鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

歌‘門の上に座ってる’(その2):蝶が羊肉になる!(GLASS8-30)

2010-07-19 23:19:12 | Weblog
 白の騎士が歌(第2連)を続ける。歌は‘どのような仕事をしてる?’と尋ねられたことへの老人の答えについて述べる。
 
 彼が言った‘私は蝶を捜索 He said,‘I look for butterflies
 それらは麦の間で寝る; That sleep among the wheat;
 私は蝶を羊肉パイへと製作 I make them into mutton-pies,
 そしてそれらを私は街で売る And sell them in the street.
 
 PS1:第2連前半は原文では‘butterflies’と‘mutton-pies’、和訳では「捜索」と「製作」が脚韻。また原文では‘wheat’と‘street’、和訳では「寝る」と「売る」が脚韻。
 
 私はそれらを船乗りたちに売る’と彼の言い方 I sell them unto men,' he said,
 ‘彼らは嵐の海を航海;‘Who sail on stormy seas;
 このように私のパンの稼ぎ方― And that's the way I get my bread ―
 実にささやかと私の見解' A trifle, if you please.'

 PS2:第2連後半は原文では‘said’と‘bread’、和訳では「言い方」と「稼ぎ方」が脚韻。
    また原文では‘seas’と‘please’、和訳では「航海」と「見解」が脚韻。

 PS3:歌は最初は普通。「私は麦の間で寝る蝶を捜す。」ところがその後は奇妙。「私は蝶で羊肉パイを作る。」どうして蝶のパイでなく羊肉パイになるのか変!
 「それらを私は街で売る。」のは変でない。「私は羊肉パイを嵐の海を航海する船乗りたちに売る。このように私のパンの稼ぎ方は実にささやかと私は感嘆し思う。」この内容も納得がいく。

歌‘門の上に座ってる’A-sitting on a Gate(その1)(GLASS8-29)

2010-07-11 16:58:05 | Weblog
 アリスを慰めるために騎士が歌を歌う。その歌は‘門の上に座ってる’である。「誰もが涙を流す」歌だと騎士は言っていたが、アリスは涙が出なかった。

 歌‘門の上に座ってる’A-sitting on a Gate

 私は君に可能なすべてを言う I'll tell thee everything I can;
 話すことはでも限られてる There's little to relate.
 私は年を重ねた人と会う I saw an aged aged man,
 門の上に座ってる A-sitting on a Gate.

 PS1:第1連前半は原文では‘can’と‘man’、和訳では「言う」と「会う」が脚韻。
    また原文では‘relate’と‘Gate’、和訳では「限られてる」と「座ってる」が脚韻。
 
 ‘君は誰、ご老人?’私が誰何(スイカ)‘Who are you, aged man?' I said.
 ‘また君の仕事はどのよう?’ ‘And how is it you live?'
 そして彼の答えが私の頭を通過 And his answer trickeled through my head
 あたかもザルを通る水のよう Like water through a sieve.

 PS2:第1連後半は原文では‘said’と‘head’、和訳では「誰何」と「通過」が脚韻。
    また原文では‘live’と‘sieve’、和訳では「どのよう」と「水のよう」が脚韻。
 
 PS3:歌は荒唐無稽ではない。意味もわかりやすい。「僕は君に知ってること全部を話すけど、そもそも話は長くない。私は年を取った人と会うがその人は門の上に座ってる。‘あなたは誰、ご老人?’‘またあなたはどのような仕事をしてる?’と私が尋ねる。彼は答えるがその答えはあたかもザルを通る水のように私の頭を通過する。」