鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

アリス:「犯罪なし」の刑罰は誤り、白の女王:「犯罪なし」は犯罪ありより良い(GLASS5-9)

2008-09-15 21:36:07 | Weblog

現実の世界では出来事は過去・現在・未来の順に起こる。鏡像の世界である「鏡の国」では未来・現在・過去の順に出来事が起こる(ことがある)。例えば現実の世界では出来事は犯罪→裁判→刑罰の順に起こる。ところが鏡の国では先に未来の刑罰が執行され、続いて刑罰を決めた裁判、そして裁判をもたらした犯罪が起こる(ことがありうる):刑罰→裁判→犯罪の順。未来の刑罰が先になされて「その後でもし犯罪がなされなかったら?」とアリスが疑義を呈する。「犯罪がなされないならますます結構」と白の女王が言う。 PS: 刑罰の根拠は犯罪である。アリスは「犯罪なし」の刑罰に根拠があるのかと問うて、「犯罪なし」の刑罰は誤りだと主張する。これに対して白の女王は「犯罪なし」と犯罪ありを比較して、「犯罪なし」こそ結構だと述べる。 この白の女王の発言についてはアリスもそれはその通りだと思う。「犯罪なし」と犯罪ありを比較し「犯罪なし」こそ結構だとすることに反論はできない。「無論ますます結構でしょうね」とアリスが言う。

イラスト: 再来週の伝令は牢屋の中


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