鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

鏡の国でバタつきパン蝶は餌がなくてしょっちゅう死ぬ(GLASS3-31)

2008-04-24 22:23:35 | Weblog
  アリスが鏡の国のバタつきパン蝶について「それは何を食べて生きてるの?」と質問。ブヨが「クリーム入りの薄いお茶」だと答える。この答えを聞いてアリスはわからなくなる。おそらくそのお茶がずいぶん変わったものでそう簡単に見つけられそうもないと彼女が思ったからだろう。「そういうお茶をもし見つけられなかったらその蝶はどうなるの?」と彼女がたずねる。
 「もちろん死ぬ」とブヨ。「でもそれってしょっちゅう起こるに違いないわ」とアリスが言う。「しょっちゅう起こるさ」とブヨが答える。この後、アリスはしばらく黙り考え込む。鏡の国ではバタつきパン蝶が食べるものを見つけられずしょっちゅう死ぬと聞き彼女はひど過ぎると思ったにちがいない。アリスは心優しい。
 ところがブヨはその間、アリスの頭の周りをブンブン飛んで遊んでいた。ブヨがずいぶん冷たいように見えるがそれは違うだろう。鏡の国ではブヨにとって当たり前の出来事なのでまさかアリスが驚いて黙り込んだとは理解できなかったに違いない。アリスが相手をしてくれなくなったのでブヨはただブンブン飛んで遊んでいるしかなかったのである。

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1 コメント

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Unknown (近藤)
2016-04-29 16:31:42
このくだりを探していました。ありがとうございます。
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