鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

重力が小さい、別の宇宙の入り口、物体が時間的に産出されず存在をやめる!(WONDERLAND1‐20)

2014-03-13 19:35:20 | Weblog
 アリスは少しも怪我しなかった。すぐに彼女はピョンと立ち上がる。上を見上げたが、頭上は真っ暗。彼女の前にはさらに長い通路。白い兎がまだ見えた。兎は通路を急いで走っていく。無駄にする時間はない。アリスは風のよう追いかける。兎がつぶやくのが聞こえた。それは兎が角を曲がるときだった。「なんてこった、ひどく遅れてしまった!」アリスが角を曲がった時、彼女は兎のすぐ後ろにいた。しかし曲がると兎の姿がもうない。そこは細長く高さが低い広間。天井から下がったランプの列があたりを照らす。

 ◎「不思議の国」が不思議な理由(8):兎の穴を長い時間落ち続け、木の枝と枯葉の山の上とはいえ、地上に墜落してアリスが怪我しないのは不思議。「不思議の国」の重力は小さい。
 
 ◎「不思議の国」が不思議な理由(9):明るい外部から落ちて、兎の穴はまっすぐだったはずなのに、頭上が真っ暗とはどういうことか?明るい入口も光も全く見えないのはおかしい。おそらく「不思議の国」は、日常世界の現実と物理的に連続しない。アナザー・ワールド、つまり別の宇宙である。兎の穴は別の宇宙の入り口だった。
 
 ◎「不思議の国」が不思議な理由(10):別の宇宙で、アリスが最初に到達したところは通路。角を曲がると兎が突然消える。つまり兎が、あるいは一般に、物体が、時間的に産出されなくなる。物体は時間存在で、時間の経過とともに産出され続けることで、存在し続ける。不思議の国では、ある物体が突然、時間的に産出されなくなり存在をやめることがある。




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