鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

歌‘門の上に座ってる’(その4):小川をボウボウ燃やす(GLASS8-32)

2010-09-23 19:32:32 | Weblog
 白の騎士の歌(第3連)は、老人の頭をゴンとたたいて「どうやって金を稼ぐのだ?」と再び尋ねたところで終わった。騎士は第4連を次のように歌う。

 老人が優しい声で始める秘話 His accents mild took up the tale;
 彼が言った「私は出かけた方々 He said,‘I go my ways,
 そして見つけた山の小川 And when I find a mountain-rill,
 私は小川を燃やすボウボウ I set it in a blaze;

 PS1:第4連前半は原文では‘tale’と‘rill’、和訳では「秘話」と「小川」が脚韻。また原文では‘ways’と‘blaze’、和訳では「方々」と「ボウボウ」が脚韻。


 すると彼らがやってきて物をこしらえる And thence they make a stuff they call
 ローランド・マカッサル油がその名称 Rowlands' Maccassar Oil―
 でも2ペンス半だけ私がもらえる Yet towpence-halfpenny is all
 彼らが私の苦労に払う代償」 They give me for my toil.’

 PS2:第4連後半は原文では‘call’と‘all’、和訳では「こしらえる」と「もらえる」が脚韻。また原文では‘Oil’と‘toil’、和訳では「名称」と「代償」が脚韻。

 PS3:老人が山の小川をボウボウ燃やすとはすごい。確かにそれは苦労である。それなのに彼は2ペンス半しか稼げず、さえない。ローランド・マカッサル油は19世紀、キャロルの時代に有名な商品。それが小川を燃やし作られるとはどういうことか不明。(マカッサルはインドネシア、スラウェシ島の港町。)