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「常に測位する低消費電力GPSチップ」インタビュー記事紹介

2008-09-03 23:44:38 | GPS
「常に測位する低消費電力GPSチップ」がもたらすモバイル機器の近未来──Air Semiconductorに聞く

 ITmedia による、Air Semiconductor へのインタビュー記事。
 この会社は「「GPSの消費電力を1/100 に」、英ベンチャーが開発」で以前紹介した、極めて消費電力の低いGPSチップを開発しているメーカーだ。以前記載した特徴を再度記載すると、
・消費電力が 1mA と極めて小さいため常時動作させることができる。
・常時動作しているため、測位したいときに、瞬時(以前紹介した記事によると25ms)に位置を算出することができる。
・常時動作しているため、屋内で測位できないような場合でも、測位できた最新の値を使うことができる。
と言ったところだろう。
 なお以前紹介した記事によると、サンプル出荷は本年中を予定しているとのことだ。

 記事では、2009年末までにデジタルカメラに搭載されることを目標としているとのことだ。
 ということで、現状でデジカメの写真に精度の高い位置情報(=GPS)を付加する方法を挙げてみよう。とりあえずすぐに思いつくもので4つある。

・GPSとカメラを搭載したケータイ(iPhone 3G含む)で、A-GPS の仕組みを利用して位置情報を取得して付加する。A-GPS を使うために感度も良く、必要な時のみに動かすために消費電力も少なくすむ。が、比較的高速ではあるものの、瞬時には測位できない。
・デジカメとは別にGPSロガーを準備してログを取り、あとで撮影時刻を利用して位置データを付加する。撮影時に測位を意識することは無いが、GPSロガーという別の装置が必要。
・Nikon のデジカメにあるように、一眼レフデジカメにGPSレシーバーを接続する。これは上と同様にGPSレシーバーが別途必要であることと、電源をデジカメから取る場合にはデジカメの電池のもちが悪くなる。必要な時のみに動かせば消費電力の問題は小さくなるが、代わりに測位までに時間が必要になる(数十秒など)。
・Nikon のCOOLPIX P6000にあるように、GPSレシーバーを内蔵する。これはまだ発売されていないのでよく分からないが、少なくともある程度はGPSレシーバー分に電力を食われるだろう(そのGPSレシーバーが Air Semiconductor のものであるというなら話は別だが)。

 消費電力と測位時間に着目すると、トレードオフの関係にある。A-GPS はそのトレードオフを変化させることのできる技術だが、それでも測位時間はゼロにはならない。
 既に記載していることだが、Air Semiconductor の技術がすごいところは、消費電力は極めて小さいのに、測位時間も非常に短いことだ。それを今回の記事で再認識した。


 ちょっとおもしろいな、と思ったのは、『「オフィスに着くと着信音が自動でマナーモードになり、自宅に戻ると通常の音量に戻る。高速移動中は自動でドライブモードにする」といった状況に応じた自動制御から「どこかのビルに入ったら、その場所に応じた周辺情報を自動的に表示する」などといった位置情報を元にしたサービス展開も可能になる』のくだりだ。
 これは Air Semiconductor のコメントなのかライターさんの意見なのかよく分からないが、つい最近見たこちらの記事によると Android アプリコンテストの最優秀作の1つ「Locale」がそんな機能を一部持つアプリらしい。
 AndroidケータイにAir SemiconductorのGPSチップが搭載されれば、そんなアプリも実用的に使えるという訳だ。

 実際にこの技術を搭載した製品が出てくるのか、まずはそこを注目したい。
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