鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

「1足す1足す1足す1足す・・・・」:「足し算の規則」と「足し算の複雑さの程度」(GLASS9-13)

2012-11-18 13:18:39 | Weblog
 「お前は足し算が出来るのか?」と白の女王がたずねる。問題は単純である。「1足す1足す1足す1足す1足す1足す1足す1足す1足す1はいくつ?」アリスは思いがけない問題が早口で出されて戸惑って答える。「わかりません。数えられなかった!」と。わきから赤の女王が口を出して「お前は足し算が出来ない!」と結論。

 コメント1:意外性が人を戸惑わせる。易しい問題が難問に変化した。ここには、実は2つの異なる問題がある。1つ目は、(A)足し算の規則を知っているかどうか。アリスは、それを知っている。この限りで、アリス自身は「足し算が出来る」と思う。
 2つ目は、(B)足し算の複雑さの程度という問題。①足す数字の桁数の多さもあるし、②足す回数の多さもある。白の女王の足し算の問題は、複雑さの程度において、①足す数字の桁数は少ないが、②足す回数が多い。
白の女王が出した足し算の問題は、複雑さの程度において、①足す数字の桁数が少ない点で易しいが、②足す回数が多い点では、口頭で問題が提示されたとき、回数の確認が難しい。だからアリスは「分かりません」と答えた。

 コメント2:かくてアリスは(A)「足し算の規則」を知っている限りで、足し算が「出来る」。しかし(B)「足し算の複雑さの程度」に関しては、足す回数が多いと、口頭で問題が提示されたとき、アリスは、回数の確認が「出来ない」。

 コメント3:赤の女王の「お前は足し算が出来ない」との判断は、(A)「足し算の規則」を知っているかどうかの問題と、「足し算の複雑さの程度」の問題を混同している。

 ※旧稿
足し算、「1足す1足す1足す1足す・・・・はいくつ?」は難問GLASS9-13)
 「お前は足し算が出来るのか?」と白の女王がたずねる。・・・・・・・・赤の女王が口を出して「お前は足し算が出来ない!」と結論。意外性が人を戸惑わせる。易しい問題が難問に変化した。答えは10と簡単だったのに。