鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

アリスがこれから進む道筋:赤の女王の説明(=キャロル「序文」の説明)(GLASS2-25)

2012-02-21 08:29:18 | Weblog
 予告どおり2ヤードの杭の所で、赤の女王が、アリスがこれから行く道筋について教える。
 
 PS1:アリスの進み方についてはキャロルの「序文」に説明がある。それは次の通り。

     
 ※以下の説明の便宜のため、
  手前から1, 2, 3, ・・・・8列とする。
  左からa, b, c, ・・・・h列とする。

 ※アリスが赤の女王に初めて出会った時の駒の位置(ここから話が始まる。上図。)
  白の歩兵(d2):これがアリスである。
           話の展開とともにアリスは、つぎのように進む。
           d2(赤の女王と会う。アリスはここから出発する。)
           d3(鉄道に乗る。)
           d4(トゥィードゥルダムとトゥィードゥルディーに会う。)
           d5(羊になった白の女王と会う。はじめは店、次に川、そして店。)
           d6(ハンプティ・ダンプティと会う。またライオンとユニコーンと会う。)
           d7(森。白の騎士と一緒に森の中を進む。)
           d8(アリスが女王となる。)
  赤の女王(e2):白の歩兵(アリス)(d2)の隣にいる。
  白の女王(c1)
  白のルーク(f1)
  赤の王様(e4):話の終わりまで動かない=寝ている。
  白の騎士(f5)
  白の王様(c6)
  赤の騎士(g8)

《白の歩兵(d2にいるアリス)が11手目で赤の女王を取り(=赤の王への詰みとなり)白が勝つ》
 ※白赤の番の交代はきちんと行われない
 ※手前が白、向かいが赤
  
先手1、白(アリス):アリス(d2)が隣の目(e2)の赤の女王に会う。(2章生きてしゃべる花たちの庭)
後手1、赤:赤の女王がh5に進み、アリスのもとから消え去る(2章同上)

先手2、白(アリス):アリスがd3を通過し(鉄道)、d4でトゥィードゥルダムとトゥィードゥルディーに会う。隣の目(e4)の赤の王様は寝ている。(3章鏡の国の虫たち、4章トゥィードゥルダムとトゥィードゥルディー)
後手2、白:c1の白の女王がショールを追いかけ、まっすぐc4に行く。(5章ウールと水)

先手3、白(アリス):アリス(d4)が隣の目(c4)の白の女王(ショールを持つ)と会う。(5章同上)
後手3、白:白の女王がc5に進み、羊となる。(5章同上)

先手4、白(アリス):アリスがd5に進む。羊になった白の女王(c5)と会う。(はじめは店、次に川、そして店)(5章同上)
後手4、白:白の女王(c5)がf8へ(棚に玉子を置く)(5章同上)

先手5、白(アリス):アリスがd6に進む。ハンプティ・ダンプティと会う。(6章ハンプティ・ダンプティ)
後手5、白:白の女王(f8)が赤の騎士(g8)を恐れてc8へ逃げる。(7章ライオンとユニコーン)

先手6、白(アリス):アリスがd7に進む。森。(7章同上)
後手6、赤:赤の騎士(g8)がe7へ(王手)。白の王様がc6にいる。(8章「それは私の発明」)

先手7、白:白の騎士(f5)が赤の騎士(e7)をとる。隣の目(d7)のアリスと一緒に森の中を進む。(8章同上)
後手7、白:白の騎士(e7)が森を去りf5へもどる。(8章同上)

先手8、白(アリス):アリスがd8に進む。戴冠。(8章同上)
後手8、赤:赤の女王(h5)がe8に進む。隣の目(d8)のアリスに試験をする。(9章女王アリス)

先手9、白(アリス):試験に合格し、アリス(d8)が女王となる。(9章同上)
後手9:女王たち「入城」。(チェスのゲームでなく、話の上での「入城」である。)チェス盤上では、白の女王(c8)、女王アリス(d8)、赤の女王(e8)が並んでいる。(9章同上)

先手10:女王アリスの「入城」。(話の上で、女王アリスが城に入る。)宴会。(9章同上)
後手10:白の女王(c8)がa6の目に進む。話では、白の女王がスープの中に消える。(9章同上)

先手11:女王アリス(d8)が赤の女王(e8)を取る。赤の王様(e4)への詰みとなり白が勝つ。(10章揺さぶる)

 ※赤の王様(e4)は
  ①f3、f4、f5へ行けばルーク(f1)に取られる。
  ②e3、e5へ行けばアリス(=女王になった白の歩兵)(e8)に取られる。
  ③d3に行けば白の女王(a6)に取られる。
  ④d4に行けば白の騎士(f5)に取られる。
  ⑤d5に行けば白の王様(c6)に取られる。

 以上がキャロルの「序文」の説明。さて本文にもどろう。

 赤の女王がアリスに言う。「白の歩兵のお前は、最初に2目進む。」と。(※白の歩兵のアリスはd2にいる。)
 「3番目の目(d3)ではお前は鉄道に乗る。」
 「お前は、たちまち4番目の目(d4)にいる。そこはトゥィードゥルダムとトゥィードゥルディーの領分である。」
 「5番目の目(d5)は大部分、水である。」
 「6番目の目(d6)は、ハンプティ・ダンプティの領分である。」
 「7番目の目(d7)は全部が森。しかし、白の騎士(e7)がお前に道を教える。」
 「8番目の目(d8)では、私たちは皆、女王である。宴会そして愉快!」(白の女王(c8)、女王アリス(d8)、赤の女王(e8))

 PS2:赤の女王の説明は、キャロルの「序文」の説明に対応する。

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