鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

ハンプティ・ダンプティは記号の意味の支配者したがって世界・宇宙の支配者である(GLASS6-37)

2009-07-26 00:48:28 | Weblog
 「お前の二つの目がまとめて鼻の一方の側にあるとか、お前の口が上側にあるとか」すべきだとハンプティ・ダンプティが言うとアリスが批評する。「そんなのみっともないわ!」と。

 PS1:アリスは不思議な女の子である。化け物のようなあり得ない顔について何の違和感も持たずただ「みっともない」と言うだけ。

 アリスのこの発言に対しハンプティ・ダンプティは「お前の顔は他のものたちと全く同じ」なのに区別がつくと言うのなら「まあ、やってみることさ」と目を閉じて言う。彼がまた何か言うかとアリスは待つが彼は目も開けないし彼女に注意を向けさえしない。アリスは「これまで会ったすべての好ましく思えない人のなかで(一番ひどい!)」と思う。

 PS2:ハンプティ・ダンプティは記号の意味の支配者である。記号に対しすべての意味は彼が与える。記号は世界・宇宙をおおいつくす。だから記号をとおして彼は世界・宇宙の支配者である。彼がちっぽけなアリスに注意を向けさえしないのも当然である。

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