迷歩録 クレヨン

　　北風や　　強く吹き荒れ　　寒戻り　　上着を重ね　　畑道散歩

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ



　　　　　今日は一段と風が強く、気温も低く、寒戻りの一日となりそうである。櫻も散って

　　　　つつじ満開の大隅半島である。陽射しは時々射しこむが気温は上がらない。１６、４度

　　　　上着を重ね着しないと寒さを感じる程である。コロナウイルスで外出を控えている人達に

　　　　塗り絵が流行しているとニュースで見た。塗り絵と言えばクレヨンではないだろうか？

　　　　クレヨンなのか色鉛筆なのか分かれる所であろうが、時間を有効に塗り絵を楽しむのには

　　　　どちらでもよい、自分の気に入ったものを自由に使えばいいのだが、とかく日本ではこう

　　　　でなければならないと、杓子定規な考え方で、その価値観でしか物事を捉えない人が多い

　　　　しかし、物事の進歩、文化の発展というものは、杓子定規から逸脱したものが、道を切り

　　　　開き、開拓してこそ発展、進歩してきたのではないだろうか。

　　　　　グローバルな世界となって、杓子定規な価値観だけでは物事を捉えられなくなっている

　　　　ことは、今回のコロナ肺炎ウイルス問題でも明らかに感じることができるのではないだろ

　　　　うか。

　　　　　クレヨンという絵画道具こそが絵というものに色をつけ、水墨画一辺倒の世界に発展、

　　　　進歩をもたらしたように、新しいものは新しい文化というものを生み出す、このように

　　　　考えれば、コロナウイルスが何か新しいものを生み出すことになるのかもしれない。

　　　　　そんな微かな期待もあるのではないだろうか。