鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

連想的なつながり(GLASS9-12)

2012-10-01 09:15:23 | Weblog
 赤の女王が「お前にお客を招待する機会(=パーティーを開く資格)を与えよう」と言った後、「しかし、お前はまだ、マナーについての授業を、たくさんは受けていないだろう」とアリスに言う。「マナーは、授業で教えていません。」「授業は、計算とか、そういったものを教えます!」とアリスが言う。「あなたは、足し算ができるの?」と白の女王がたずねる。

 コメント1:ここでマナーの話が出るのは、『鏡の国のアリス』が書かれたヴィクトリア朝時代のイギリスで、テーブルマナーが完成されたという事実があったからだろう。「パーティー⇔マナー」の連想。「⇔」は相互に連想されることを示す。

 コメント2:話題は、論理的or事実的なつながりを含め、連想的につながっている。「パーティー⇔マナー⇔授業」と赤の女王の連想。アリスは「パーティー⇔マナー」の連想は赤の女王と同じだが、「マナー⇔授業」の連想ができない。アリスは「授業⇔計算」と連想する。白の女王が「計算⇔足し算」と連想した。

 ※旧稿
お行儀の授業が昔はなかった(GLASS9-12)
 パーティーを開く前に赤の女王がアリスに向かって「お前はお行儀の授業をまだ受けてないだろう?」と言う。アリスは「お行儀 manners は授業で教えるものではないわ」と反論する。昔はつまり19世紀末のイギリスではお行儀の授業がなかったのだ。Lewis Carroll が THROUGH THE LOOKING GLASS AND WHAT ALICE FOUND THERE の前書きを書いたのは1896年。