は3晩で止めにしました。
耳が悪いので、イヤホンでのTV視聴が辛いためヒマつぶしと考えていましたが、失敗。
今度、病院にプラモを持ち込むときは、国産キットにしましょう。
退院してすぐに、ファインモールドから出ている、ご機嫌クリーナーで洗いました。
下回りは、病院で切出してあったので、アッという間にここまで進みました。
台は、娘が中学校の技術家庭の木工の授業で作った、本立てをバラした廃材利用。
学校から持って帰ってきて、使わないから捨てるというので、頂きました。
接着剤を使わず、余計な細工もせず、ニスも塗ってない作品だったので素材として有効に使えました。良い子だナイス。
何材だかわかりませんが、結構木目がキレイだったのでオイルステイン無でクリア仕上げ。
材が軟くて、ルーターで外周を飾り仕上げするときに、割れや欠けが出るのが唯一の欠点。
木工に慣れない子供が、ノコギリで切ったりするのには良い材ですね。
我々の小学校の頃はラワン材ばかりでしたが、現在ラワンは乱獲のせいで資源が枯渇し高騰してます。
ラワンは狂いが少ないので、構造材としては良いですが、木目がなくて美しくないので、台に使うのにはこっちの方がありがたいですね。
さて38(t)。
サスペンションと転輪可動だったので、全輪接地の調整が楽でした。
ジオラマなどで、平坦ではない場所を走行するシーンでは有効でしょうね。
別パーツだった転輪ゴムも接着済みです。
履帯を接着するのに、塗装後では強度がないので、塗装前に接着したい。
そうするとゴム部を別部品にされても全然メリットないんですよね。
事前に立てた、製作方針は2点
(1)まめ八さんが指摘されている落し穴を処理しながら進める事
(2)国産キットのようにランナーから外してバリ処理しただけで直ぐに接着しない。すり合わせをして収まりを納得するまで確認する事。特に板厚方向。
この2点に注意して進めてみると、それほど悪いキットでもないように思えてきました。
まめ八さんの詳細なリポートで予習してあるので、「ハイハイここね、なるほど駄目ね」と安心して進められている、というのが大きいですけど。
まめ八さんのブログのリンクを貼れるといいんだけど、やり方わかんないや。
では順を追って。
地雷その1:車体後半のパネルが不整合。ここは個体差か改善されたのか。うちのは慎重に組めば特に問題なく組めました。
地雷その2:エンジンサイドの吸気後の小パネルのすき間。
画像の予備履帯のすぐ上の部分ですが、ここはどちら寄せにしてもすき間が空きます。
hisotaはどっちつかずの曖昧な位置に付けちゃいましたが、上に寄せてすき間をなくし、下の空きにプラ板貼るのが正解かな。
地雷その3:この機銃の付け根にある、リング状の装甲が本体に密着しない不具合箇所。
ここはご指摘通り、そのままでは密着しません。
機銃のボールマウントの球が凹みに対して大きいので、フタ=リングが閉まらないのです。
球の奥の部分を削って収めれば、密着してパテ要らずでした。
こんなのも、ダメなのがわかってるから、迷わず削れるんですよ。
ダメだと知らないと、自分の組み方が悪いのかなとか、ひょっとしたらうまく入るんじゃね?とか迷っちゃうんですねえ。
機銃カバーのゲート周辺のバリ修正の方が大変だった。
フェンダーはすり合わせして組めば、まったくすき間は空きませんでした。
地雷その4:ルーバーカバーのエッチングパーツの収まり
これも個体差なのか、キツ目ですが、特に問題なくかぶさりました。
ドライバー席の覗き窓の内側に、三日月形のエッチングパーツが2個付きます。
このパーツですが、まめ八さんの記事では糊代を折り返す仕様になっていましたが、うちのパーツには糊代がなく、三日月の平板の断面をイモ付けする仕様となっていて、明らかに違いました。
エッチングパーツの版も改修されたのかもしれません。
真鍮の小片を、プラのパーツに瞬着で、2枚平行に垂直に立てるのには苦労しました。
地雷その5:起動輪基部のリベットが干渉する件。
どうもこのモールドは、パーツが違うか金型改修してあるみたい。
まめ八さんの画像では問題のパーツはリベットが4個なんですが、うちのは5個で両端の2個は他よりも小さく成型されてます。
まわりの部品とも干渉せず、何の問題もなく付きました。
まめ八さんのはG型で、うちのはB型。
どっちの発売が先か知りませんが、その差かもしれません。
慎重に進めた結果、大きな失敗もなく目途が立ったので、中間報告で振り返ってみます。
当時メーカーサイドでは、こんな企画会議があったんじゃないかと、妄想してみました。
☆テーマ1:38(t)の最大のチャームポイントはリベット。それを正確にかっこよく表現する。
・手段、方法:一体成型しない。バスタブ方式は組立ては楽だが、アンダーカットになるリベットの形状が乱れたり、省略せざるを得ない。
なので1面ずつ分割成型し箱組とする。値段からいっても一定以上のマニア向けだし、マニアは歓迎するはず。
・結果:まあ成功と言えるんじゃないでしょうか。大量のリベットが非常に美しいキットになってます。
☆テーマ2:強度や組立て易さよりディテールを優先する。
・手段、方法:薄板で構成する。小さいし、モーターライズでもないので強度は不要、組立用のガイドやリブも付けない。
パーツ裏側にリブを成型すると、表側にヒケが必ず現れる。表側のディテールのモールドにヒケが重なると修正困難。
・結果:今まで組み立てたところ迄では良さそうです。修正できないようなヒケは見当たりません。
また薄板中心で金型からの抜き抵抗が少ないためか、処理の面倒なE/P(押出しピン)の本数が少なくて済んでいるように思います。
薄板の収縮による変形などもいまのところは見当たりません。
ここまで組み立てた感じでは、要所要所にタミヤとは違う落とし穴があるものの、新興の小メーカーにしては随分と頑張った意欲作、というのがhisotaの印象です。
当時のライター陣が諸手を上げて褒めちぎったのは、著名なモデラーへの忖度か、新興メーカーを応援するためかわかりませんが、それはメーカーの問題ではなく、良いところは良い、悪いところは悪いと書かなかった(書けなかった)ライターや編集者の問題ですね。
タミヤのツインスターを超えるトライスターを目指して頑張ってたんでしょう。
できてきたら、結構カッコいいの。
覗き窓には内側にクリアパーツが付きますが、自分的には不要です。
見えないところ作るのは、好きじゃないんだよなあ。
トライスターのキットは、曰く付のⅣ号D型から付き合っていますが、その頃から生産途中で訂正パーツを配布する等の不手際(良く言えば、真摯な対応)が目立ちました。
記事を拝見していて、私が製作したキットからかなり手が加えられているような気がしました。
もっとも、私の技術的な未熟さもあるのかも知れませんが・・・(^^ゞ
安全確認のために超微速前進で慎重に進めている(当社比)なので、今のところひどいトラブルには遭遇してません。今朝の履帯切れ以外は。
砲塔もなにもせずにクルクル回りましたし。
ドイツ的に洗練されたG型より、チェコオリジナルの濃そうなB型を選んだんですが、最後発だったとはラッキーでした。多分市場の声がフィードバック掛かったんでしょうね。
そろそろ、お人形も始めないとなあ。